20 / 31
洗いっこ
しおりを挟む
「何か使ってみたいやつとかある?」
「えー、選んでいいの?」
「俺は全部使ってみたいから買ってるわけだし、どれでもいいよ」
こんなにあると迷っちゃうなあ、とビュッフェにでも来たかのようなことを言いながら榛名くんはおもちゃの箱をひとつひとつ取り上げて吟味していく。
「……これ、やばそうだなあ」
選ぶ手をぴたりと止めて見つめていたのは、ふた股に分かれたバイブだった。アナルに挿れると、もう片方の突起部分が会陰のあたりを刺激するかたちになっている。これはかわいらしい色のが見つからなくて、どぎつい紫みたいなピンク色だ。
「太さはそこまでじゃないけど、形がすごい、えっぐいところに当たりそう」
「やっぱりこのカーブがいいのかな」
「そうそう。あと僕、こういう形のは振動するやつ使ったことない」
やばそう、どうなのかな、なんて言いながら、榛名くんの瞳は爛々と期待を隠せていない。
こんなにかわいい彼が快楽に正直になって、静かに欲しがっている様が目に毒だった。こんなの、すぐにでも気持ち良くさせたいと思ってしまうに決まってる。
「……じゃあこれ、使ってみる?」
「…いいの?」
俺の答えなんてわかりきってるのに、そう返してくる。こういう関係になったことに自覚や自信が足りないのは、お互い様なのだろうか。
「もちろん。俺は榛名くんに使ってもらいたいんだよ」
「あは、それもそうだよね。じゃあ……」
榛名くんはにこりと笑って、俺の手を取る。その笑みの艶っぽさと言ったらなかった。
「一緒にシャワー、浴びよ?」
「一緒に?」
「うん、やだ?」
「やじゃない、嬉しい」
「あはは、素直でよろしい」
準備としてシャワーを浴びるためにそう広くもない一人暮らしの家のバスルームに一緒に入るのは、付き合うことになったけれど未だ恋人同士だという自信が足りなかった二人にとっては距離を縮めるのにちょうど良かった。
お互い一度裸は見られているわけで、脱衣所でもじもじとするようなことはなかった。内心は少し恥ずかしいけれど、今更恥ずかしがるほうが恥ずかしい気がしたのだ。
シャワーを浴びながら、どちらともなくキスをした。
「洗いっこしようか」
「そうだね」
ボディソープをたっぷりと泡立てて、お互いの体に擦り付けあう。あたたかくて、ぬるりとして、気持ちがいい。
「背中やってあげる」
そう言って榛名くんは俺の後ろにまわって、泡まみれの体をぴたりとくっつけて、こしこしとゆっくり動く。
「あはは、これ結構恥ずかしいね。えっちなお店みたいで」
「俺はめっちゃ気持ちよくてやばい……」
「僕も気持ちいいよ、こうしたら、ン、乳首がこすれて……♡」
俺よりも筋肉のなさそうな榛名くんの体は、同じ男とは言え俺よりも肌も肉もやわらかくて、ソープのぬめりを伴って擦り付けられると、本当にたまらない気持ちになる。
榛名くんも気持ちよさそうに「ん、ん……っ♡」と声を漏らしながら、俺の体を使って乳首オナニーをしてる。榛名くん、乳首もかなり感じるんだなあ、とぼんやり思う。
「えー、選んでいいの?」
「俺は全部使ってみたいから買ってるわけだし、どれでもいいよ」
こんなにあると迷っちゃうなあ、とビュッフェにでも来たかのようなことを言いながら榛名くんはおもちゃの箱をひとつひとつ取り上げて吟味していく。
「……これ、やばそうだなあ」
選ぶ手をぴたりと止めて見つめていたのは、ふた股に分かれたバイブだった。アナルに挿れると、もう片方の突起部分が会陰のあたりを刺激するかたちになっている。これはかわいらしい色のが見つからなくて、どぎつい紫みたいなピンク色だ。
「太さはそこまでじゃないけど、形がすごい、えっぐいところに当たりそう」
「やっぱりこのカーブがいいのかな」
「そうそう。あと僕、こういう形のは振動するやつ使ったことない」
やばそう、どうなのかな、なんて言いながら、榛名くんの瞳は爛々と期待を隠せていない。
こんなにかわいい彼が快楽に正直になって、静かに欲しがっている様が目に毒だった。こんなの、すぐにでも気持ち良くさせたいと思ってしまうに決まってる。
「……じゃあこれ、使ってみる?」
「…いいの?」
俺の答えなんてわかりきってるのに、そう返してくる。こういう関係になったことに自覚や自信が足りないのは、お互い様なのだろうか。
「もちろん。俺は榛名くんに使ってもらいたいんだよ」
「あは、それもそうだよね。じゃあ……」
榛名くんはにこりと笑って、俺の手を取る。その笑みの艶っぽさと言ったらなかった。
「一緒にシャワー、浴びよ?」
「一緒に?」
「うん、やだ?」
「やじゃない、嬉しい」
「あはは、素直でよろしい」
準備としてシャワーを浴びるためにそう広くもない一人暮らしの家のバスルームに一緒に入るのは、付き合うことになったけれど未だ恋人同士だという自信が足りなかった二人にとっては距離を縮めるのにちょうど良かった。
お互い一度裸は見られているわけで、脱衣所でもじもじとするようなことはなかった。内心は少し恥ずかしいけれど、今更恥ずかしがるほうが恥ずかしい気がしたのだ。
シャワーを浴びながら、どちらともなくキスをした。
「洗いっこしようか」
「そうだね」
ボディソープをたっぷりと泡立てて、お互いの体に擦り付けあう。あたたかくて、ぬるりとして、気持ちがいい。
「背中やってあげる」
そう言って榛名くんは俺の後ろにまわって、泡まみれの体をぴたりとくっつけて、こしこしとゆっくり動く。
「あはは、これ結構恥ずかしいね。えっちなお店みたいで」
「俺はめっちゃ気持ちよくてやばい……」
「僕も気持ちいいよ、こうしたら、ン、乳首がこすれて……♡」
俺よりも筋肉のなさそうな榛名くんの体は、同じ男とは言え俺よりも肌も肉もやわらかくて、ソープのぬめりを伴って擦り付けられると、本当にたまらない気持ちになる。
榛名くんも気持ちよさそうに「ん、ん……っ♡」と声を漏らしながら、俺の体を使って乳首オナニーをしてる。榛名くん、乳首もかなり感じるんだなあ、とぼんやり思う。
79
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる