画面越しの性欲からピュアな恋なんて始まるわけがない!?

おさかな

文字の大きさ
上 下
8 / 31

へんな感じ

しおりを挟む
「いつもしてるの、こういう感じであってる?」
「ん、大丈夫……っ」
 いきなり深くまでいれるのではなく、入り口を少しずつ広げていくように、奥よりも浅い部分をマッサージしていく。
 くちゅ♡くちゅ♡といやらしく濡れた音と、榛名くんの切ない吐息が聞こえてくる……。

「あっ……♡はぁ……っ♡これ、変な感じ……」
「え、なんかおかしい?」
「おかしくないけど、いつも自分でしかやったことないから……」
「えっ……そうなの?」
 榛名くんの言葉に驚き、思わず手が止まる。もしかして彼のこの場所に触れるのは、自分が初めてなのだろうか?と、そこで初めて思い至る。

「人に触られると、こんな感じなんだ」
「……っ、そう、だったんだ」

 初めてじゃないと思っていた、とは言えなかったけれど、そんなことを言わなくても、今の彼の言葉で肯定されたようなものだった。
 これまで何本もアナニー動画をアップしていた子とは言え、セックスの経験があるとは一言も聞いていない。このいやらしくひくついて、指をきゅっきゅっ♡と締めつける穴には、彼以外では俺が初めて触れたのだ。

 別に処女が好きなわけではない。けれど、勝手にきっと経験豊富なんだろうと思っていた好きな子がまだ誰にも抱かれてなかったというのは、嬉しいというか……知らない誰かに嫉妬しなくてもいいというのは、やはりホッとしてしまったのだった。


「ぁ、あ、んんっ……ン♡は、はぁ……っ♡♡」
 いつもスマホのスピーカーから聞こえてきていた喘ぎ声が、今自分のいるホテルの部屋で響いている。
 そのことに実感がないままだけれど、ぐちゅぐちゅと立つ粘着質な音までもがすごくリアルで、どんどん心臓がうるさくなっていく。
 あまりにも鼻息荒くしているのが聞かれたら恥ずかしいと思って、思わず息を止めてしまっていたから、頭がくらくらとしてくる。

 入口のところが柔らかくほぐれてきたら、指を増やしてみる。
「痛くない?」
「ン、平気……ん、う♡はぁ……♡はぁ……っ♡」
 細切れにあげる喘ぎ声の合間に、不慣れな俺の問いかけにもちゃんと答えてくれる。初めて人にされるのなら、榛名くんだって緊張しているだろうし、恥ずかしさだってあるだろうに、その優しさが嬉しい。

「あっ、ア、んう……ッ♡あっ♡ぁ……っ♡あ、そこ……っ♡ん、んん…っ♡♡」
 熱い穴の中をまさぐって、榛名くんが声をあげて反応する場所がなんとなくわかってきた。指先でくりくりと揉み込めば、四つん這いになっている彼の太腿が震えて、綺麗な肌にじわりと汗が滲んでいく。


「ね、もう……大丈夫だよ」
「あっ、うん」
 彼にそう言われても、いったい自分がどれくらいそうしていたのか自覚がない。けれどその言葉の通り、彼に苦しそうな素振りはなかったし、持ち込んだおもちゃも、そう太さのあるものではなかったため、確かにもうすんなりと挿れてしまえそうだった。

「じゃあ、いれるね」
「うん、きて……」

 実際にいれるのは自分のものではないのに、なんだかそのやりとりが、セックスの挿入前のようでどぎまぎする。
 そっと押し当てた先端がぷっくりと張り出たディルドは、その先っぽが一番太くなっている形状だけれど、それに吸い付くようにうごめく彼のアナルに、にゅるりと飲み込まれていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

就職するところがない俺は男用のアダルトグッズの会社に就職しました

柊香
BL
倒産で職を失った俺はアダルトグッズ開発会社に就職!? しかも男用!? 好条件だから仕方なく入った会社だが慣れるとだんだん良くなってきて… 二作目です!

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕

hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。 それは容姿にも性格にも表れていた。 なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。 一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。 僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか? ★BL&R18です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...