Ｒ指定

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　トイレで用便を済ませ、流し台で洗顔と歯磨きを済ませた。
　カウンターの前に丸テーブルがいくつも並んでおり、そこが食事スペースになっている。
　ちょうど、ホテルのラウンジのような按配だ。
　カウンターの向こうには、目の覚めるような真紅のミニドレスを着た若い女性がいた。
　髪を耳の上で切りそろえた人形みたいな髪型をしている。
　美人だが、未来人みたいなクールな印象の女性だった。
　おそらく彼女が先生の妹なのだろう。
　きのうは先生が食事を出してくれたのだが、きょうは彼女がその役を果たすということらしい。
　食事はセルフサービスで、カウンターまで自分の分の載ったトレイを取りに行く。
「あら、かわいいわね。あなたが今年の兄のお相手なの？」
　僕にトレイを渡してよこすと、カウンター越しに女性が僕を見た。
「え、ええ」
　ドギマギして答えると、
「たっぷり食べてね。まだ３日あるんでしょう？　3日は長いわ。たくさん精液をつくっておかないと」
　そう言って口元にうっすらと笑みを浮かべた。
　こんな美人に”精液”なる単語があっさり吐かれると、まだ中学生の僕としてはドギマギして目のやり場に困ってしまう。
　トレイに載っているのは、白米を中心とした普通の和食のほかに、ゼリーみたいなものとドリンク剤。
　これはきのうの3食にも皆ついていたけど、先生によると精子を増やすための精力剤みたいなものだという。
「食事が終わったら、この子にメイクの仕方を教えてやってくれないか」
　僕がトレイを持って歩き出すと、先にテーブルについていた先生が、カウンターの向こうの女性に言った。
「俺好みに仕上げてもらえるとありがたい」
「いいわよ」
　女性が意味ありげに微笑んだ。
「お兄ちゃんの好みといえば、つまりは高校生時代のあたしでしょ？　任せといて」
 ん？
　その時、僕はふと違和感を覚えた。
　この人、本当に先生の妹なのだろうか？