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レストランにて
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休日のディナー。N氏は給料日ということもあって、ちょっと高めのレストランで食事をすることにした。
いつもの安い定食屋では味わえない料理の数々にN氏は大満足。食べ終わった頃合いにウェイターが話しかけてきた。
「いかがだったでしょうか?お客様。」
「もう最高です!スパゲッティのソースとかたまんなかったー!何使ってるんですか?あのソース。」
「え!?」
N氏の質問に、ウェイターは顔を強張らせた。
「しょ、少々お待ちください…。」
そういうと、ウェイターは逃げるように調理場へと消えていった。
「…なんかまずいこと言ったかな…?」
N氏はとまどったが、しばらくするとコックらしき男がやってきた。
「失礼いたしました。私、料理長のKともうします。」
「おお…!わざわざすいません。あのぅ、スパゲッティで使ってるソースなんですけど…。」
「はい。あのソースはトマトをベースに玉ねぎやガーリックをペーストしたものを煮込み、仕上げにオリーブオイルを加えたものを使っております。」
さすがは料理長。即答である。
「へ~。やっぱりあれですかね?産地とかもこだわってるんですかね?」
「え!?さ、産地…?」
先ほどのように料理長は顔を強張らせる。
「しょ、少々お待ちを…。」
そうして料理長も中へとすっこんで行った。
またしばらくしたら、身なりの良い男がやってきた。
「失礼いたしました。私店長のTともうします。」
「あわわ…。店長まで…。どうもすみません。」
「いえいえ。ええっと…トマトの産地ですね。うちは熊本産のものを使っております。」
「へー。なにかこだわりがあるんですか?」
「えーと…たしか…ええと…。」
…なんだかまた怪しくなってきた。
「そ、そうだ!詳しくはホームページをご覧ください!」
「は、はあ…。わかりました。」
そうして店長も帰っていった。
「ありがとうございました!」
会計を済ませて店を後にしたN氏。
「…なんだかなあ。確かに料理は美味かったんだけど…。」
モヤモヤした気持ちを抱えながら、N氏は家路へとついた。
いつもの安い定食屋では味わえない料理の数々にN氏は大満足。食べ終わった頃合いにウェイターが話しかけてきた。
「いかがだったでしょうか?お客様。」
「もう最高です!スパゲッティのソースとかたまんなかったー!何使ってるんですか?あのソース。」
「え!?」
N氏の質問に、ウェイターは顔を強張らせた。
「しょ、少々お待ちください…。」
そういうと、ウェイターは逃げるように調理場へと消えていった。
「…なんかまずいこと言ったかな…?」
N氏はとまどったが、しばらくするとコックらしき男がやってきた。
「失礼いたしました。私、料理長のKともうします。」
「おお…!わざわざすいません。あのぅ、スパゲッティで使ってるソースなんですけど…。」
「はい。あのソースはトマトをベースに玉ねぎやガーリックをペーストしたものを煮込み、仕上げにオリーブオイルを加えたものを使っております。」
さすがは料理長。即答である。
「へ~。やっぱりあれですかね?産地とかもこだわってるんですかね?」
「え!?さ、産地…?」
先ほどのように料理長は顔を強張らせる。
「しょ、少々お待ちを…。」
そうして料理長も中へとすっこんで行った。
またしばらくしたら、身なりの良い男がやってきた。
「失礼いたしました。私店長のTともうします。」
「あわわ…。店長まで…。どうもすみません。」
「いえいえ。ええっと…トマトの産地ですね。うちは熊本産のものを使っております。」
「へー。なにかこだわりがあるんですか?」
「えーと…たしか…ええと…。」
…なんだかまた怪しくなってきた。
「そ、そうだ!詳しくはホームページをご覧ください!」
「は、はあ…。わかりました。」
そうして店長も帰っていった。
「ありがとうございました!」
会計を済ませて店を後にしたN氏。
「…なんだかなあ。確かに料理は美味かったんだけど…。」
モヤモヤした気持ちを抱えながら、N氏は家路へとついた。
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