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第273話

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 両腕は本来自由なのだが、僕はあえて首の後ろで手を組んでいる。

 むろんすべてをアダムに委ねるためである。

 アダムは僕のペニスに頬ずりしながら、右手の指で肛門を弄っている。

 まず親指と中指で穴を拡張し、人差し指で中を掻き回し始めたのだ。

「アア、アア、アア、アアア…」

 こうなるともう、僕の喉からは悦びの声しか出ない。

 かつてブライトに見抜かれたように、オメガの肛門は女性のヴァギナの機能も備えている。

 直腸が途中で分岐して子宮に繋がっているからそれも当然なのだが、だから感じてくると汁が出る。

 潤滑油代わりの淫汁、すなわち愛液である。

「キ、キモチ、イイ…」

 僕はお尻の穴から恥ずかしいお汁を垂れ流しながら、両サイドに真っすぐ伸ばした足をピンと引きつらせる。

「キュン…」

 たちまち足の指がつって、痛みと快感がないまぜになった。

「きもち、いい?」

 僕の言葉を鸚鵡返しして、アダムが空いた左手の人差し指で僕のペニスの包皮を上下に動かした。

 にゅる、にゅるり。

 先走り汁でヌルヌルの亀頭が、ほとんど摩擦なくぴょこぴょこ顔を出す。

 その頂から突き出たカテーテルをズボズボ出し入れされて、

「チ、チンチン、イ、イイッ!」

 思わず逝きそうになる僕。

「そんなにいいの? じゃあ、もっと肛門も、開かせようよ」

 と、くすっと笑って、アダムが僕の括約筋を、二本の指で一気に開きにかかった。

 
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