目が覚めたら、関西弁黒髪八重歯のイケメンが見下ろしていて欲しい人生でした。

あきら

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噛みつく訳でもあれへんのにな

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 拝啓、お母さん。何だかんだで、大阪の高校への通学にも慣れてきました。言うて、新学期からそんなに何日も経った訳ではありませんけど。それもこれも、どっかのコミュ力が高い黒髪八重歯のおかげですかね。
 「おぉー。そらっぴやんけ、おはようさん!朝から、偶然やなぁ」

 みなさん、おはようございます。神崎宙斗、18歳ホモです。噂をすれば、どっかの黒髪八重歯と通学路で出くわしましたよ。コミュ力のみならず、朝から無駄にテンションも高いようで何よりですね…。ってか僕のあだ名、「そらたん」じゃなかったんでしょうか。





 「(そらっぴ?)大雅くん、おはようございます。朝から、元気そうで何よりですね…」
 そう言って、無難な意味に変換しつつ返しておきました。突然ですけど、この作品では大阪の地名や施設名をそのまま出そうと思っています。大雅くんの実家がある、「大阪港」とかね。だけど僕たちが通う高校の名前や場所は、特にこれだと定めない方針です。
 何でかって?作者自身が、あんまり詳しくないからですね。当初は場所が適当な「O手前高校」にしようかと検索したところ、あまりの偏差値の高さに鼻水吹きそうになりました。いま通っているのはそこよりワンランクかツーランク劣る高校で、大雅くんはスポーツ推薦で潜り込んだって設定でよろしくお願いします。
 「元気だけが、取り柄やからな!話変わるけど、そらっぴって千葉の舞鶴出身やて?アレやろ、デ○ズニーランドある所やろ。えぇな~。子供の頃から、行き放題だったんやろな」
 「舞浜です。舞鶴は、京都の最北端にある地名ですね。確かに、他の人よりは多く行ったかも知れませんが…。あんまり、いい記憶がないんですよね。デ○ズニーランド」
 「うわぁ、重っ。なんか、地雷踏んでもた?」
 「いいえ、別に。これ以上は、デ○ズニーの風評被害になりかねないのでやめておきますね。それより大雅くんこそ、海遊館に行き放題なんでしょう?」
 「年パス買うとるからなー(※廃止前の世界線でお願いします)!そうや。オレ、そらっぴを大阪の名所にあちこち案内したるで!どこがえぇ?大阪城公園…は、そろそろ桜散ってまうしなー」
 「本当ですか、嬉しいですね。差し当たっては、話題に出た海遊館が気になりますね」
 大雅くんの実家も、すぐ近くにあるらしいし…。って、別にそんな下心があった訳じゃないですけどね。
 「えぇでー!そうや。せっかくやから、動画でも撮影して投稿してみるか?『DK二人で、海遊館にやって来ました』とかな」
 「それ、二人の仲がBL呼ばわりされてバズるやつでは…。いえ、何でもありません。前の高校の人たちに見られるかも知れないので、顔出しはちょっとねぇ…」
 「何やー?オレ、顔出しとか平気やけどな。そらっぴ、王子様みたいなキラッキラした顔しとるから。めっちゃ、バズると思うんやけど…。まぁ、そこら辺は置いとこ。『前の高校』で思い出したけど、東京の超名門に通ってたんやて?」
 「一年の一学期で、授業に付いて行けなくなりましたけどね。アハハ…」
 「だから、暗い方向に持って行くのやめようや。そらっぴ、オレに勉強教えてくれへんかなぁ。言うた通りスポーツ推薦やったけど、肩の怪我で部活続けられんくなって。何とか普通科クラスにしがみついとるけど、赤点取ったら補習がヤバいねん。バイトとか、行っとる時間なくなるし」
 あぁ。膝でも靭帯でもなく、肩の怪我と来ましたか。BL漫画では、あまり見かけないパターンだな。だけど昔見た何かの水泳漫画に、あったようななかったような…?
 「いいですよ。僕なんかで良ければ。だけど大雅くん、友達とか多そうなのに。他に、教えてくれる人はいなかったんですか?」
 「それが、何でか知らんけどみんな嫌がってなー。何でやろ。オレと一緒の部屋にいても、別に噛みつく訳でもあれへんのにな」
 「前歯でも、叩き折られると思ったんじゃないですか…」
 そう言って、軽口を叩いておきましたが…。今、サラッと「一緒の部屋で勉強しよう」って言われました?僕の部屋?話の流れ的に、大雅くんの部屋かな。ちょっと、意識してドキドキしてきちゃいました。別にそれこそ、噛みつかれる訳でもないんでしょうが…。いやむしろ、ちょっと噛みついて欲しいって期待している自分がいます。

 拝啓、お母さん。とりあえず、大雅くんが部屋に来るまでに大量の薄い本をどこかに片付けないといけませんね…。
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