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第121話
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翌朝―。
僕は久しぶりにふかふかのベッドの中で目覚めた。
初めて見るような上品なたたずまいの部屋の中。
窓からは明るい朝陽が差し込んでいる。
「よく眠れたかい?」
開けっ放しの戸口から入ってきたのは、あのジンと呼ばれた青年だった。
ジンは白衣を着て、相変わらず銀縁眼鏡をかけている。
白髪に近い髪の色とあいまって、それが彼をひどく知的に見せていた。
「ここは?」
ベッドに上体を起こし、僕は周囲を見回した。
きのう、あれから、ブライトと一緒に馬車に乗せられたことは覚えている。
それから長い道のりを揺られて、王都の門をくぐり…。
そのあとの記憶が、どうもあやふやなのだ。
「王立魔法研究所の貴賓室だよ。君は賓客待遇というわけさ」
ジンが目を細め、起き上がった僕を見た。
僕は薄いガウンのようなものを着せられていて、その下は全裸のままだ。
いつのまに躰を洗ったのか、全身から入浴剤のいい匂いがする。
「ブライトは、どこ?」
心細くなって訊くと、
「今彼は王宮だ。いずれ会えるよ。でもその前に、ちょっと色々確かめたいことがある」
ジンが近づいてきた。
右手に何か持っている。
更にあることに気づいて、僕は思わず声を上げていた。
「な、何をする気なの?」
僕は久しぶりにふかふかのベッドの中で目覚めた。
初めて見るような上品なたたずまいの部屋の中。
窓からは明るい朝陽が差し込んでいる。
「よく眠れたかい?」
開けっ放しの戸口から入ってきたのは、あのジンと呼ばれた青年だった。
ジンは白衣を着て、相変わらず銀縁眼鏡をかけている。
白髪に近い髪の色とあいまって、それが彼をひどく知的に見せていた。
「ここは?」
ベッドに上体を起こし、僕は周囲を見回した。
きのう、あれから、ブライトと一緒に馬車に乗せられたことは覚えている。
それから長い道のりを揺られて、王都の門をくぐり…。
そのあとの記憶が、どうもあやふやなのだ。
「王立魔法研究所の貴賓室だよ。君は賓客待遇というわけさ」
ジンが目を細め、起き上がった僕を見た。
僕は薄いガウンのようなものを着せられていて、その下は全裸のままだ。
いつのまに躰を洗ったのか、全身から入浴剤のいい匂いがする。
「ブライトは、どこ?」
心細くなって訊くと、
「今彼は王宮だ。いずれ会えるよ。でもその前に、ちょっと色々確かめたいことがある」
ジンが近づいてきた。
右手に何か持っている。
更にあることに気づいて、僕は思わず声を上げていた。
「な、何をする気なの?」
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