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おカヨさんとの、耳かき談義(十三話)
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あー、耳がかゆい、耳がかゆい。
オラは耳かきが大好きでの、毎日何度も、こちょこちょやるて。入り口から奥まで、ほんと気持ちええのう。特に、奥の壁がたまんねえ。ちなみに、オラのあだ名は、耳かき山だ。こいは、自分で付けたんだども、こいも気に入っとる。今夜は、深川の置屋で決めたるわ。
オラ「お上、今夜は五十路を世話してくりょ」
お上「ほな、今あいてるカヨってえんが来るよってに、部屋で待っとくれ」
オラ「おう」
また、耳がかゆくなってきた。
そんだ、たっぷりと時があるすけ、膝枕で耳かいてもらおっと。
オラ「おっ、カヨさんかえ、まず、耳かき持って来てくんねか。わるいけんど、先に膝枕させてもろうて、オラの耳かきしてくんねかや。こうもかゆいと、睦ごとはそん後での」
カヨ「ありゃ、しょうがねえね、若えのに、いっちょまえに。はいよ、ワラん膝に頭のっけな、右からやってやるわ」
オラ「ほな、たのむて。ゆっくりの、ゆっくりの」
カヨ「ここら辺か、もっと奥か、気持ちええかや」
オラ「ああ、ええよ。もっと奥たのむて。あの壁のとこ、やっとくれて」
カヨ「こうかや。どや、もっとかや」
オラ「そこ、そこ、こちょこちょ、もっと、こちょこちょ、そう」
カヨ「もうっ、いつまでも。こんだは左、疲れるなも」
オラ「ほいほい。カヨさんな、オラは思うんだども、あれに似てねえかや、耳かきは?」
カヨ「はっ、何に?」
オラ「男と女の睦ごとよ。女は奥の奥をつかれると、たまんねえよな。耳かきも、奥の奥をこちょこちょやられると、たまんねえよな。何か、似とる気がすんだども」
カヨ「まっ、恥ずかしいこつ言うの。そっただ気もするけんど。じゃあ、男の人の極楽はなんやね、女には良くわからんて。わかるように、たとえで言ってくらっしょ」
オラ「そいは、くしゃみに似とるずらよ。くしゃみを思いっきりすんと、何か気持ちええやろ、似とるんよ。オラの越後の爺様は、五度くらい続けてやりよる。そんたびに、気持ちええ面しとったや。オラもそうで、一度やって気持ちええ、二度やって気持ちええ、三度、四度、五度とな。くしゃみすんとき、はっあくしょん気持ちええって、声出すこつもあんで」
カヨ「思いっきり、くしゃみすんと、確かに気持ちええの。ほっかほっか、男ん人の極楽と、くしゃみは似てるってこつかや。なあ、今度はワラの耳かきやっとくれな」
オラ「そいよりも、別な耳かきやろうて。オラんので、かゆいとこ、こちょこちょやったるからよ。まかせてんか、コリコリが悦ぶぜよ」
カヨ「おまかせしますわ、ワラも奥の奥がええが……」
ふっー、おカヨさんとの、とんだ耳かき談義になってもうたのう。
まあっ、お互いに奥がええというんが、ようわかったわ。こちょこちょ話で、ございやした。
オラは耳かきが大好きでの、毎日何度も、こちょこちょやるて。入り口から奥まで、ほんと気持ちええのう。特に、奥の壁がたまんねえ。ちなみに、オラのあだ名は、耳かき山だ。こいは、自分で付けたんだども、こいも気に入っとる。今夜は、深川の置屋で決めたるわ。
オラ「お上、今夜は五十路を世話してくりょ」
お上「ほな、今あいてるカヨってえんが来るよってに、部屋で待っとくれ」
オラ「おう」
また、耳がかゆくなってきた。
そんだ、たっぷりと時があるすけ、膝枕で耳かいてもらおっと。
オラ「おっ、カヨさんかえ、まず、耳かき持って来てくんねか。わるいけんど、先に膝枕させてもろうて、オラの耳かきしてくんねかや。こうもかゆいと、睦ごとはそん後での」
カヨ「ありゃ、しょうがねえね、若えのに、いっちょまえに。はいよ、ワラん膝に頭のっけな、右からやってやるわ」
オラ「ほな、たのむて。ゆっくりの、ゆっくりの」
カヨ「ここら辺か、もっと奥か、気持ちええかや」
オラ「ああ、ええよ。もっと奥たのむて。あの壁のとこ、やっとくれて」
カヨ「こうかや。どや、もっとかや」
オラ「そこ、そこ、こちょこちょ、もっと、こちょこちょ、そう」
カヨ「もうっ、いつまでも。こんだは左、疲れるなも」
オラ「ほいほい。カヨさんな、オラは思うんだども、あれに似てねえかや、耳かきは?」
カヨ「はっ、何に?」
オラ「男と女の睦ごとよ。女は奥の奥をつかれると、たまんねえよな。耳かきも、奥の奥をこちょこちょやられると、たまんねえよな。何か、似とる気がすんだども」
カヨ「まっ、恥ずかしいこつ言うの。そっただ気もするけんど。じゃあ、男の人の極楽はなんやね、女には良くわからんて。わかるように、たとえで言ってくらっしょ」
オラ「そいは、くしゃみに似とるずらよ。くしゃみを思いっきりすんと、何か気持ちええやろ、似とるんよ。オラの越後の爺様は、五度くらい続けてやりよる。そんたびに、気持ちええ面しとったや。オラもそうで、一度やって気持ちええ、二度やって気持ちええ、三度、四度、五度とな。くしゃみすんとき、はっあくしょん気持ちええって、声出すこつもあんで」
カヨ「思いっきり、くしゃみすんと、確かに気持ちええの。ほっかほっか、男ん人の極楽と、くしゃみは似てるってこつかや。なあ、今度はワラの耳かきやっとくれな」
オラ「そいよりも、別な耳かきやろうて。オラんので、かゆいとこ、こちょこちょやったるからよ。まかせてんか、コリコリが悦ぶぜよ」
カヨ「おまかせしますわ、ワラも奥の奥がええが……」
ふっー、おカヨさんとの、とんだ耳かき談義になってもうたのう。
まあっ、お互いに奥がええというんが、ようわかったわ。こちょこちょ話で、ございやした。
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