39 / 141
第四章:深淵より来たる水曜日
038
しおりを挟む
青葉五月は、努めて冷静に、自分の置かれた立場を理解し、分析し、対策を考えようとしていた。
今自分のいるプレハブのような事務所、外に通じるドアにも窓にも全て鍵がかけられており、茉茉という人形に体の自由をかなり奪われている状況ではぶち破って脱出、というわけには行きそうにない。
当たり前だが、ハンドバッグに入れていたスマホや財布、タロットカードや霊符の類いはハンドバッグごと持ち去られている。服やアクセサリーに仕込んでおいた暗器も同様だ。
一件事務所風ではあるが、この部屋に外部に連絡する手段はない。電話もインターホンも、端末は少なくとも一見して分かるところには置いていない。
窓から見る限りこの部屋は大きな倉庫内部に作り付けられた事務所であり、窓は三面、ドアがある一面は倉庫内側に向いている。窓のない一面にもドアがあるが、施錠されており窓の類いもないため、そちら側に繋がっているだろう部屋がどうなっているかは分からない。その一面を背にするようにして自分は座らされており、自分が座っていた椅子は肘掛けもあるそれなりの安楽な椅子だが、それ以外には窓のある二面に面して事務机と事務椅子が四セットあるのみ、窓以外の壁の至る所に棚が設けられており、その棚にも、事務机の上にも無数の人形が置いてある。
体は茉茉に影響され、ゆっくり歩くだけならまだしも、完全に自由に動かせるわけではないが、見聞きすることや思考は影響を受けていないらしい。そして、気を集中して探るまでもなく、無数の人形の中にはそれなりの数の、強い霊力、あるいは怨念を帯びたものが存在している事が、占い師であり拝み屋である五月には如実に感じられる。
これらから、五月は以下の二つの結論を推定した。
つまり、自力脱出及び外部への連絡は、現状ではまず不可能であること。そして、霊力を帯びた人形のうち最低一つ、恐らくは複数個はあの老人、張果という、玄宗皇帝にも仕えた、八仙に数えられる仙人の名を騙る道士と繋がっている、それを通じて自分は監視されているに違いないということ。
五月は、そこまで考え至ると、深くため息をついて肘掛けのある椅子に腰を落とした。
ご丁寧に時計すらないこの部屋から、五月は外を眺めてみる。一面はほとんどが隣の倉庫の壁しか見えずあまり意味が無いが、もう一面からは恐らくは大型車が何台も出入りするのだろう倉庫の外のかなり広い駐車場と、駐車場が面する対面二車線ほどの道路、そしてその先に狭い緑地を挟んで海が見える。
倉庫のある敷地内に停まる車も、表の道路を行き交う車も、そのほとんどが大型トラックかトレーラーであり、時折敷地内に見える作業員やトラックドライバーらしき人影から察するに、どうやらここはどこかの湾岸地域にある個人営業クラスの物流倉庫らしい。まっとうな物流会社にあの張果なる老人が間借りしているのか、それとも物流会社ごと張果の持ち物か、あるいは張果が所属する組織の持ち物かはわからない。どちらでもあり得ることだが、なるほどと、五月は思う。物流系を主に扱う経済ヤクザ、その非合法部門の、あの張果という老人はその工作部隊のトップあるいは参謀というところか。察するに、ここにある人形も、そうやってかき集めたに違いない。自分が依頼された仕事、不遇な人形を探すという名目のそれも、間違いなくその一端だったのだろう。そうやって集めた人形を何に使うのか、どうせろくな事ではないのも間違いないところだ。
五月は、改めて倉庫内に面する窓を見る。丁度、海上コンテナを開封して、中身を倉庫内に作り付けられた冷蔵倉庫に納品しているところだった。
それを見た五月の背筋に、冷たいものが走る。冷蔵倉庫に運び込まれているのは、遠くてよくは見えないがどうやら冷凍の牛肉か豚肉、革と内臓、頭と四肢の末端を外された、枝肉と呼ばれる状態のそれだった。だが、肉眼で確認こそ出来ないが、五月の拝み屋としての感覚は、それを敏感に感じ取っていた。冷凍の家畜に巧妙に混ざって、冷凍の人間の死体も運び込まれていることを。
「なんて事……」
なるほど、牛の大きな骨盤の影に隠せば、税関のレントゲン検査も誤魔化せるのかも知れない。しかし、フォークリフトで次々に冷凍肉を運び込む作業員は、その事に気付いているのだろうか。
だが、これで夕べの人民服の殭屍の説明が付けられる。戸籍も人権も機能していない地域から、文字通りの冷凍肉として殭屍にする死体を輸入していたわけだ。でも、何のために?きっと、常人には思いもつかないような需要があるのだろう。夕べの、人を襲う殭屍など、むしろオーソドックスな利用方法だと思えるくらいの。それを詳しく知りたいとは、五月は思わなかった。
荷下ろし作業を見ていた五月は、開け放たれた倉庫のシャッターから張果と、葉法善と呼ばれた大柄な男――これも玄宗皇帝の抱えていた道士の名だ――が入って来たのに気付いた。事務所の外階段を上って、どうやらここに来るらしい。
ドアを解錠する音に続いて、張果と、粥らしき土鍋と食器一式を載せた盆を持った葉法善が入ってくる。窓際に立つ五月は、身構えるでも無くちらりと視線だけを向ける。
「何をしている……そうか、何か面白いものでも見えるのか」
倉庫内を見ている五月の様子に気付いて、張果が言う。その様子を見て、五月は確信する。この張果という男は、盲だ。だが、何か特殊な感覚でそれを補っている。それは、まず確実に、人形の視界だ。
五月は返事をしない、返事をする必要性を感じない。
「昼飯だ」
張果が言い、葉法善が盆を事務机の上に置く。
「……茉茉の扱いも、ずいぶんと堂に入ったようだな」
言われて、五月は気付く。全く自然に、左の肘の窪みに人形の頭を乗せ、まるで赤子を抱くように優しく抱いていたことを。
「まあ、喰え。生憎今は粥しか用意がないが、いずれ肉でも魚でも食わせてやろう、色よい返事が貰えるならばな」
「……結構よ。良い機会だから精進させてもらうわ」
視線を前に向けたまま、五月が吐き捨てるように言う。
「気の強い女だ、だが死んだり倒れられても困るでな、せいぜい精のつくものでも出してやるか」
それだけ言って、張果は葉法善を連れて部屋を出る、きちんとドアを施錠して。
倉庫内に向けた視線の隅を移動する張果と葉法善が、シャッターの影に消えた。
がつん。
ガラス窓に、五月の額があたる。
――安易に諦めるのは絶対に嫌。でも、安易に誰かを頼るもの私のやり方じゃない――
窓に右手をつき、歯を食いしばって五月は思った。
今自分のいるプレハブのような事務所、外に通じるドアにも窓にも全て鍵がかけられており、茉茉という人形に体の自由をかなり奪われている状況ではぶち破って脱出、というわけには行きそうにない。
当たり前だが、ハンドバッグに入れていたスマホや財布、タロットカードや霊符の類いはハンドバッグごと持ち去られている。服やアクセサリーに仕込んでおいた暗器も同様だ。
一件事務所風ではあるが、この部屋に外部に連絡する手段はない。電話もインターホンも、端末は少なくとも一見して分かるところには置いていない。
窓から見る限りこの部屋は大きな倉庫内部に作り付けられた事務所であり、窓は三面、ドアがある一面は倉庫内側に向いている。窓のない一面にもドアがあるが、施錠されており窓の類いもないため、そちら側に繋がっているだろう部屋がどうなっているかは分からない。その一面を背にするようにして自分は座らされており、自分が座っていた椅子は肘掛けもあるそれなりの安楽な椅子だが、それ以外には窓のある二面に面して事務机と事務椅子が四セットあるのみ、窓以外の壁の至る所に棚が設けられており、その棚にも、事務机の上にも無数の人形が置いてある。
体は茉茉に影響され、ゆっくり歩くだけならまだしも、完全に自由に動かせるわけではないが、見聞きすることや思考は影響を受けていないらしい。そして、気を集中して探るまでもなく、無数の人形の中にはそれなりの数の、強い霊力、あるいは怨念を帯びたものが存在している事が、占い師であり拝み屋である五月には如実に感じられる。
これらから、五月は以下の二つの結論を推定した。
つまり、自力脱出及び外部への連絡は、現状ではまず不可能であること。そして、霊力を帯びた人形のうち最低一つ、恐らくは複数個はあの老人、張果という、玄宗皇帝にも仕えた、八仙に数えられる仙人の名を騙る道士と繋がっている、それを通じて自分は監視されているに違いないということ。
五月は、そこまで考え至ると、深くため息をついて肘掛けのある椅子に腰を落とした。
ご丁寧に時計すらないこの部屋から、五月は外を眺めてみる。一面はほとんどが隣の倉庫の壁しか見えずあまり意味が無いが、もう一面からは恐らくは大型車が何台も出入りするのだろう倉庫の外のかなり広い駐車場と、駐車場が面する対面二車線ほどの道路、そしてその先に狭い緑地を挟んで海が見える。
倉庫のある敷地内に停まる車も、表の道路を行き交う車も、そのほとんどが大型トラックかトレーラーであり、時折敷地内に見える作業員やトラックドライバーらしき人影から察するに、どうやらここはどこかの湾岸地域にある個人営業クラスの物流倉庫らしい。まっとうな物流会社にあの張果なる老人が間借りしているのか、それとも物流会社ごと張果の持ち物か、あるいは張果が所属する組織の持ち物かはわからない。どちらでもあり得ることだが、なるほどと、五月は思う。物流系を主に扱う経済ヤクザ、その非合法部門の、あの張果という老人はその工作部隊のトップあるいは参謀というところか。察するに、ここにある人形も、そうやってかき集めたに違いない。自分が依頼された仕事、不遇な人形を探すという名目のそれも、間違いなくその一端だったのだろう。そうやって集めた人形を何に使うのか、どうせろくな事ではないのも間違いないところだ。
五月は、改めて倉庫内に面する窓を見る。丁度、海上コンテナを開封して、中身を倉庫内に作り付けられた冷蔵倉庫に納品しているところだった。
それを見た五月の背筋に、冷たいものが走る。冷蔵倉庫に運び込まれているのは、遠くてよくは見えないがどうやら冷凍の牛肉か豚肉、革と内臓、頭と四肢の末端を外された、枝肉と呼ばれる状態のそれだった。だが、肉眼で確認こそ出来ないが、五月の拝み屋としての感覚は、それを敏感に感じ取っていた。冷凍の家畜に巧妙に混ざって、冷凍の人間の死体も運び込まれていることを。
「なんて事……」
なるほど、牛の大きな骨盤の影に隠せば、税関のレントゲン検査も誤魔化せるのかも知れない。しかし、フォークリフトで次々に冷凍肉を運び込む作業員は、その事に気付いているのだろうか。
だが、これで夕べの人民服の殭屍の説明が付けられる。戸籍も人権も機能していない地域から、文字通りの冷凍肉として殭屍にする死体を輸入していたわけだ。でも、何のために?きっと、常人には思いもつかないような需要があるのだろう。夕べの、人を襲う殭屍など、むしろオーソドックスな利用方法だと思えるくらいの。それを詳しく知りたいとは、五月は思わなかった。
荷下ろし作業を見ていた五月は、開け放たれた倉庫のシャッターから張果と、葉法善と呼ばれた大柄な男――これも玄宗皇帝の抱えていた道士の名だ――が入って来たのに気付いた。事務所の外階段を上って、どうやらここに来るらしい。
ドアを解錠する音に続いて、張果と、粥らしき土鍋と食器一式を載せた盆を持った葉法善が入ってくる。窓際に立つ五月は、身構えるでも無くちらりと視線だけを向ける。
「何をしている……そうか、何か面白いものでも見えるのか」
倉庫内を見ている五月の様子に気付いて、張果が言う。その様子を見て、五月は確信する。この張果という男は、盲だ。だが、何か特殊な感覚でそれを補っている。それは、まず確実に、人形の視界だ。
五月は返事をしない、返事をする必要性を感じない。
「昼飯だ」
張果が言い、葉法善が盆を事務机の上に置く。
「……茉茉の扱いも、ずいぶんと堂に入ったようだな」
言われて、五月は気付く。全く自然に、左の肘の窪みに人形の頭を乗せ、まるで赤子を抱くように優しく抱いていたことを。
「まあ、喰え。生憎今は粥しか用意がないが、いずれ肉でも魚でも食わせてやろう、色よい返事が貰えるならばな」
「……結構よ。良い機会だから精進させてもらうわ」
視線を前に向けたまま、五月が吐き捨てるように言う。
「気の強い女だ、だが死んだり倒れられても困るでな、せいぜい精のつくものでも出してやるか」
それだけ言って、張果は葉法善を連れて部屋を出る、きちんとドアを施錠して。
倉庫内に向けた視線の隅を移動する張果と葉法善が、シャッターの影に消えた。
がつん。
ガラス窓に、五月の額があたる。
――安易に諦めるのは絶対に嫌。でも、安易に誰かを頼るもの私のやり方じゃない――
窓に右手をつき、歯を食いしばって五月は思った。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる