落ちこぼれオメガとエリートアルファの魔王討伐

ヤミイ

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第122話

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 ジンの右手に光るのは、注射器の針だ。

 でも、それより僕の眼を釘づけにしたのは、その白衣の間から覗く”モノ”だった。「

 膝下まである白衣は股間の辺りで少しはだけ、その合間から肉色の丸いものが鼻面を覗かせているのである。

 間違いなかった。

 ジンは下に何も穿いていない。

 しかも、あろうことか、性器を勃起させているのだ。

 どうして?

 頭が混乱した。

 この青年、いったい何を考えているのだろう?

「こ、こないで…」

 僕は目を見開き、ぶるぶると首を横に振った。

 そんな、まさかー。
 
 まさかとは思うけど、このひと、ボクに欲情してる?

 でも、そんなはずない。

 だって彼は、僕がブライトの”つがい”だってことを、ちゃんと知ってるはずなのに…。

「まさかそんなことが、って顔してるよね。けど、そのまさかなんだよ」

 僕の心を読んだかのように、ジンが言った。

「ブライトが王宮で足止めを食らってる間に、僕もちょっと楽しんでおこうと思ってね。なんせ、君のような超絶的にいやらしいオメガは初めてなんだ。それに、自ら君の躰を味わうことで、これから始める研究の第一歩にもなる」

「やめて…」

 注射針が朝陽にきらりと光った。

 鋭い先端に真珠のような露が宿っている。

「いいだろう? 減るもんじゃあるまいし。どうせ故郷の村では、君のペニスもアナルも、村人みんなのものだったんだろう? 隠さなくてもいいよ。そのくらい、とっくにわかってるんだから」
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