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114 生贄少年⑤
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あとひとこすり、あとひと撫でで、お馴染みのあの”どくんどくん”が始まるはずだった。
精巣で生産され、睾丸に蓄積された青臭い精液ー。
僕の分身を何億個も含んだあの粘つく液体が、拡張された尿道を通って、壮絶な快感とともに、鈴口から一気に噴き出るはずだった。
がー。
「もう、逝っちゃう! イクうっ!」
熱した油に抛り込まれた海老のように反り返った僕が、感極まってそう叫んだ瞬間ー。
躰から、一切の触感が消えてしまった。
僕がイク寸前に、乗客たちが、一斉に愛撫をやめてしまったのである。
内側からあれほど僕を責め続けていた、あのエネマグラさえ、抜かれてしまっていた。
「あ…」
僕は茫然となって、乗客たちを見回した。
僕を取り囲んでいた集団は、今は一歩下がり、ただ吊り革からぶら下がる僕を見つめている。
乗客たちは、また元のようにマスクをかけ、何事もなかったかのように、汚れた手をハンカチで拭いている。
「ど、どうして…?」
思わず知らず、その言葉が口から漏れ出した。
自分でも呆れるほど、苦渋に満ちた声だった。
だって…。
と、思わずにはいられない。
飛行機のような格好で四肢を吊り革で拘束された僕は、曝け出した股倉から爆発寸前のペニスを突き出している。
乳首だって、ふたつとも石みたいに尖り、更なる愛撫を期待してふるふるふるふる震えているのだ。
なのに、ここで、放置されてしまうだなんて…。
「して…」
匿名の集団を見渡し、懇願するように、僕は言った。
「お願い…続けて…」
でも、空しかった。
すべての元凶であるあの小太りの中年男でさえ、口元にニヤニヤ笑いを浮かべて僕を眺めているだけだ。
すでに用が済んだのか、股間のイチモツは元のようにズボンの中に収納され、ファスナーも上げられている。
「して!」
僕は叫んだ。
ひりつく乳頭。
カウパー腺液を出し続けるぬるぬるの亀頭。
エネマグラを抜き去られ、肛門汁を溢れさせながら、ひくひく蠢く赤剥けのアナル…。
ついさっきまで弄られていた各部の性感帯が、疼いてならなかった。
「お願いだから、して!」
不自由な躰を振って、勃起ペニスを揺らす。
それで少しでも快感を得ようという、無意識のあがきだった。
けれど、無駄だった。
そんなわずかな振動で、猛り狂ったペニスが満足するはずがない。
「お願い…」
懇願が、哀願に変わった。
がー。
返ってきたのは、沈黙だけだった。
「お願い!」
放置状態に耐えきれず、僕はすすり泣いた。
「お願いだから、僕を、僕を、め、めちゃくちゃに、して…」
精巣で生産され、睾丸に蓄積された青臭い精液ー。
僕の分身を何億個も含んだあの粘つく液体が、拡張された尿道を通って、壮絶な快感とともに、鈴口から一気に噴き出るはずだった。
がー。
「もう、逝っちゃう! イクうっ!」
熱した油に抛り込まれた海老のように反り返った僕が、感極まってそう叫んだ瞬間ー。
躰から、一切の触感が消えてしまった。
僕がイク寸前に、乗客たちが、一斉に愛撫をやめてしまったのである。
内側からあれほど僕を責め続けていた、あのエネマグラさえ、抜かれてしまっていた。
「あ…」
僕は茫然となって、乗客たちを見回した。
僕を取り囲んでいた集団は、今は一歩下がり、ただ吊り革からぶら下がる僕を見つめている。
乗客たちは、また元のようにマスクをかけ、何事もなかったかのように、汚れた手をハンカチで拭いている。
「ど、どうして…?」
思わず知らず、その言葉が口から漏れ出した。
自分でも呆れるほど、苦渋に満ちた声だった。
だって…。
と、思わずにはいられない。
飛行機のような格好で四肢を吊り革で拘束された僕は、曝け出した股倉から爆発寸前のペニスを突き出している。
乳首だって、ふたつとも石みたいに尖り、更なる愛撫を期待してふるふるふるふる震えているのだ。
なのに、ここで、放置されてしまうだなんて…。
「して…」
匿名の集団を見渡し、懇願するように、僕は言った。
「お願い…続けて…」
でも、空しかった。
すべての元凶であるあの小太りの中年男でさえ、口元にニヤニヤ笑いを浮かべて僕を眺めているだけだ。
すでに用が済んだのか、股間のイチモツは元のようにズボンの中に収納され、ファスナーも上げられている。
「して!」
僕は叫んだ。
ひりつく乳頭。
カウパー腺液を出し続けるぬるぬるの亀頭。
エネマグラを抜き去られ、肛門汁を溢れさせながら、ひくひく蠢く赤剥けのアナル…。
ついさっきまで弄られていた各部の性感帯が、疼いてならなかった。
「お願いだから、して!」
不自由な躰を振って、勃起ペニスを揺らす。
それで少しでも快感を得ようという、無意識のあがきだった。
けれど、無駄だった。
そんなわずかな振動で、猛り狂ったペニスが満足するはずがない。
「お願い…」
懇願が、哀願に変わった。
がー。
返ってきたのは、沈黙だけだった。
「お願い!」
放置状態に耐えきれず、僕はすすり泣いた。
「お願いだから、僕を、僕を、め、めちゃくちゃに、して…」
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