画面越しの性欲からピュアな恋なんて始まるわけがない!?

おさかな

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洗いっこ

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「何か使ってみたいやつとかある?」
「えー、選んでいいの?」
「俺は全部使ってみたいから買ってるわけだし、どれでもいいよ」
 こんなにあると迷っちゃうなあ、とビュッフェにでも来たかのようなことを言いながら榛名くんはおもちゃの箱をひとつひとつ取り上げて吟味していく。

「……これ、やばそうだなあ」

 選ぶ手をぴたりと止めて見つめていたのは、ふた股に分かれたバイブだった。アナルに挿れると、もう片方の突起部分が会陰のあたりを刺激するかたちになっている。これはかわいらしい色のが見つからなくて、どぎつい紫みたいなピンク色だ。

「太さはそこまでじゃないけど、形がすごい、えっぐいところに当たりそう」
「やっぱりこのカーブがいいのかな」
「そうそう。あと僕、こういう形のは振動するやつ使ったことない」

 やばそう、どうなのかな、なんて言いながら、榛名くんの瞳は爛々と期待を隠せていない。
 こんなにかわいい彼が快楽に正直になって、静かに欲しがっている様が目に毒だった。こんなの、すぐにでも気持ち良くさせたいと思ってしまうに決まってる。

「……じゃあこれ、使ってみる?」
「…いいの?」
 俺の答えなんてわかりきってるのに、そう返してくる。こういう関係になったことに自覚や自信が足りないのは、お互い様なのだろうか。

「もちろん。俺は榛名くんに使ってもらいたいんだよ」
「あは、それもそうだよね。じゃあ……」
 榛名くんはにこりと笑って、俺の手を取る。その笑みの艶っぽさと言ったらなかった。
「一緒にシャワー、浴びよ?」
「一緒に?」
「うん、やだ?」
「やじゃない、嬉しい」
「あはは、素直でよろしい」

 準備としてシャワーを浴びるためにそう広くもない一人暮らしの家のバスルームに一緒に入るのは、付き合うことになったけれど未だ恋人同士だという自信が足りなかった二人にとっては距離を縮めるのにちょうど良かった。

 お互い一度裸は見られているわけで、脱衣所でもじもじとするようなことはなかった。内心は少し恥ずかしいけれど、今更恥ずかしがるほうが恥ずかしい気がしたのだ。

 シャワーを浴びながら、どちらともなくキスをした。
「洗いっこしようか」
「そうだね」
 ボディソープをたっぷりと泡立てて、お互いの体に擦り付けあう。あたたかくて、ぬるりとして、気持ちがいい。
「背中やってあげる」
 そう言って榛名くんは俺の後ろにまわって、泡まみれの体をぴたりとくっつけて、こしこしとゆっくり動く。

「あはは、これ結構恥ずかしいね。えっちなお店みたいで」
「俺はめっちゃ気持ちよくてやばい……」
「僕も気持ちいいよ、こうしたら、ン、乳首がこすれて……♡」

 俺よりも筋肉のなさそうな榛名くんの体は、同じ男とは言え俺よりも肌も肉もやわらかくて、ソープのぬめりを伴って擦り付けられると、本当にたまらない気持ちになる。
 榛名くんも気持ちよさそうに「ん、ん……っ♡」と声を漏らしながら、俺の体を使って乳首オナニーをしてる。榛名くん、乳首もかなり感じるんだなあ、とぼんやり思う。
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