カイ~魔法の使えない王子~

愛野進

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2『天使と悪魔』

2 第二章第九話「最善の道」

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 カイが必死に揺さぶるもののイデアは目を覚まさない。
 すぐそこまで迫っている地面、つまり死にカイは最早完全に涙目であった。
カイ:
「ねぇ、本当に起きてください! 魔界来た途端にペシャンコで死亡とか笑えないからさぁ!」
 その悲痛の叫びが届いたのか、ギリギリになってようやくイデアが目を覚ました。
イデア:
「ん、んん……朝?」
カイ:
「全然朝じゃないよ! 朝日も何もおれ達を照らしてないよ!? むしろお先真っ暗だから!」
 寝ぼけまなこを擦りながら、イデアがようやく意識をはっきりさせる。そして眼下に迫っている地面を見て再び硬直した。
 カイが慌てて再び気絶するのを止めに入る。
カイ:
「イデア、固まってたら死ぬから! いいからセインを渡してくれ!」
イデア:
「……っ!」
 イデアが凄い勢いで頷きながらセインをカイへと渡す。
 カイはすぐさまセインを掴むと、イデアを抱き締めて全力で上に飛んだ。だが今までの落下速度の力の方が勝っていたため、勢いは落ちたもののカイ達は地面に落下したのだった。
カイ:
「―――っ!」
イデア:
「カイ、大丈夫!?」
 カイはイデアを地面から庇って落ちたため、イデアには傷一つなく代わりにカイは凄まじい痛みに声にならない悲鳴を上げていた。
カイ:
「ぜ、全然、余裕だから……」
 涙を目尻に溜めながらカイがそう呻く。
カイ:
「痛ってぇ、にしたって何だって急にあんなところから……」
 イデアの手を借りてカイが立ちあがる。
 そしてカイとイデアはようやく自身を取り巻く状況に気付いた。
 カイとイデアはドライルと兵士の丁度間に落ちており、見事なまでに厄介ごとに巻き込まれていたのだった。
兵士:
「き、貴様何者だ!?」
 兵士達が動揺した様子でカイ達にそう叫ぶ。
 もちろんドライルもカイ達の登場に動揺していた。
ドライル:
「(な、何で空から!? 一体何者……い、いや、そんなことより今は……!)」
 わけが分からなかったが、今ドライルにとっては兵士達から逃げることが最優先であった。
 だから、ドライルはカイの背後に隠れて大声でこう言った。
ドライル:
「あ、兄貴! 助けに来てくれたのか!」
カイ:
「ん、兄貴?」
 もちろんカイは何のことか全く分からない。そもそも自分が言われてるかもわからず周囲を見渡したがカイ以外に兄貴らしき人物はいなかった。
 だがその言葉だけで兵士達には効果があった。
兵士:
「兄貴だと!? 貴様、さてはそいつの仲間か!」
カイ:
「んー……?」
 まだわけが分からなかったカイだったが、一つだけ理解したことがある。
 それは後ろの青年がこの兵士達に困らされているということだ。
カイ:
「(どっちが悪い事をしたのか分からないけど……)」
 カイは直感でドライルに付くことに決めた。
カイ:
「あー、仲間かどうかは置いといてだ。……要はおまえらの敵だ!」
 そしてセインを斜め上に振り上げた。
カイ:
「ストリームスラッシュ!」
兵士:
「なっ」
 セインの切っ先の軌跡から放たれた青白いエネルギーは一瞬で兵士達に到達し、驚く間もなく兵士達を飲み込んだ。エネルギーはそのまま斜め上に飛んでいき、兵士達もろとも遠い彼方へ消えてしまった。
 正直なところ、カイは兵士達の手ごたえのなさに驚いていた。
カイ:
「……あのバルサって奴には全然セイン通じなかったのにな。あいつら悪魔だよな?」
 考えてみるものの、圧倒的に情報が不足している今悩んでいても仕方がない。
 そう思って、カイは振り向いてようやくドライルと対峙したのだった。
カイ:
「で、誰が兄貴だって? おれには兄はいても弟はいないはずだぞ」
 カイがイデアへセインを返しながらそう尋ねると、ドライルは勢いよく頭を下げた。
ドライル:
「で、デタラメ言ってすまない! だがお陰で助かった! あんた強いんだな!」
 そう言われて調子に乗らないカイではない。
カイ:
「いや、まぁ、知ってますけどー!」
イデア:
「カイ、くねくねしててちょっと気持ち悪いよ?」
カイ:
「……言うようになったな、イデア」
 イデアの成長?にカイがしみじみと頷く。
ドライル:
「……」
 そんなやりとりをしていると、いつの間にかドライルが顎に手を当てて考え事をしていた。それに気づいたカイが尋ねる。
カイ:
「ん、どうかしたのか? ていうかまずここはどこだ?」
 もちろんカイ達に現在地など分かるはずもない。
 だが、ドライルはカイの質問に答えることなく、背中を向けてしまった。
ドライル:
「……ついて来てくれないか。俺達の拠点へ案内する。ここが何処かはそこで説明しよう」
 そう言ってドライルが袋小路から出て行く。
 カイはそれを手を振って見送った。
ドライル:
「いやついて来いよ!?」
 ついて来ないことに気付いたドライルが慌てて戻ってきたが、カイとイデアは首を傾げて悩んでいた。
カイ:
「いや、ちょっと急展開すぎると言いますか胡散臭いと言いますか……。ていうかおまえ……悪魔族、なのか?」
 ふと、カイがそう質問する。ドライルの容貌は人間のそれと全く同じで翼もなく目も普通だったのだ。
 その質問には呆れたような表情でドライルが返していく。
ドライル:
「当たり前だろ。魔界には悪魔族しかいないんだから。逆にもし他の種族が紛れていたら大問題だ」
カイ:
「(……悪魔はみんな翼があって、目もおれ達と違うんだと思ってたんだけどな。そういうわけでもないってことか……)」
 カイが一人そう納得していると、不意にイデアがカイへ耳打ちを始めた。
イデア:
「とりあえずついて行こうよ。あの人の元を去るのは必要な情報を貰ってからでも遅くないと思うの。利用するだけしてポイしよ?」
カイ:
「イデア最近なんかあった!? ちょっとやさぐれてきたっていうか性格が歪み始めてない!?」
イデア:
「気のせいだよ」
 イデアが笑顔でそう答える。
 その笑顔に何か恐ろしいものを感じつつも、カイはイデアの意見に反対することなくついて行くことにしたのだった。
………………………………………………………………………………
ドライル:
「ここだ、入ってくれ」
 ドライルに連れられて訪れたのは、古びた巨大な倉庫であった。
カイ:
「……いかにも怪しくないか?」
 カイが訝しそうにイデアへそう尋ねる。そもそも怪しいのはドライルだけではなかった。この国自体がカイにはおかしく見えていた。
 ドライルに倉庫へ案内される間カイは国の様子を見ていたのだが、活気などは一切存在しない。そして、大人の男性もまるで存在しないのである。国を歩いているのはほとんどが女性でその顔に生気はほぼなかった。
イデア:
「……まだ我慢だよ」
 イデアも不審には思っていたが、今は情報が優先であった。
 倉庫へ入っていくドライルの後を追って中に入ると、そこにはドライルと同じ年齢のように見える青年達と、小さな子供達が大勢いた。
 皆が積み上げられたパイプや鉄骨の上などバラバラに座っていたのだが、ドライルの登場に気付くと全員がドライルを囲むように駆け寄ってくる。
子供1:
「ドライル!」
青年1:
「無事だったか!?」
ドライル:
「ああ、心配かけた!」
 ドライルが笑顔で全員とやりとりを交わしていく。
リノ:
「怪我してない?」
 大きな赤いポニーテールをぶら下げている少女が心配そうにドライルへ尋ねた。
 それに対してドライルが心配無用と言わんばかりに笑顔で返していた。
ドライル:
「大丈夫だって。まったく、リノは心配性だな」
リノ:
「だって、今回の任務は凄い難しいやつだったし……」
ドライル:
「安心しろ、俺はヘマしないよ」
 ドライルがリノの頭を撫でる。
 それを見て周りが声を上げていた。
青年2:
「いちゃつくなら余所でやれよー」
子供2:
「そうだそうだ!」
ドライル:
「別にいちゃついてないだろ!」
 ドライルとリノを囲むように青年、子供達が楽しそうに笑っている。
 その様子を、カイ達は遠くから何の感情もなく見つめていた。
カイ:
「何を見せられているの、おれ達……」
イデア:
「……分かんない」
 こればっかりはイデアもカイに同意であった。
 すると、突然ドライルが右手を掲げ始める。
ドライル:
「そんなことよりこれだ! 無事手に入れてきたぞ!」
青年&子供達:
「おお!」
 倉庫内に歓喜の声が広がっていく。
子供3:
「流石ドライル!」
青年3:
「やっぱ俺達のリーダーは違うな!」
 ドライルを全員が讃えていく。
 その光景に、カイ達は最早無我の境地に達していたのだった。
 と、その時ようやくカイ達の出番が訪れた。
 ドライルを讃える声が止まない中、ドライルがカイ達の元へ向かったのだ。
ドライル:
「今からあんた達の紹介を……って、何て顔してんだよ」
カイ:
「……無を表現してるつもり」
ドライル:
「……まぁいいや」
 ドライルが向かったことにより、全員がカイとイデアの存在に気付いた。
 そこに、ドライルが紹介を始めていく。
ドライル:
「みんな、実はみんなに紹介したい奴らがいるんだ! なんとこいつはあの兵士を瞬殺したんだ!」
青年&子供達:
「何だって!?」
 兵士を瞬殺した、その事実に青年達がざわめき始める。
 そのざわめきを聞きながらカイとイデアは嫌な予感に襲われていた。
カイ:
「……何かに巻き込まれそうな気がする」
イデア:
「……ポイする?」
カイ:
「……いや、でもまだ情報何も得られてないんだけど」
 カイ達が相談している間にもドライルが言葉を重ねていく。
ドライル:
「こいつらがいれば、俺達の革命はより確実なものとなるはずだ! こいつらは大きな戦力となる!」
青年&子供達:
「おおおおおおおお!」
 突然沸き始める周囲。カイとイデアは再び顔を見合わせた。
イデア:
「ポイする?」
カイ:
「……するか」
 確実に何かよからぬことに巻き込まれると判断して、カイ達が倉庫から出て行こうとする。
 だが、すかさずドライルがその行く手を遮った。
ドライル:
「ちょっと待て! どこへ行く!」
カイ:
「あのな、おれ達の行くところがあるんだよ。それも急いで。だからよく分かんないけどおまえ達のことは手伝えないから」
 そう言って横を抜けようとするのだが、ドライルが通そうとしない。
ドライル:
「頼む、力を貸してくれ! 俺達の革命にはあんたの力が必要なんだよ!」
 ドライルが必死にそう懇願する。
 カイとイデアは困ったように顔を見合わせた。
カイ:
「うーん……ていうか革命ってなんだよ。何するつもりなんだ?」
 カイがそう尋ねた時、ドライルの顔つきが変わった。何かを覚悟したような、そんな面持ちでドライルが答える。
ドライル:
「……この国の王を殺すんだ。あの暴君を、俺達の手で」
 ドライルが右手を強く握りしめてカイを強い意志を籠めて睨む。その様子にカイは憎悪のようなものを感じ取った。
 何より、暴君という言葉がカイは少し気になった。先程見た国の様子と言い、どうやらこの国の王はカイの思う王とはズレた存在らしい。
カイ:
「……はぁ、イデアどうす―――」
 イデアに意見を聞こうとすると、いつの間にか隣にイデアがいない。
 気づけばイデアは少し離れたところで子供達に囲まれていた。そしてその子供達のウルウルとした目に、イデアは悲しそうに顔を歪めていたのだった。
イデア:
「カイ、わたし……」
 イデアが何を言おうとしているのかが分かったカイは思わず苦笑していた。
カイ:
「……イデアは子供大好きだもんな」
 イデアといい子供達といい、あんな表情を見せられてはカイに断る選択肢は無い。
カイ:
「……とりあえず、話を聞こうか」
 カイがそう述べた瞬間、倉庫内は再び歓喜の声に包まれたのだった。
………………………………………………………………………………
 あれから少し落ち着いて、カイとドライルが二人で話し合っていた。ちなみにイデアは子供達と戯れている。
カイ:
「で、まずどうして革命を起こしたいんだ? 内容によっては俺達も手伝えないぞ」
 カイの問いに、ドライルが辛そうに顔を歪める。
ドライル:
「……この国ではある年齢を超えた男性は王の元に連れて行かれ、二つの選択肢の中から一つを強いられるんだ。一つは一生奴隷になって働く事、もう一つは王と殺し合う事。でも―――」
カイ:
「よし、手伝うぞ」
ドライル:
「早いな!?」
 まだ話が途中だっただけにドライルは驚くが、カイにとってはその時点で決定だった。
カイ:
「だってどう考えても王が悪いだろ。そんな王、いない方がマシだ」
 カイのその言葉に、ドライルは思わず涙ぐんでしまっていた。
ドライル:
「っ、あ、ありがとう……!」
カイ:
「いいや、当然だよ。王を語るなら民の事を大事にしろってんだ」
 カイの思い描く王の像とは、まさしくゼノのような王なのである。エイラのことで意見が分かれたとはいえ、普段のゼノの政治はカイも尊敬していた。
 と、その時カイは本来ドライルについて来た目的を思い出した。
カイ:
「ああそうだ。なぁ、手伝う代わりと言っちゃなんだがおれ達の質問にいくつか答えてくれないか?」
ドライル:
「いいぞ、何でも来い!」
 カイが手伝ってくれるのがそんなに嬉しいのか、ドライルが身を乗り出して質問を待つ。
 カイは、人間だとバレたら面倒だと思いバレないように質問を開始した。
カイ:
「えっとだ、まずはエイラ……フェデル、だっけか? そいつを知ってるか?」
 その問いには簡単だと言うようにドライルが答える。
ドライル:
「当然だ。そいつは悪魔族を裏切って人間に寝返った悪魔みたいな女だぞ? 誰だって知っている」
カイ:
「……おまえらも悪魔だろうが」
ドライル:
「何か言ったか?」
カイ:
「別に」
 ドライルの言いように少し腹が立ったカイだったが、どうにか堪えて次の質問をする。
カイ:
「えー、で、エイラが人間界から魔界に連れてこられたはずだけど、今どこにいるか分かるか?」
ドライル:
「逆に知らないのか? 魔王から全ての国に連絡が言ったはずだがな。王都で『明日』処刑をするって」
カイ:
「……明日ぁ!?」
 最初言葉を理解できなかったカイだったが、理解した途端素っ頓狂な声を上げてしまった。
 その声にイデアが集まってくる。
イデア:
「カイ、どうしたの!?」
カイ:
「……エイラの処刑が明日行われるって」
イデア:
「えっ、そんな……!?」
 イデアが驚愕の事実に思わず口元を押さえる。
 カイはドライルの両肩を揺さぶりながら、叫ぶように尋ねた。
カイ:
「おい、それは本当なんだろうな!」
ドライル:
「ほ、本当だ! どうした急に顔色を変えて!」
カイ:
「っ、ここからその王都まではどれくらいかかるんだ!」
 カイの迫力に押されながらもドライルがどうにか答えていく。
ドライル:
「ほ、本気を出せば一日だ……!」
 ドライルの言う本気がどれほどなのかカイには分からなかったが、とにかく急がなければいけないことは分かった。
カイ:
「イデア、すぐ向かうぞ!」
イデア:
「うん!」
 カイとイデアが出口へと走り出す。突然のことに誰も止められなかったが、その背中にドライルが叫んだ。
ドライル:
「おい、どこに行くんだ! 革命を手伝ってくれるんじゃなかったのか!」
カイ:
「悪いけどおれ達は急いでるんだよ! 今ここでおまえ達と―――」
 と、その時だった。
 カイはゼノへ自身が言った言葉を思い出したのである。
カイ:
「何が民あってこその王だ! 家族一人守れないで民が守れるかよ! 助けられる命は見捨てるなよ! 伸ばせるだけ手を伸ばせよ! 助ける命を選んでんじゃねえ!」
 その記憶に、カイは思わず足を止めてしまう。
カイ:
「(もしおれが手伝わなかったら、ドライル達はたくさん犠牲を出しちゃうのかな……。おれが手伝えば救える命があるのかもしれない……。でも、そうすればエイラが……!)」
イデア:
「カイ……」
 カイの葛藤に気付いたのか、イデアが心配そうにカイを見つめる。
カイ:
「(最善の選択肢はなんだ……。どうすればみんな救える……!)」
 カイが足を止めたことをいいことに、ドライルがカイの肩を捕まえる。
ドライル:
「おい、頼むから―――」
カイ:
「なぁ、革命はいつ始めるつもりなんだ!」
 そこへカイが叫ぶように問う。その剣幕に驚きながらもドライルが答えていく。
ドライル:
「あ、明日のつもりだったが。エイラ・フェデルの処刑と重ねることで注意を逸らそうかと―――」
 明日、つまりエイラの処刑日では当たり前のように手伝えるわけがない。
 だからカイは決めた。
カイ:
「今すぐだ!」
ドライル:
「……え?」
 カイが振り向いて全員へ告げる。
カイ:
「その革命、今すぐ始めるぞ!」
全員:
「はぁああああああ!?」
 全員が驚きを隠せずざわつき始めた。
 イデアも例外ではなくカイへと近づいてく。
イデア:
「カイ……」
カイ:
「悪いイデア。でも、今こいつらを見捨てたら、おれはおれじゃなくなる気がするんだ。エイラに顔向けできない気がするんだよ……」
 カイがそう言ってイデアの目を見つめる。
 長い時間見つめ合った二人だが、やがてイデアが頷いてみせた。
 いつも抽象的なカイの言葉だが、イデアはそれだけで理解していた。
イデア:
「……うん、全部助けよう」
カイ:
「ああ!」
 カイとイデアの中では無事まとまったのだが、ドライル達としては全くまとまるわけもなかった。
ドライル:
「ま、待て! 延期ならまだしも早めるなんて……!」
カイ:
「早めることは出来るだろ? もともと明日行おうとしていたってことはそれなりの準備が既に出来ているはずだ。悪いけど延期はこっちの都合的に無理だ。おれ達はエイラを助け次第、魔界から出ていくつもりだからな!」
 カイのその言葉にドライル達がさらに動揺していく。
ドライル:
「なっ、ちょ、ちょっと待てよ! エイラ・フェデルを助けるだと!?」
カイ:
「ああそうだ! 今すぐ革命してその後すぐにエイラを助け出す! これが今出来る最善の方法だ!」
 二度繰り返されたことによって、カイ達への不信感は完全なものとなってしまった。悪魔族にとって裏切り者のエイラを救おうとしているのだから当然である。
 ドライルが距離を取ってカイへ叫ぶ。
ドライル:
「おまえら、何者だ!」
 その問いに、カイは笑顔で答えてやった。
カイ:
「おれ達は人間! でもってエイラの家族だ!」
全員:
「に、人間んんんんんんんん!?」
 倉庫内に響く声は今までの歓喜から一転、驚愕の叫びへと変化したのだった。
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