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番外編① 双子0歳 生まれたばかりは可愛い(リーナ視点)
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春うらら、桜の花がきれい。
満開の桜の花の下で旦那様のアルファントに長男のアクティース、ブラックさんとグリーンさん、それにお兄様とノヴァ神官に加えてアルファントの側近の皆さまとのお花見をするのは毎年の恒例行事になってしまった。
流石に全部の料理は作らないけど献立は私が立てるし料理の材料は『液体の加護』からなるべく出している。
ただ、今年はまだお兄様が龍の国から帰ってこないのと次男と長女が産まれたばかりなのでいつものメンバーでのお花見ができてないのは少し寂しい。
私がアルファントと結婚して、長男が生まれてあっという間に時が過ぎてしまった。
魔王の誕生と共に咲いていた王宮神殿の桜の花は、春になると蕾を付けて日本の桜のように普通に咲くようになった。十分咲きになる事もなく、7,8分咲きが満開で桜の花びらも風に吹かれて散っていく。まるで、子供の頃にお兄様と一緒にお花見をしていた時みたい。あの頃は生きる事に一生懸命だったけど、でも、毎日が楽しかったように思う。
不思議な事に桜の花びらは枯れる事なく王宮の庭に桜のじゅうたんを作って、全ての花が散ると同時に花びらは消えていく。花びらは王宮神殿の中庭に万遍なく散っていくのに中庭から外に散る事はない。去年、小さな長男は桜の花びらを集めてその中に埋もれて喜んでいた。
花びらを持ち出そうとしても、中庭から外に出るのと同時にその花びらも消えてしまう。長男が頑張って何とかしようとして、できなくて泣いていたのは可哀そうだけど可愛かった。
「本当に不思議な桜」
「そうだね。でも、ちょうどリーナの子供が産まれるのと同時に満開になるなんてお祝いされているみたいでいいじゃないか」
「そうね。双子たちが初めて見る景色が満開の桜なんていいわね。赤ちゃんだから見えているのか、わからないけど」
私はアルファントと結婚して最初の子供は20歳で男の子を産んだ。長男はアルファントを小さくしたような男の子で私に似たところは全くなかった。でも、赤ちゃんのアルファントを最初から育てているみたいでとても可愛い。
そして、24歳になってまた、子供を授かって何だかお腹が大きいなぁって思っていたら双子だった。
双子が生まれたと同時に桜が咲いて直ぐに満開になった。満開のままもう1週間経っているけど散る気配がない。いつもは大体1週間で散り始めるのだけど、今年は花びらも落ちてこない。
「どうして今年は満開のまま、咲き続けているのかしら?」
「お花見を待っているとか」
「まさか、でもホントに?」
「いつもより満開の時期が長いみたいだし、アークが帰ってきたらお花見をする?」
「そうね。予定ではお兄様がもう帰ってくるはずですもの」
お兄様は後継がいない公爵家の養子になって公爵になり、領地替えでアプリコット辺境伯領の私達が暮らしていた森と魔王のダンジョンを領地として治める、というか管理する事になった。
そして、特例で王宮の中に小さな離宮を賜り、そこからアルファント殿下のところに出仕しているけれど、お兄様の主なお仕事は全国にパンとバナナの公園を作る事と異次元交流。
私とアルファントは多分又この国に転生するだろうから、どこに生まれても食べるモノだけには困らないように国中にパンとバナナの公園を作ると言い出して、国立で管理人付きのパンとバナナの公園を作って回っている。
そう、お兄様は『パンの木』の加護だけではなく、めでたく『バナナの木』の加護を手に入れてしまった。『バナナの加護』ではなく『バナナの木の加護』なのでアプリコット辺境伯との間で交わされた『バナナの加護』ならばアプリコット辺境伯に戻るという契約も問題はない。
もっとも、アプリコット家にも無事に『バナナの加護』を持った子供が現れたのでホッとした。
お兄様がいずれは異次元で龍王になるという事も公にはしていないが高位貴族には周知してあるし、他の貴族たちも何となく知っている公然の秘密となっている。そのお兄様は度々、異次元に出かけては食料事情の改善に努めている。
あちらの世界では最弱な人間たちの住む場所はへき地だし、文明も遅れて食料事情もあまり良くないので、お兄様は何人かの農業専門家を連れて人間社会での生産性を上げようとしている。
竜人も魔人も特に食料を必要としてないので食事のレベルを上げる為には人間たちの意識を引き上げるのが一番らしい。
もっとも、竜人たちの間でもフルーツを使ったお菓子は密かなブームになっていて、龍国に開いたお菓子屋さんは人気の店になっている。そのお店は龍国の貨幣で買えるけど、お金を宝石に変えてもらいこちらの世界に持ってきている。
つまり、宝石とお菓子の物々交換。私とお兄様の感覚ではボッタクリ……。
でも、潤沢な資産は農業開発に使わせてもらっているので結局は還元しているのだからいいと思う、とお兄様が言っていた。
桜の木の下で走り回る長男をアルファントと二人で見ていると、後ろから声が掛かった。
「殿下、ただいま、帰りました」
「お兄様、お帰りなさい。今回は長かったのね」
「ああ、ただいま。リーナ、もう生まれたのか? 間に合ったと思ったんだけど」
「先週、生まれたのよ。男の子と女の子の双子なの」
「やっぱり、双子か。大変だったな。リーナはもう、動いて大丈夫なのか?」
「ええ、安産だったし、全然、平気」
「そうか、よかった。おめでとう。赤ちゃん、見せてもらえる?」
「ええ、どうぞ」
久しぶりに見るお兄様は相変わらず若かった。アルファントはそれなりに年齢に応じた風格が出て来たと思う。
私も年の割にかなり若く見られる。でも、お兄様は18歳を過ぎたあたりから老化のスピードが遅れてきたように見える。20歳を過ぎたあたりで爪の伸びるのが遅くなったし、髪ものびるのが遅くなったそうだ。
お兄様を連れて赤ちゃんの部屋に行くとベビーベッドに寝ている赤ん坊はスヤスヤと眠っていた。男の子と女の子。よく見れば似ているけど、そっくりではなかった。
「何だか、リーナと殿下が小さくなっているみたいだ」
「そうなのよ。男の子はまた、アルファントにそっくりなの」
「このままだと、殿下のミニチュアがドンドン増えていくかも」
「いや、俺としてはリーナが増えてほしいと思っている」
「ははっ、それはそれで、赤ちゃん、触っていい?」
「ええ、どうぞ」
お兄様はとても嬉しそうに赤ちゃんの手にそっと触り、指を掴まれて幸せそうな顔をした。
お兄様はこの世界で人より永い寿命、多分3倍ぐらいは生きるらしい、ので結婚はしないと明言している。
龍王になってからあちらの世界でいう番、唯一を探すから人間でいる間は恋も愛も棚上げだと言っている。確かに旦那様がいつまでも見かけが若いと奥様は辛いのかもしれないけど、でも、長生きするのに一人だと寂しいと思う。
私とアルファントは女神の欠片があるので、多分又、この世界に転生する。記憶があるかどうかはわからないけど、お兄様は記憶があってもなくても見つけたら餌付けしてあげるから心配はいらないと言う。
うーん、お兄様に餌付けされると舌が肥えてかえって良くないような気がするけど。
まだ先は長いし、問題は先送りしよう。そして、子育てを楽しもうと思う。
満開の桜の花の下で旦那様のアルファントに長男のアクティース、ブラックさんとグリーンさん、それにお兄様とノヴァ神官に加えてアルファントの側近の皆さまとのお花見をするのは毎年の恒例行事になってしまった。
流石に全部の料理は作らないけど献立は私が立てるし料理の材料は『液体の加護』からなるべく出している。
ただ、今年はまだお兄様が龍の国から帰ってこないのと次男と長女が産まれたばかりなのでいつものメンバーでのお花見ができてないのは少し寂しい。
私がアルファントと結婚して、長男が生まれてあっという間に時が過ぎてしまった。
魔王の誕生と共に咲いていた王宮神殿の桜の花は、春になると蕾を付けて日本の桜のように普通に咲くようになった。十分咲きになる事もなく、7,8分咲きが満開で桜の花びらも風に吹かれて散っていく。まるで、子供の頃にお兄様と一緒にお花見をしていた時みたい。あの頃は生きる事に一生懸命だったけど、でも、毎日が楽しかったように思う。
不思議な事に桜の花びらは枯れる事なく王宮の庭に桜のじゅうたんを作って、全ての花が散ると同時に花びらは消えていく。花びらは王宮神殿の中庭に万遍なく散っていくのに中庭から外に散る事はない。去年、小さな長男は桜の花びらを集めてその中に埋もれて喜んでいた。
花びらを持ち出そうとしても、中庭から外に出るのと同時にその花びらも消えてしまう。長男が頑張って何とかしようとして、できなくて泣いていたのは可哀そうだけど可愛かった。
「本当に不思議な桜」
「そうだね。でも、ちょうどリーナの子供が産まれるのと同時に満開になるなんてお祝いされているみたいでいいじゃないか」
「そうね。双子たちが初めて見る景色が満開の桜なんていいわね。赤ちゃんだから見えているのか、わからないけど」
私はアルファントと結婚して最初の子供は20歳で男の子を産んだ。長男はアルファントを小さくしたような男の子で私に似たところは全くなかった。でも、赤ちゃんのアルファントを最初から育てているみたいでとても可愛い。
そして、24歳になってまた、子供を授かって何だかお腹が大きいなぁって思っていたら双子だった。
双子が生まれたと同時に桜が咲いて直ぐに満開になった。満開のままもう1週間経っているけど散る気配がない。いつもは大体1週間で散り始めるのだけど、今年は花びらも落ちてこない。
「どうして今年は満開のまま、咲き続けているのかしら?」
「お花見を待っているとか」
「まさか、でもホントに?」
「いつもより満開の時期が長いみたいだし、アークが帰ってきたらお花見をする?」
「そうね。予定ではお兄様がもう帰ってくるはずですもの」
お兄様は後継がいない公爵家の養子になって公爵になり、領地替えでアプリコット辺境伯領の私達が暮らしていた森と魔王のダンジョンを領地として治める、というか管理する事になった。
そして、特例で王宮の中に小さな離宮を賜り、そこからアルファント殿下のところに出仕しているけれど、お兄様の主なお仕事は全国にパンとバナナの公園を作る事と異次元交流。
私とアルファントは多分又この国に転生するだろうから、どこに生まれても食べるモノだけには困らないように国中にパンとバナナの公園を作ると言い出して、国立で管理人付きのパンとバナナの公園を作って回っている。
そう、お兄様は『パンの木』の加護だけではなく、めでたく『バナナの木』の加護を手に入れてしまった。『バナナの加護』ではなく『バナナの木の加護』なのでアプリコット辺境伯との間で交わされた『バナナの加護』ならばアプリコット辺境伯に戻るという契約も問題はない。
もっとも、アプリコット家にも無事に『バナナの加護』を持った子供が現れたのでホッとした。
お兄様がいずれは異次元で龍王になるという事も公にはしていないが高位貴族には周知してあるし、他の貴族たちも何となく知っている公然の秘密となっている。そのお兄様は度々、異次元に出かけては食料事情の改善に努めている。
あちらの世界では最弱な人間たちの住む場所はへき地だし、文明も遅れて食料事情もあまり良くないので、お兄様は何人かの農業専門家を連れて人間社会での生産性を上げようとしている。
竜人も魔人も特に食料を必要としてないので食事のレベルを上げる為には人間たちの意識を引き上げるのが一番らしい。
もっとも、竜人たちの間でもフルーツを使ったお菓子は密かなブームになっていて、龍国に開いたお菓子屋さんは人気の店になっている。そのお店は龍国の貨幣で買えるけど、お金を宝石に変えてもらいこちらの世界に持ってきている。
つまり、宝石とお菓子の物々交換。私とお兄様の感覚ではボッタクリ……。
でも、潤沢な資産は農業開発に使わせてもらっているので結局は還元しているのだからいいと思う、とお兄様が言っていた。
桜の木の下で走り回る長男をアルファントと二人で見ていると、後ろから声が掛かった。
「殿下、ただいま、帰りました」
「お兄様、お帰りなさい。今回は長かったのね」
「ああ、ただいま。リーナ、もう生まれたのか? 間に合ったと思ったんだけど」
「先週、生まれたのよ。男の子と女の子の双子なの」
「やっぱり、双子か。大変だったな。リーナはもう、動いて大丈夫なのか?」
「ええ、安産だったし、全然、平気」
「そうか、よかった。おめでとう。赤ちゃん、見せてもらえる?」
「ええ、どうぞ」
久しぶりに見るお兄様は相変わらず若かった。アルファントはそれなりに年齢に応じた風格が出て来たと思う。
私も年の割にかなり若く見られる。でも、お兄様は18歳を過ぎたあたりから老化のスピードが遅れてきたように見える。20歳を過ぎたあたりで爪の伸びるのが遅くなったし、髪ものびるのが遅くなったそうだ。
お兄様を連れて赤ちゃんの部屋に行くとベビーベッドに寝ている赤ん坊はスヤスヤと眠っていた。男の子と女の子。よく見れば似ているけど、そっくりではなかった。
「何だか、リーナと殿下が小さくなっているみたいだ」
「そうなのよ。男の子はまた、アルファントにそっくりなの」
「このままだと、殿下のミニチュアがドンドン増えていくかも」
「いや、俺としてはリーナが増えてほしいと思っている」
「ははっ、それはそれで、赤ちゃん、触っていい?」
「ええ、どうぞ」
お兄様はとても嬉しそうに赤ちゃんの手にそっと触り、指を掴まれて幸せそうな顔をした。
お兄様はこの世界で人より永い寿命、多分3倍ぐらいは生きるらしい、ので結婚はしないと明言している。
龍王になってからあちらの世界でいう番、唯一を探すから人間でいる間は恋も愛も棚上げだと言っている。確かに旦那様がいつまでも見かけが若いと奥様は辛いのかもしれないけど、でも、長生きするのに一人だと寂しいと思う。
私とアルファントは女神の欠片があるので、多分又、この世界に転生する。記憶があるかどうかはわからないけど、お兄様は記憶があってもなくても見つけたら餌付けしてあげるから心配はいらないと言う。
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