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43 過去からの幸せ
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夕食後、海斗は思い出したように電話をかけ始めた。電話帳のバックアップをやっと新しいスマホに入れたんだっけ。
「あ生田さん? オレ今野だけど」
うわ……懐かしい。
海斗が、時宗の存在を忘れて自分の本名を名乗ったあの電話。あそこからすべてが始まった。
「だからBRZの! ていうか、BRZなくなっちゃったんだ。うん。ニュース見たんか。そうか……うん、オレ名前変わったんだ。それで……足を洗った。だからもう、そっちには帰らねんだ。うん。もう……心配しなくていい。ずっと気になってたんだけども、バタバタしてて。遅くなってごめんなさい。でも……オレ、東京でこれから勉強して大学入ったり、色々すんだ。車も、新しいの買うと思う。次は自分で買える。生田さん、オレ、ちゃんと生きてる。生きてるから。うん」
電話を切った後、海斗はぐすっと鼻を鳴らした。
「あのご老人も心配してくれてたんだな」
「うん。生田さん、父さんの友だちだったんだ。ずっと面倒見てくれて……話せてよかった。生田さん……ちょっと泣いてた」
「よかったな」
ソファーに近づいてくると、海斗は時宗の隣に座った。事件からこっち、海斗は時宗に慣れて、こうして近い距離に自分から来てくれるようになった。夜も、同じベッドで寝ている。胸に抱き込むと、海斗は体から力を抜いて熟睡してくれる。
ただその……色々と煩悩を押さえるのは大変なんだが。プライドにかけて、時宗は海斗の承諾なしに手を出す気はなかった。プライドって、だいぶツライ。
何食わぬ顔で海斗の手をとり、優しくさする。
お前何やってんだ?という顔で弥二郎が時宗の手元を見ているのだが、時宗は無視して会話を続けた。
「生田さんって人といい、じいさんといい、海斗はお年寄りに好かれるよな。じいさん、海斗のことだいぶ好きだから、花見は休み取って行こう」
「親父は海斗のことも気に入ったのか?」
「あぁ。じいさんのアイドルだよな?」
「いや……普通に、じいさんと孫だと思う……」
海斗がそう言うと、弥二郎は時宗の向かいでソファーにでれっと横になった。お茶を持ってきた敬樹が、その頭の横にちょこんと座る。なんだその、膝枕しそうでしない、微妙な距離。
時宗と目が合うと、弥二郎がニヤリと笑った。
「親父のアイドルは時宗くんだろ。5歳にして、あの親父をたらしこんだ伝説級のアイドルだ」
「5歳?」
「覚えてないのか」
「全然」
「おいおい。今回の事件、あれがきっかけだったと俺は思ってるんだが?」
「何やったんだ俺は?」
時宗が聞くと、弥二郎は寝転がったまま、眠そうに答えた。
「お前が5歳の時の花見だ。俺が録ったビデオが残ってる」
「えぇぇぇ?!」
「見たい! 時宗の子供の頃! 弥二郎さん見せてくれ!」
「ぼくも! ぼくも見たいです!!」
「めんどくせぇんだけど」
よっこいしょと起き上がり、弥二郎はタブレットを手に取り、データを探した。
「あ~、これだな。多分後で必要になると思って、機種変しても、バックアップをずっと残してある。南条家としては、これは公式記録になる」
テーブルに置かれたタブレットを、全員が覗き込んだ。
それは花見の光景だった。見たことのある政治家などが思い思いに歓談する様子を、カメラがずっと映していく。
途中で、カメラはひとりの少年を映し始めた。きょとんと目を見開いた幼い時宗は、何かをじっと見ている。
「うわ、かわいい……」
「かわいい言うな」
「かわいい……」
「だからかわいいって言うな」
少年はやがて、とことこ歩き始めた。右手に何か持ったまま、少年は祖父時政の足元へ行く。ガーデンテーブルには緑茶が置かれ、椅子には時政の他に、当時の大物政治家が座っていた。
『こんにちは。おじいさま』
幼い時宗がにっこり挨拶した。祖父が顔を向けると、時宗はなにやら口上を述べ始める。
『おじいさま、このたびは、お花見におまねきいただいて、ありがとうございます。おひざをおかりしてもいいですか?』
祖父の返事を待たず、時宗はその膝によじ登った。周囲の数人が気づき、あら、とか、まぁ、とか声を出している。
祖父の膝にちょこんと座った少年は、右手に持っていたものをテーブルに置いた。折り紙の入った袋だ。その中から、時宗は折りたたんだ箱を取り出した。広げて、テーブルに置く。ちっちゃな指が、それを指差す。
『おじいさま、これは箱です!』
『……そうだな』
『ぼく、箱がすきなんです。おわかりになりますか?』
『いや……』
『おかあさまがおっしゃったんです。箱にはいろいろなものがいれられるのよって。ぼくは、おもちゃをいれようとしたんです。おかあさまは、見えないものもいれていいのよって、おっしゃいました』
『あぁ』
『ゆめとかをいれてもいいんですって。おじいさまは、なにをおいれになりますか?』
面倒そうに、祖父は答える。
『会社かな』
幼い時宗は、目を輝かせた。
『やっぱり! おかあさまが、おっしゃったんです。おじいさまは、かいしゃっていうのをいっぱい作ったんですって。それは、たくさんの人が行きたいところに行くための電車をうごかしたり、たくさんの人のおうちを作ったり、たべものをはこんだりするものだって。ぼくは、まだ小さいですけど、もっと大きくなったら、すごく大きい箱を作ります』
祖父の目が、不意に真剣な光を帯びた。時宗の言葉を聞き始めたのだ。
『何を入れるのかね?』
『あのですね。おじいさまは、たくさんの人がしあわせになるために、たくさんかいしゃを作りました。それは、とてもうつくしいとおもいます。うつくしいって、このあいだべんきょうしました。ぼくは大きい箱をつくって、おじいさまが作ったうつくしいかいしゃをいれて、おじいさまのあとに、まもるんです。この箱、おじいさまにあげます! ここには、ぼくが大きくなったら、おじいさまのかいしゃをまもれる箱を作るぞっていうゆめが、はいっています。ね?』
祖父時政は、じっとその箱を見つめていた。やがてゆっくりと手を伸ばす。愛おしそうに箱を撫で、時政は言う。
『そうか……。そうか。時宗。お前は、私の作ったものを守りたいのかね?』
『はい、そうです。たくさんべんきょうしますから、おじいさま、おまちくださいね』
にっこり笑った幼い時宗を、祖父はじっと見つめていた。その目が潤む。隠すように、祖父は幼い時宗を抱き締めた。
すぐ隣で一緒に聞いていた政治家が手を伸ばし、祖父の肩をぽんと叩いた。
『よい後継者をお持ちのようですね。君、名前は?』
『ぼくは、南条時宗です。よろしくおねがいします』
『いい返事だ。君の成長を待っているよ』
『はい!』
幼い時宗のあどけない笑顔で、映像は止まっていた。
弥二郎がタブレットを持ち上げながら言う。
「このやり取りは、近くで義時も含め、関係者全員が聞いていた。わずか5歳の時宗が堂々と後継者宣言をし、祖父時政が後継者として時宗を認めたというので、当時はけっこうな騒動になった。親父は……時宗を連れてこい、時宗は来ないのか、時宗は何してる、そればかりになった。政財界のすべての者がお前の機嫌を取り始め、母親はストレスで激ヤセした」
「母さんは……大変だったろうな」
「あぁ。お前は本当に人懐っこくて、すべての人間を味方につけることに長けていた。頭が良くて、人の名前も一度で覚えるしな。だが、義時がこれを良く思うはずがない。俺の兄は……この日から、徹底的にお前と母親をいびり始めた。時宗が大学を卒業したっていうのは、あいつにとっては、死刑宣告に近かったんだ。小学校卒業の時にお前が箱を受け取った時、お前の父と兄は直観的に、自分たちが弾き出されたと感じたんだと思う。能力的にどうしてもかなわないというもどかしさと、恐怖……。いつか、あの2人のことも許してやれるといいかもしれんな。
そういや、お前の母親は今、山梨でぶどう農家をやってる。今度会いに行ってやれ。会いたがってる。あの人にも、よくお前の写真を送ってやってるんだ」
「母さん、元気なのか?!」
「あぁ。再婚してるけどな。幸せそうだったぞ」
「よかった……よかった……」
時宗の喉に、涙の塊のようなものが突き上げてきた。自分のせいで、母親は人生を失ったのではないかと悩んでいた。会いに行くのは迷惑かもしれない。あるいは病気になっているかもしれない。そう考えながら、時宗はずっと、母の行方を想っていたのだ。
海斗が時宗の頭を抱き寄せ、そっと包んでくれる。
時宗は祖父と母を想い、記憶に残らなかった過去からの幸せに泣き続けた。
「あ生田さん? オレ今野だけど」
うわ……懐かしい。
海斗が、時宗の存在を忘れて自分の本名を名乗ったあの電話。あそこからすべてが始まった。
「だからBRZの! ていうか、BRZなくなっちゃったんだ。うん。ニュース見たんか。そうか……うん、オレ名前変わったんだ。それで……足を洗った。だからもう、そっちには帰らねんだ。うん。もう……心配しなくていい。ずっと気になってたんだけども、バタバタしてて。遅くなってごめんなさい。でも……オレ、東京でこれから勉強して大学入ったり、色々すんだ。車も、新しいの買うと思う。次は自分で買える。生田さん、オレ、ちゃんと生きてる。生きてるから。うん」
電話を切った後、海斗はぐすっと鼻を鳴らした。
「あのご老人も心配してくれてたんだな」
「うん。生田さん、父さんの友だちだったんだ。ずっと面倒見てくれて……話せてよかった。生田さん……ちょっと泣いてた」
「よかったな」
ソファーに近づいてくると、海斗は時宗の隣に座った。事件からこっち、海斗は時宗に慣れて、こうして近い距離に自分から来てくれるようになった。夜も、同じベッドで寝ている。胸に抱き込むと、海斗は体から力を抜いて熟睡してくれる。
ただその……色々と煩悩を押さえるのは大変なんだが。プライドにかけて、時宗は海斗の承諾なしに手を出す気はなかった。プライドって、だいぶツライ。
何食わぬ顔で海斗の手をとり、優しくさする。
お前何やってんだ?という顔で弥二郎が時宗の手元を見ているのだが、時宗は無視して会話を続けた。
「生田さんって人といい、じいさんといい、海斗はお年寄りに好かれるよな。じいさん、海斗のことだいぶ好きだから、花見は休み取って行こう」
「親父は海斗のことも気に入ったのか?」
「あぁ。じいさんのアイドルだよな?」
「いや……普通に、じいさんと孫だと思う……」
海斗がそう言うと、弥二郎は時宗の向かいでソファーにでれっと横になった。お茶を持ってきた敬樹が、その頭の横にちょこんと座る。なんだその、膝枕しそうでしない、微妙な距離。
時宗と目が合うと、弥二郎がニヤリと笑った。
「親父のアイドルは時宗くんだろ。5歳にして、あの親父をたらしこんだ伝説級のアイドルだ」
「5歳?」
「覚えてないのか」
「全然」
「おいおい。今回の事件、あれがきっかけだったと俺は思ってるんだが?」
「何やったんだ俺は?」
時宗が聞くと、弥二郎は寝転がったまま、眠そうに答えた。
「お前が5歳の時の花見だ。俺が録ったビデオが残ってる」
「えぇぇぇ?!」
「見たい! 時宗の子供の頃! 弥二郎さん見せてくれ!」
「ぼくも! ぼくも見たいです!!」
「めんどくせぇんだけど」
よっこいしょと起き上がり、弥二郎はタブレットを手に取り、データを探した。
「あ~、これだな。多分後で必要になると思って、機種変しても、バックアップをずっと残してある。南条家としては、これは公式記録になる」
テーブルに置かれたタブレットを、全員が覗き込んだ。
それは花見の光景だった。見たことのある政治家などが思い思いに歓談する様子を、カメラがずっと映していく。
途中で、カメラはひとりの少年を映し始めた。きょとんと目を見開いた幼い時宗は、何かをじっと見ている。
「うわ、かわいい……」
「かわいい言うな」
「かわいい……」
「だからかわいいって言うな」
少年はやがて、とことこ歩き始めた。右手に何か持ったまま、少年は祖父時政の足元へ行く。ガーデンテーブルには緑茶が置かれ、椅子には時政の他に、当時の大物政治家が座っていた。
『こんにちは。おじいさま』
幼い時宗がにっこり挨拶した。祖父が顔を向けると、時宗はなにやら口上を述べ始める。
『おじいさま、このたびは、お花見におまねきいただいて、ありがとうございます。おひざをおかりしてもいいですか?』
祖父の返事を待たず、時宗はその膝によじ登った。周囲の数人が気づき、あら、とか、まぁ、とか声を出している。
祖父の膝にちょこんと座った少年は、右手に持っていたものをテーブルに置いた。折り紙の入った袋だ。その中から、時宗は折りたたんだ箱を取り出した。広げて、テーブルに置く。ちっちゃな指が、それを指差す。
『おじいさま、これは箱です!』
『……そうだな』
『ぼく、箱がすきなんです。おわかりになりますか?』
『いや……』
『おかあさまがおっしゃったんです。箱にはいろいろなものがいれられるのよって。ぼくは、おもちゃをいれようとしたんです。おかあさまは、見えないものもいれていいのよって、おっしゃいました』
『あぁ』
『ゆめとかをいれてもいいんですって。おじいさまは、なにをおいれになりますか?』
面倒そうに、祖父は答える。
『会社かな』
幼い時宗は、目を輝かせた。
『やっぱり! おかあさまが、おっしゃったんです。おじいさまは、かいしゃっていうのをいっぱい作ったんですって。それは、たくさんの人が行きたいところに行くための電車をうごかしたり、たくさんの人のおうちを作ったり、たべものをはこんだりするものだって。ぼくは、まだ小さいですけど、もっと大きくなったら、すごく大きい箱を作ります』
祖父の目が、不意に真剣な光を帯びた。時宗の言葉を聞き始めたのだ。
『何を入れるのかね?』
『あのですね。おじいさまは、たくさんの人がしあわせになるために、たくさんかいしゃを作りました。それは、とてもうつくしいとおもいます。うつくしいって、このあいだべんきょうしました。ぼくは大きい箱をつくって、おじいさまが作ったうつくしいかいしゃをいれて、おじいさまのあとに、まもるんです。この箱、おじいさまにあげます! ここには、ぼくが大きくなったら、おじいさまのかいしゃをまもれる箱を作るぞっていうゆめが、はいっています。ね?』
祖父時政は、じっとその箱を見つめていた。やがてゆっくりと手を伸ばす。愛おしそうに箱を撫で、時政は言う。
『そうか……。そうか。時宗。お前は、私の作ったものを守りたいのかね?』
『はい、そうです。たくさんべんきょうしますから、おじいさま、おまちくださいね』
にっこり笑った幼い時宗を、祖父はじっと見つめていた。その目が潤む。隠すように、祖父は幼い時宗を抱き締めた。
すぐ隣で一緒に聞いていた政治家が手を伸ばし、祖父の肩をぽんと叩いた。
『よい後継者をお持ちのようですね。君、名前は?』
『ぼくは、南条時宗です。よろしくおねがいします』
『いい返事だ。君の成長を待っているよ』
『はい!』
幼い時宗のあどけない笑顔で、映像は止まっていた。
弥二郎がタブレットを持ち上げながら言う。
「このやり取りは、近くで義時も含め、関係者全員が聞いていた。わずか5歳の時宗が堂々と後継者宣言をし、祖父時政が後継者として時宗を認めたというので、当時はけっこうな騒動になった。親父は……時宗を連れてこい、時宗は来ないのか、時宗は何してる、そればかりになった。政財界のすべての者がお前の機嫌を取り始め、母親はストレスで激ヤセした」
「母さんは……大変だったろうな」
「あぁ。お前は本当に人懐っこくて、すべての人間を味方につけることに長けていた。頭が良くて、人の名前も一度で覚えるしな。だが、義時がこれを良く思うはずがない。俺の兄は……この日から、徹底的にお前と母親をいびり始めた。時宗が大学を卒業したっていうのは、あいつにとっては、死刑宣告に近かったんだ。小学校卒業の時にお前が箱を受け取った時、お前の父と兄は直観的に、自分たちが弾き出されたと感じたんだと思う。能力的にどうしてもかなわないというもどかしさと、恐怖……。いつか、あの2人のことも許してやれるといいかもしれんな。
そういや、お前の母親は今、山梨でぶどう農家をやってる。今度会いに行ってやれ。会いたがってる。あの人にも、よくお前の写真を送ってやってるんだ」
「母さん、元気なのか?!」
「あぁ。再婚してるけどな。幸せそうだったぞ」
「よかった……よかった……」
時宗の喉に、涙の塊のようなものが突き上げてきた。自分のせいで、母親は人生を失ったのではないかと悩んでいた。会いに行くのは迷惑かもしれない。あるいは病気になっているかもしれない。そう考えながら、時宗はずっと、母の行方を想っていたのだ。
海斗が時宗の頭を抱き寄せ、そっと包んでくれる。
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