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58 懊悩の夜③

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 勝手に両手が動き、僕は布団の中でもどかしく浴衣を脱ぎ捨てていた。

 浴衣の下はビキニショーツ一枚だ。

 股間が窮屈でたまらない。

 勃起が始まっているのだ。

 いつものことだった。

 乳首を愛撫すると、僕は簡単に勃起する。

 それは何度もオナニーする時経験していることだ。

 ビキニショーツの上から、パンパンに張った”畝”を撫でた。

 へそに向かって一直線に盛り上がったその部分は酷く熱を持ち、硬かった。

 まるで温められたゴム製の棍棒を撫でるような感覚である。

 アアッ!

 気持ち良さに、思わずまた喘いでしまう。

 しばらく布団の中という淫靡な空間の中で、両手で身体中を弄った。

 ますます硬くなる股間の肉棒とふたつの乳首。

 ハアハアハア・・・。

 たまらなくなって掛布団を跳ねのけ、暗闇の中に裸体を晒す。

 腰をもたげて、天井に向けて勃起ペニスを突き上げる。

 その姿勢のまま少し扱いただけで、右手がネチャついた。

 先走り汁。

 いわゆるカウパー腺液というやつが、尿道口から分泌され、包皮の間から滲み出てきたのだ。

 こうなると、もう止められない。

 射精するまで、やめられない。

 こんなところを誰かに見られたらー。

 そう思っただけで、ますます昂った。

 ゴロンと転がり、蒲団から畳の上に出た。

 うつ伏せになり、股間の隆起を畳にこすりつける。

 我慢できなくなって僕が始めたのは、いわゆる床オナニーというやつだ。

 この場合、すべすべの敷布団の上より、ざらついた畳の表面のほうが快感は倍増する。

 僕の下にあるのは畳なんかではなく、全裸のヨミだ・・・。

 いつしかその妄想で頭がいっぱいになっていた。

 尺取虫と化して、腰を蠢動させながら、妄念の中のヨミに向かって心の中で叫ぶ。

 くそっ!

 こうしてやる。

 これでもか!

 どうだ、いいだろう?

 ハアハアハア・・・。

 しきりに喘ぎ、交尾する虫みたいに、畳表に夢中で下半身を擦りつけている最中だった。

 僕がふと、それに気づいたのはー。

 
 

 
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