破滅の足音

hyui

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セカンドライフ

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最近同僚がネットゲームにハマっている。「セカンドライフ」というネットゲームだ。
仮想空間に自分のキャラを投影し、そこで新しい生活を営む、という内容らしい。
「とにかく面白いんだって!お前もやってみろよ!」
「いや、遠慮しとくよ…。」
同僚は俺を何度も誘ってきたが、その度に断ってきた。俺はそういうゲームの類は苦手なんだ。
「お前も始めたらわかるって!俺最近、自分の店開いてさ~!」
「へえ。」
「これが結構人気で儲かってんのよ!いや~、こんな快感、ゲームじゃなきゃ感じられないぜ!」
「ふ~ん。」
俺は話半分で仕事に戻ることにした。
「あ、おい。まてよ!話はまだまだあるぜ!」
「悪いな。俺は今のライフの方が大事なんだよ。」
あいつは話し始めたらきりがない。適当なところで切り上げるのが一番だ。


翌日、また例の同僚が話しかけてきた。
「よお!俺この前セカンドライフでさぁ、とうとう結婚しちゃったよ~。」 
「結婚!?そんなこともできるのか!」
「おうよ。それがまたかわいいんだよ。これが。」
かわいいって…、所詮ゲームのキャラだろ?
「その子がなあ、ずっとよんでくれるんだよ。おれのこと。もう彼女にゾッコンだね。」
「…ゾッコンなのはいいけど、程々にしとけよ。目にクマできてるぞ。」
「大丈夫だって。お前もやってみろよ。面白いから。」

またその翌日。同僚の様子がおかしい。
「お、おい。大丈夫か?」
「まなみが呼んでる…。まなみが呼んでる…。まなみが呼んでる…。」
同僚の目は視点が定まらず、死んだ魚のように濁っていた。口はだらんと下がり、唾液も垂れ流しだ。
「おい!しっかりしろよ!」
「まなみ…。まなみ…。」
同僚はブツブツ言いながら去っていった。

一ヶ月後。しばらく会社に来ていなかった同僚が遺体で発見された。パソコン画面の前で衰弱死していたそうだ。
「どうしてそこまで…。」
気になった俺は、例の「セカンドライフ」というゲームを始めてみることにした。

ゲームの立ち上げ後、画面一杯に「セカンドライフ」の文字が映され、その後ユーザー登録画面に移る……。


ーねえ…。


ユーザー名は…適当でいいか。とりあえず入って奴の死の真相を調べるんだ。

ーねえ…。


さっきから、誰の声だ?誰かに話しかけられてる…。


ー私、まなみよ。1人で寂しいの。


まなみ…。あいつがうわごとのように言っていた名前…。

ーねえ、遊びましょう?

画面が急に真っ暗になり、続いて文字の羅列が画面一杯に…。


アソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウアソビマショウ……



「おい、お前大丈夫か?」
「え?なにがですか?」
「目にクマできてるぞ。」
「大丈夫ですよ。最近ネットゲームにハマってまして、セカンドライフって言うんですけど…。」
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