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2巻
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◇ ◇ ◇
ジークとリーナが『ゴムの木』と『コーヒーの木』を探している間、ルートも別の素材の輸入先を確保するため、行動する。ポルージャの冒険者ギルドを通して、コルテスの冒険者ギルドのマスター、ゲインズに連絡してもらった。そして、『毒沼のダンジョン』から、黄鉄鉱とチタン結晶をできるだけ大量に採掘して持ってきてもらうクエストの依頼を出した。
『毒沼のダンジョン』はかつて、ルートたちが最下層までたどり着き、たくさんの鉱石や宝石を発見したダンジョンだ。
黄鉄鉱は主にタイヤゴムに必要な硫黄の原料として、チタンは鉄と《合成》して『魔導式蒸気自動馬車』のホイールや骨組みに使うために必要だった。
買取価格は輸送費込みで、黄鉄鉱一キログラムあたり三〇〇ベニー、チタン結晶は一キログラムあたり八〇〇ベニーとした。
金属の《合成》はルート自身がやるので、その分浮いたお金を価格に上乗せした。一般の鉱山から出る鉱石の価格と比べると破格の値段だ。
冒険者たちは競って鉱石を運んでくるに違いない。
(あ、そうだ、クラウスに連絡して、十階層まで安全に冒険者を導くように言っておかないと。う~ん、ジークたちはまだ帰ってこないしな……僕が行か……ん、待てよ)
ルートはふと横で、さかんに可愛い声でさえずっている従魔、カラドリオスのシルフィーに目を向けた。
ちなみにクラウスは、『毒沼のダンジョン』を守っているガーディアンだ。
シルフィーは初めて出会ったときから少し大きくなり、可愛らしさも残しつつ、精悍な姿に成長した。常にルートの後ろをついて歩く姿は、ポルージャの街の人々にもすっかりお馴染みとなり、アイドル的存在になっている。
「シルフィー、ジークとリーナに手紙を届けることはできるかい?」
ルートは、現在西の果てのリンドバル辺境伯領に向かっているはずの二人に、帰りに『毒沼のダンジョン』に立ち寄ってもらい、クラウスへの指示を伝えてもらおうと思ったのだ。
ルートの言葉を聞いたシルフィーは、ちょこんと首を傾げてじっとルートを見つめていたが、やがて首をまっすぐにして、『大丈夫だよ』というように「ピーッ」と一声鳴いた。
「よし、じゃあ今からメモを書いて、お前の足につけるからね」
ルートはそう言うと、常備しているメモ用の紙に鉛筆で指示を書き、ナイフで親指を傷つけ、血判を押した。クラウスが万が一、ジークたちの言葉に従わないときのためだ。
そのあと、雑貨屋で真鍮製のフックを買い、それを魔法で成型して、メモ紙入れの筒がついた足環を作った。
「これを曲げて……よし、こんなもんかな。帰ったらまた手直しするからね。じゃあ、ジークたちに届けてくれ、頼むよ」
「ピー!」
シルフィーは任せろと言わんばかりに、一声鳴くと、優雅に白い羽を伸ばして飛び立っていった。
「よし、次は工房建設だ」
シルフィーが西の方角へ飛び去っていくのを確認したあと、ルートは街の北のほうへ歩き出した。
◇ ◇ ◇
「さてと、じゃあまずはこの倉庫を取り壊して、整地するか」
ルートは川の近くの広い空き地に建つ、倉庫の前に立っていた。
リディアに案内され、街はずれの川沿いの石造りの二階建ての建物と、その上流にある倉庫を購入したとき、ルートは倉庫のほうを工房にすると決めていた。
もう一方の建物は、作った商品を売るための店にするのだ。
空き地の片隅には、昨日ボーグの工房で《合成》し、運送屋に運んでもらっていた合成石材の分厚い板や四角いブロックが積み上げられていた。この合成石材は、川底から集めた大量の砂利と、鉄くず、そして街外れの草原で採取した土を《合成》で一つにし、《火魔法》で焼き固めたものだ。
(まず、鉄分だけを《抽出》っと……)
スキル《抽出》を倉庫全体にかける。すると、倉庫は屋根から下へ向かって、まるで霧のように消えていき、同時に、ルートの足下には銀色に輝く鉄の粒が積み上がっていった。
倉庫があった場所には、鉄以外の物質が高く積み上がっている。
(とりあえず、こいつは鉄の延べ板にしておくか)
今度は《合成》のスキルで、足下に積み上がった鉄の粒を何枚かの鉄の板にしていく。
銀と見まがうかのような、輝く純鉄の延べ板が八枚できた。
このままでは、硬いがもろくて使えないので、必要なときに職人に焼き入れをしてもらって使うことにする。
「今度は整地だな。《土魔法》でちゃちゃっといきますか」
ルートはいったん敷地の土を三十センチの深さで掘り起こした。そして、今度は頭の中で、テニスのクレーコートを思い浮かべ、魔力を放出した。
もし、その様子を見ていた者がいたら、きっと驚き腰を抜かしただろう。
たった今まで、雑草が生い茂り、錆びた鉄骨の倉庫が建っていた場所が、ものの二十分も経たないうちに、真っ平らで硬い土でできた広々とした空き地になってしまったのだから。
「うん、上等、上等。さてと、続きは夜やろう。流石に、建物をあっという間に作るのを見られたらまずいからな」
ルートはいったん家に帰って、夕食を食べてから出直そうと、歩きかけて止まった。
「ああ、この鉄の延べ板、どうしようか? ここに置いておいたら、誰かが持っていく可能性があるな。こういうときは……《収納》!」
すると、鉄の延べ板がたちまちルートの持っていたカバンの中に消えてしまった。
「いや~、やっぱり《収納》の魔法は便利だな。これで安心っと」
◇ ◇ ◇
「じゃあ、母さん行くわね。夕飯ちゃんと食べるのよ」
「行ってらっしゃい」
家に帰ってきたルートは、夕方、仕事に出ていく母親を見送りながら黒パンを食べていた。
すると、不意に頭の中にあるイメージが飛び込んでくる。シルフィーがなにか訴えている映像だ。
そして、足下にはいつの間にか、スライムのリムとラムが来ていて、ルートの足下にぴったりとくっついている。リムはルートが森の中で見つけ、《テイム》し、従魔にしたスライムだ。
さらに、リムがもう一匹スライムを連れてきたので、新入りのスライムはラムと名づけた。
「ああ、リムとラムか。シルフィーが戻ってきたんだね?」
二匹のスライムははピョンピョンと二回跳ねる。肯定の合図だ。
リムもラムはレベルが5になった時点で、イメージをルートに伝えられるようになっていた。
言葉で伝えることはできないが、映像で伝えるのである。
ルートは急いでドアの外に出て、夕闇が覆い始めた空を見上げる。すると、屋根の端から真っ白な鳥が、優雅に羽を広げてゆっくりと舞い降りてきた。
「おかえり、シルフィー。ご苦労さん」
シルフィーにねぎらいの言葉をかけ、優しく撫でてやると、気持ちよさそうにさえずりながらルートの顔に体をすり寄せてきた。
足環につけられたメモ紙入れの蓋を開けると、中に返事のメモが入っていた。
ルートへ
びっくりしたよ、シルフィーが飛んでくるなんて。リーナは大喜びしている。
指示については、了解した。今からコルテスの街に向かう。帰るのは三日後だ。
ジーク
ルートはメモをポケットにしまうと、部屋に帰ってシルフィーとリム、ラムに餌を与える。
「じゃあ、皆で留守番をよろしくね。行ってくるよ」
ルートはそう言うと、カバンを肩に斜めにかけて、外へ出ていった。
夕食もすんだことだし、今夜のうちに工房と商品を売る店を建てようと、張り切って空き地に向かう。
◇ ◇ ◇
すっかり暗くなった空の下、昼間きれいに整地した空き地に立って、ルートは図面に描いて何度も見直した工房の設計図を思い浮かべる。
(まず基礎の部分は二メートル掘り下げて、合成石材で固める。柱の土台を周囲に十六個と、内側に四つ……よし、いくぞ)
ゆっくりと手を動かしながら、慎重に基礎の部分の土を取り除き、邪魔にならないところに積み上げていく。
次に掘り下げた大きな長方形の穴に、空き地の隅に置いてある石材の板を敷き詰め、柱の土台として作った、真ん中に丸い穴の開いた一辺が五十センチのブロックを置いていく。
そのつなぎ目を魔法できれいにくっつけると、基礎部分の完成だ。
「ふう……やっぱり物体の移動は魔力を使うなぁ。大きさや重さは関係ないみたいだけど……」
マジックポーションを飲み、休憩しながら、ルートはつぶやいた。
魔力をポーションで回復しつつ、ルートの作業は続く。
掘り起こした土と、昼間倉庫を解体したときにできた鉄以外の成分の砂を《合成》して、二十センチメートル×三十センチメートルの直方体のブロックを大量に作り、それを《火魔法》で焼き固める。
そして、そのレンガを壁になる部分に積み上げていく。
石材の余りから、《抽出》で石灰を取り出し、水と砂と《合成》して即席の生コンクリートを作り、レンガ同士はそれでつないでいった。
柱の部分は、土台の穴に鉄のパイプを差し込み、合成石材のブロックの中心に穴を開け、次々に鉄の棒に通して積み上げた。つなぎ目は《合成》をかけてならしていく。
屋根の部分は、まずは鉄で骨組みを作り、平らに石材の板を敷き詰め、レンガで作った煙突を三本立てた。こうして、二時間ほどで、工房の外側の部分は完成した。同じ要領で、工房の横にさらにもう一つ工房を作る。木を加工する木工用と、鍛冶用の二つの工房を作ったのだ。
さらに資材を置くための倉庫も作る。
「工房の内装は職人さんたちの意見を聞きながら、少しずつ作るとしよう。次は、店のほうだな」
休む間もなく、ルートは川沿いを歩いて、購入したもう一つの物件へと向かう。
到着して、改めて石造りの建物を確認すると、大部分は今のまま使えそうだった。
しかし、ルートはどうしても、前世で食べ慣れた料理を出せるレストランを作りたかった。
建物は店舗兼事務所になっていて、二階が事務所だったので、そこをなくし、一階の奥の部分を壁で仕切って事務所を置くことにした。
こうすれば、一階は色々な商品を売る店舗、階段を上って、二階は広々としたレストランにすることができる。とりあえず、内部を《風魔法》と《水魔法》できれいに清掃する。
そのあと、二階に残っていた机や椅子、本棚などを一階に移動させ、壁や天井の傷んだ部分を魔法で修復していった。
さらに外の敷地をきれいに整地したあと、カバンに《収納》してあった余りの石材の板を取り出す。それを外の土と《合成》して火で焼き固め、新たな壁用のボードを作る。
そのボードで、建物内の一階の奥、トイレや裏口がある十坪ほどのスペースを囲んで仕切った。
ドアをつけ、入り口を作ったら、事務所の完成だ。
「よし、ここまでできれば、あとは細かい作業だけだ。ふう、流石に疲れた……」
ルートは背伸びをして、大きくため息を吐くと、輝く星に覆われた夜空を見上げる。
疲れてはいたが、それ以上に充実感がルートを満たしていた。
まだまだ、志半ばだが、ルートには確かな未来が見えていた。
母親のミーシャが、娼婦のマーベルが、ベーベが、ポーリーが……皆が明るい笑顔で、おそろいの制服を着て、お客の注文を聞き、品物を渡したり料理を運んだりして、この店で働いている姿が。
第二章 商会設立
ルートが工房を建てた翌日。
「こりゃあ、たまげたな……ルートの規格外には慣れたつもりだったが……」
新しい工房を初めて見にきたボーグ工房の三人、ボーグ、弟子のマリクとカミルは、呆気にとられて、広い敷地に建った堂々たるレンガ造りの建物を見上げていた。
「手前が木工の工房で、向こうの倉庫側が鍛冶の工房です。中はまだこれから作るんですが、広さ的にはどうでしょうか?」
ルートの問いにボーグは大きく頷いて、笑顔を見せた。
「ああ、十分すぎるだろう。これなら、職人が二十人どころか、三十人入っても余裕だぞ」
「いやあ、すごいね。それに地面のこれはなんだ? 土だよな」
カミルが興奮気味に尋ねる。
「ああ、はい。地面の土に粘土と水を混ぜて、表面から十センチほどの深さを《火魔法》で焼いて固めました。レンガほど硬くはないですが、これなら床が濡れてもぬかるみませんし、『魔導式蒸気自動馬車』の重みでもへこまないと思います」
「ほんと、よく気が回るよな。早くこの工房を使いたい。なんか腕がムズムズしてきたっ」
マリクも感心しきりだ。
「ああ、すぐにでも作業に取りかかりたい気分だ。ルート、早く中を作るぞ」
「あ、はい、お願いします」
やる気をみなぎらせた三人を伴って、ルートは建物の中に入っていく。
ボーグたちの要望を聞きながら、《土魔法》で炉や水桶、吊り下げ用の滑車などを作り終えたルートは、昼前にボーグたちと別れて、商業ギルドへ向かった。
ボーグたちはこのあと、街の工房から、道具類を運び込むらしい。
魔石や鉱石類は新しい職人が決まってから移動させるとのことだ。
ルートが商業ギルドへ向かったのは、その新しい職人たちを面接して選ぶためだった。
実は一か月前から、新しい工房で働いてくれる職人を募集していたのだ。
ボーグの知り合いを頼ったり、ギルマスのベンソンが肩入れしてくれたりしたこともあって、新しく開く工房で働きたいという希望者は、予想をはるかに上回る数に上っていた。
商業ギルドに着いてみると、午後からの面接にもかかわらず、すでにロビーにはたくさんの職人たちが集まり、ざわめいていた。
「あ、ルート君、ちょっと来てもらえる?」
受付のリディアが、ルートの姿を見つけて、小さな声で手招きする。
「こんにちは、リディアさん。すごく混んでますね」
「もう、他人事みたいに……皆面接を受けにきた職人たちよ」
「えっ、こんなに? ざっと五十人はいますよ」
リディアはため息を吐いて、困ったように額を指で押さえた。
「そう、これからまだ増えるわよ。予定じゃ一人ずつの面接だったわよね?」
「は、はい、そのつもりでしたが……」
「無理ね。集団面接にするか、二日に分けるかしないと終わらないわ」
ルートもリディアの意見に頷いて、しばらく考え込んだ。
「分かりました。十人ずつの集団面接にします。部屋を用意してもらえますか?」
「了解よ。三階の広い会議室に場所を変更するわ」
リディアはにっこり微笑んで頷くと、早速案内板の書き換えや、ロビーにいる面接希望者への説明に取りかかった。
ルートは三階に上がり、会議室に入る。その直後、若い女性職員が部屋に入ってきた。
「ブロワー様、初めまして。アリッサと申します。お手伝いをするように言われて参りました」
「ああ、そうですか、助かります。それじゃあ、メモをする用紙とペン、それから移動できる掲示板があったら、持ってきてもらえますか?」
「はい、承知しました」
職員の女性が出ていくと、ルートはカバンから自分で描いた『魔導式蒸気機関』の大きな色つきイラストを取り出した。そして、十人を一度に面接する方法を思案し始めるのだった。
◇ ◇ ◇
面接を受けにきた職人たちは、はるばる遠くの国から来た者や、近郊の村々から来た者など様々だった。ルートは、まず受付に頼んで、鍛冶と木工のグループに分け、それぞれのグループからランダムに十人選んで部屋に入れてもらうようにした。面接の冒頭では、これが全く新しい製品の製造と組み立てであり、今後、成功するか失敗するかの予測ができないことを告げた。そのうえで、労働時間、給料などの労働条件をひととおり説明した。この時点で、不満や不安がある者は帰るように促す。残った者たちには、イラストを見せながら次のような質問をして自由に議論させ、一人一人に意見を言わせるようにルートは司会進行に徹したのだった。
《鍛冶職人への質問》
一、『魔導式蒸気機関』が動く仕組みを理解できるか。
二、同じ規格の車輪や、その他の部品を正確に早く作るためにはどうすればいいか。
また、それに適した材質はなにか。
三、馬車の揺れを少なくするためのアイデアはあるか。
《木工職人への質問》
一、『魔導式蒸気機関』が動く仕組みを理解できるか。
二、動力が馬五頭分だとして、馬車の本体は何人乗りくらいが適当か。
三、馬車本体に適した材質と馬車の揺れを少なくするためのアイデア。
結果として、ルートのやり方は大成功だった。議論は大いに盛り上がり、白熱し、ルートも知らなかった知識やアイデアがどんどん出てきて、様子を見にきたギルドマスターのベンソンもドランも感心しきりだった。そして、ルートは悩んだ末、鍛冶職人十二人、木工職人十二人の計二十四人を採用することに決定した。彼らには、新しい工房の場所と工房長となるボーグの仕事場を書いた紙を渡しておいた。そして、正式な招集日を五日後とし、そのとき紙に名前を書いて持参するように言ったのだった。
◇ ◇ ◇
「これで、準備は整ったな」
面接を終えたルートは、ため息を吐きながら会議室を出る。すると、通路の先にベンソンが立って待っていた。
「あ、ベンソンさん。今日はわざわざありがとうございました。おかげ様でなんとか始動できそうです」
「うむ。しかし、見事な面接だったな。今後の参考にさせてもらおう。そうだ、商会の正式名称は決まったのか? 商品を売るには必要だぞ。決まったらリディアに言って、ギルドに正式登録してくれよ」
「なるほど……商会名か。うっかりしてました。なるべく早く決めて登録します」
ベンソンは小さく頷くと、執務室へ去っていった。
(よし、これであとはジークたちの報告とコルテスからの資源を待つだけだ)
まだ、実際の商品を売り出すのは先のことだが、次第に形になっていく自分の夢を思い、ルートは熱いものが込み上げてくるのを感じるのだった。
ジークとリーナが『ゴムの木』と『コーヒーの木』を探している間、ルートも別の素材の輸入先を確保するため、行動する。ポルージャの冒険者ギルドを通して、コルテスの冒険者ギルドのマスター、ゲインズに連絡してもらった。そして、『毒沼のダンジョン』から、黄鉄鉱とチタン結晶をできるだけ大量に採掘して持ってきてもらうクエストの依頼を出した。
『毒沼のダンジョン』はかつて、ルートたちが最下層までたどり着き、たくさんの鉱石や宝石を発見したダンジョンだ。
黄鉄鉱は主にタイヤゴムに必要な硫黄の原料として、チタンは鉄と《合成》して『魔導式蒸気自動馬車』のホイールや骨組みに使うために必要だった。
買取価格は輸送費込みで、黄鉄鉱一キログラムあたり三〇〇ベニー、チタン結晶は一キログラムあたり八〇〇ベニーとした。
金属の《合成》はルート自身がやるので、その分浮いたお金を価格に上乗せした。一般の鉱山から出る鉱石の価格と比べると破格の値段だ。
冒険者たちは競って鉱石を運んでくるに違いない。
(あ、そうだ、クラウスに連絡して、十階層まで安全に冒険者を導くように言っておかないと。う~ん、ジークたちはまだ帰ってこないしな……僕が行か……ん、待てよ)
ルートはふと横で、さかんに可愛い声でさえずっている従魔、カラドリオスのシルフィーに目を向けた。
ちなみにクラウスは、『毒沼のダンジョン』を守っているガーディアンだ。
シルフィーは初めて出会ったときから少し大きくなり、可愛らしさも残しつつ、精悍な姿に成長した。常にルートの後ろをついて歩く姿は、ポルージャの街の人々にもすっかりお馴染みとなり、アイドル的存在になっている。
「シルフィー、ジークとリーナに手紙を届けることはできるかい?」
ルートは、現在西の果てのリンドバル辺境伯領に向かっているはずの二人に、帰りに『毒沼のダンジョン』に立ち寄ってもらい、クラウスへの指示を伝えてもらおうと思ったのだ。
ルートの言葉を聞いたシルフィーは、ちょこんと首を傾げてじっとルートを見つめていたが、やがて首をまっすぐにして、『大丈夫だよ』というように「ピーッ」と一声鳴いた。
「よし、じゃあ今からメモを書いて、お前の足につけるからね」
ルートはそう言うと、常備しているメモ用の紙に鉛筆で指示を書き、ナイフで親指を傷つけ、血判を押した。クラウスが万が一、ジークたちの言葉に従わないときのためだ。
そのあと、雑貨屋で真鍮製のフックを買い、それを魔法で成型して、メモ紙入れの筒がついた足環を作った。
「これを曲げて……よし、こんなもんかな。帰ったらまた手直しするからね。じゃあ、ジークたちに届けてくれ、頼むよ」
「ピー!」
シルフィーは任せろと言わんばかりに、一声鳴くと、優雅に白い羽を伸ばして飛び立っていった。
「よし、次は工房建設だ」
シルフィーが西の方角へ飛び去っていくのを確認したあと、ルートは街の北のほうへ歩き出した。
◇ ◇ ◇
「さてと、じゃあまずはこの倉庫を取り壊して、整地するか」
ルートは川の近くの広い空き地に建つ、倉庫の前に立っていた。
リディアに案内され、街はずれの川沿いの石造りの二階建ての建物と、その上流にある倉庫を購入したとき、ルートは倉庫のほうを工房にすると決めていた。
もう一方の建物は、作った商品を売るための店にするのだ。
空き地の片隅には、昨日ボーグの工房で《合成》し、運送屋に運んでもらっていた合成石材の分厚い板や四角いブロックが積み上げられていた。この合成石材は、川底から集めた大量の砂利と、鉄くず、そして街外れの草原で採取した土を《合成》で一つにし、《火魔法》で焼き固めたものだ。
(まず、鉄分だけを《抽出》っと……)
スキル《抽出》を倉庫全体にかける。すると、倉庫は屋根から下へ向かって、まるで霧のように消えていき、同時に、ルートの足下には銀色に輝く鉄の粒が積み上がっていった。
倉庫があった場所には、鉄以外の物質が高く積み上がっている。
(とりあえず、こいつは鉄の延べ板にしておくか)
今度は《合成》のスキルで、足下に積み上がった鉄の粒を何枚かの鉄の板にしていく。
銀と見まがうかのような、輝く純鉄の延べ板が八枚できた。
このままでは、硬いがもろくて使えないので、必要なときに職人に焼き入れをしてもらって使うことにする。
「今度は整地だな。《土魔法》でちゃちゃっといきますか」
ルートはいったん敷地の土を三十センチの深さで掘り起こした。そして、今度は頭の中で、テニスのクレーコートを思い浮かべ、魔力を放出した。
もし、その様子を見ていた者がいたら、きっと驚き腰を抜かしただろう。
たった今まで、雑草が生い茂り、錆びた鉄骨の倉庫が建っていた場所が、ものの二十分も経たないうちに、真っ平らで硬い土でできた広々とした空き地になってしまったのだから。
「うん、上等、上等。さてと、続きは夜やろう。流石に、建物をあっという間に作るのを見られたらまずいからな」
ルートはいったん家に帰って、夕食を食べてから出直そうと、歩きかけて止まった。
「ああ、この鉄の延べ板、どうしようか? ここに置いておいたら、誰かが持っていく可能性があるな。こういうときは……《収納》!」
すると、鉄の延べ板がたちまちルートの持っていたカバンの中に消えてしまった。
「いや~、やっぱり《収納》の魔法は便利だな。これで安心っと」
◇ ◇ ◇
「じゃあ、母さん行くわね。夕飯ちゃんと食べるのよ」
「行ってらっしゃい」
家に帰ってきたルートは、夕方、仕事に出ていく母親を見送りながら黒パンを食べていた。
すると、不意に頭の中にあるイメージが飛び込んでくる。シルフィーがなにか訴えている映像だ。
そして、足下にはいつの間にか、スライムのリムとラムが来ていて、ルートの足下にぴったりとくっついている。リムはルートが森の中で見つけ、《テイム》し、従魔にしたスライムだ。
さらに、リムがもう一匹スライムを連れてきたので、新入りのスライムはラムと名づけた。
「ああ、リムとラムか。シルフィーが戻ってきたんだね?」
二匹のスライムははピョンピョンと二回跳ねる。肯定の合図だ。
リムもラムはレベルが5になった時点で、イメージをルートに伝えられるようになっていた。
言葉で伝えることはできないが、映像で伝えるのである。
ルートは急いでドアの外に出て、夕闇が覆い始めた空を見上げる。すると、屋根の端から真っ白な鳥が、優雅に羽を広げてゆっくりと舞い降りてきた。
「おかえり、シルフィー。ご苦労さん」
シルフィーにねぎらいの言葉をかけ、優しく撫でてやると、気持ちよさそうにさえずりながらルートの顔に体をすり寄せてきた。
足環につけられたメモ紙入れの蓋を開けると、中に返事のメモが入っていた。
ルートへ
びっくりしたよ、シルフィーが飛んでくるなんて。リーナは大喜びしている。
指示については、了解した。今からコルテスの街に向かう。帰るのは三日後だ。
ジーク
ルートはメモをポケットにしまうと、部屋に帰ってシルフィーとリム、ラムに餌を与える。
「じゃあ、皆で留守番をよろしくね。行ってくるよ」
ルートはそう言うと、カバンを肩に斜めにかけて、外へ出ていった。
夕食もすんだことだし、今夜のうちに工房と商品を売る店を建てようと、張り切って空き地に向かう。
◇ ◇ ◇
すっかり暗くなった空の下、昼間きれいに整地した空き地に立って、ルートは図面に描いて何度も見直した工房の設計図を思い浮かべる。
(まず基礎の部分は二メートル掘り下げて、合成石材で固める。柱の土台を周囲に十六個と、内側に四つ……よし、いくぞ)
ゆっくりと手を動かしながら、慎重に基礎の部分の土を取り除き、邪魔にならないところに積み上げていく。
次に掘り下げた大きな長方形の穴に、空き地の隅に置いてある石材の板を敷き詰め、柱の土台として作った、真ん中に丸い穴の開いた一辺が五十センチのブロックを置いていく。
そのつなぎ目を魔法できれいにくっつけると、基礎部分の完成だ。
「ふう……やっぱり物体の移動は魔力を使うなぁ。大きさや重さは関係ないみたいだけど……」
マジックポーションを飲み、休憩しながら、ルートはつぶやいた。
魔力をポーションで回復しつつ、ルートの作業は続く。
掘り起こした土と、昼間倉庫を解体したときにできた鉄以外の成分の砂を《合成》して、二十センチメートル×三十センチメートルの直方体のブロックを大量に作り、それを《火魔法》で焼き固める。
そして、そのレンガを壁になる部分に積み上げていく。
石材の余りから、《抽出》で石灰を取り出し、水と砂と《合成》して即席の生コンクリートを作り、レンガ同士はそれでつないでいった。
柱の部分は、土台の穴に鉄のパイプを差し込み、合成石材のブロックの中心に穴を開け、次々に鉄の棒に通して積み上げた。つなぎ目は《合成》をかけてならしていく。
屋根の部分は、まずは鉄で骨組みを作り、平らに石材の板を敷き詰め、レンガで作った煙突を三本立てた。こうして、二時間ほどで、工房の外側の部分は完成した。同じ要領で、工房の横にさらにもう一つ工房を作る。木を加工する木工用と、鍛冶用の二つの工房を作ったのだ。
さらに資材を置くための倉庫も作る。
「工房の内装は職人さんたちの意見を聞きながら、少しずつ作るとしよう。次は、店のほうだな」
休む間もなく、ルートは川沿いを歩いて、購入したもう一つの物件へと向かう。
到着して、改めて石造りの建物を確認すると、大部分は今のまま使えそうだった。
しかし、ルートはどうしても、前世で食べ慣れた料理を出せるレストランを作りたかった。
建物は店舗兼事務所になっていて、二階が事務所だったので、そこをなくし、一階の奥の部分を壁で仕切って事務所を置くことにした。
こうすれば、一階は色々な商品を売る店舗、階段を上って、二階は広々としたレストランにすることができる。とりあえず、内部を《風魔法》と《水魔法》できれいに清掃する。
そのあと、二階に残っていた机や椅子、本棚などを一階に移動させ、壁や天井の傷んだ部分を魔法で修復していった。
さらに外の敷地をきれいに整地したあと、カバンに《収納》してあった余りの石材の板を取り出す。それを外の土と《合成》して火で焼き固め、新たな壁用のボードを作る。
そのボードで、建物内の一階の奥、トイレや裏口がある十坪ほどのスペースを囲んで仕切った。
ドアをつけ、入り口を作ったら、事務所の完成だ。
「よし、ここまでできれば、あとは細かい作業だけだ。ふう、流石に疲れた……」
ルートは背伸びをして、大きくため息を吐くと、輝く星に覆われた夜空を見上げる。
疲れてはいたが、それ以上に充実感がルートを満たしていた。
まだまだ、志半ばだが、ルートには確かな未来が見えていた。
母親のミーシャが、娼婦のマーベルが、ベーベが、ポーリーが……皆が明るい笑顔で、おそろいの制服を着て、お客の注文を聞き、品物を渡したり料理を運んだりして、この店で働いている姿が。
第二章 商会設立
ルートが工房を建てた翌日。
「こりゃあ、たまげたな……ルートの規格外には慣れたつもりだったが……」
新しい工房を初めて見にきたボーグ工房の三人、ボーグ、弟子のマリクとカミルは、呆気にとられて、広い敷地に建った堂々たるレンガ造りの建物を見上げていた。
「手前が木工の工房で、向こうの倉庫側が鍛冶の工房です。中はまだこれから作るんですが、広さ的にはどうでしょうか?」
ルートの問いにボーグは大きく頷いて、笑顔を見せた。
「ああ、十分すぎるだろう。これなら、職人が二十人どころか、三十人入っても余裕だぞ」
「いやあ、すごいね。それに地面のこれはなんだ? 土だよな」
カミルが興奮気味に尋ねる。
「ああ、はい。地面の土に粘土と水を混ぜて、表面から十センチほどの深さを《火魔法》で焼いて固めました。レンガほど硬くはないですが、これなら床が濡れてもぬかるみませんし、『魔導式蒸気自動馬車』の重みでもへこまないと思います」
「ほんと、よく気が回るよな。早くこの工房を使いたい。なんか腕がムズムズしてきたっ」
マリクも感心しきりだ。
「ああ、すぐにでも作業に取りかかりたい気分だ。ルート、早く中を作るぞ」
「あ、はい、お願いします」
やる気をみなぎらせた三人を伴って、ルートは建物の中に入っていく。
ボーグたちの要望を聞きながら、《土魔法》で炉や水桶、吊り下げ用の滑車などを作り終えたルートは、昼前にボーグたちと別れて、商業ギルドへ向かった。
ボーグたちはこのあと、街の工房から、道具類を運び込むらしい。
魔石や鉱石類は新しい職人が決まってから移動させるとのことだ。
ルートが商業ギルドへ向かったのは、その新しい職人たちを面接して選ぶためだった。
実は一か月前から、新しい工房で働いてくれる職人を募集していたのだ。
ボーグの知り合いを頼ったり、ギルマスのベンソンが肩入れしてくれたりしたこともあって、新しく開く工房で働きたいという希望者は、予想をはるかに上回る数に上っていた。
商業ギルドに着いてみると、午後からの面接にもかかわらず、すでにロビーにはたくさんの職人たちが集まり、ざわめいていた。
「あ、ルート君、ちょっと来てもらえる?」
受付のリディアが、ルートの姿を見つけて、小さな声で手招きする。
「こんにちは、リディアさん。すごく混んでますね」
「もう、他人事みたいに……皆面接を受けにきた職人たちよ」
「えっ、こんなに? ざっと五十人はいますよ」
リディアはため息を吐いて、困ったように額を指で押さえた。
「そう、これからまだ増えるわよ。予定じゃ一人ずつの面接だったわよね?」
「は、はい、そのつもりでしたが……」
「無理ね。集団面接にするか、二日に分けるかしないと終わらないわ」
ルートもリディアの意見に頷いて、しばらく考え込んだ。
「分かりました。十人ずつの集団面接にします。部屋を用意してもらえますか?」
「了解よ。三階の広い会議室に場所を変更するわ」
リディアはにっこり微笑んで頷くと、早速案内板の書き換えや、ロビーにいる面接希望者への説明に取りかかった。
ルートは三階に上がり、会議室に入る。その直後、若い女性職員が部屋に入ってきた。
「ブロワー様、初めまして。アリッサと申します。お手伝いをするように言われて参りました」
「ああ、そうですか、助かります。それじゃあ、メモをする用紙とペン、それから移動できる掲示板があったら、持ってきてもらえますか?」
「はい、承知しました」
職員の女性が出ていくと、ルートはカバンから自分で描いた『魔導式蒸気機関』の大きな色つきイラストを取り出した。そして、十人を一度に面接する方法を思案し始めるのだった。
◇ ◇ ◇
面接を受けにきた職人たちは、はるばる遠くの国から来た者や、近郊の村々から来た者など様々だった。ルートは、まず受付に頼んで、鍛冶と木工のグループに分け、それぞれのグループからランダムに十人選んで部屋に入れてもらうようにした。面接の冒頭では、これが全く新しい製品の製造と組み立てであり、今後、成功するか失敗するかの予測ができないことを告げた。そのうえで、労働時間、給料などの労働条件をひととおり説明した。この時点で、不満や不安がある者は帰るように促す。残った者たちには、イラストを見せながら次のような質問をして自由に議論させ、一人一人に意見を言わせるようにルートは司会進行に徹したのだった。
《鍛冶職人への質問》
一、『魔導式蒸気機関』が動く仕組みを理解できるか。
二、同じ規格の車輪や、その他の部品を正確に早く作るためにはどうすればいいか。
また、それに適した材質はなにか。
三、馬車の揺れを少なくするためのアイデアはあるか。
《木工職人への質問》
一、『魔導式蒸気機関』が動く仕組みを理解できるか。
二、動力が馬五頭分だとして、馬車の本体は何人乗りくらいが適当か。
三、馬車本体に適した材質と馬車の揺れを少なくするためのアイデア。
結果として、ルートのやり方は大成功だった。議論は大いに盛り上がり、白熱し、ルートも知らなかった知識やアイデアがどんどん出てきて、様子を見にきたギルドマスターのベンソンもドランも感心しきりだった。そして、ルートは悩んだ末、鍛冶職人十二人、木工職人十二人の計二十四人を採用することに決定した。彼らには、新しい工房の場所と工房長となるボーグの仕事場を書いた紙を渡しておいた。そして、正式な招集日を五日後とし、そのとき紙に名前を書いて持参するように言ったのだった。
◇ ◇ ◇
「これで、準備は整ったな」
面接を終えたルートは、ため息を吐きながら会議室を出る。すると、通路の先にベンソンが立って待っていた。
「あ、ベンソンさん。今日はわざわざありがとうございました。おかげ様でなんとか始動できそうです」
「うむ。しかし、見事な面接だったな。今後の参考にさせてもらおう。そうだ、商会の正式名称は決まったのか? 商品を売るには必要だぞ。決まったらリディアに言って、ギルドに正式登録してくれよ」
「なるほど……商会名か。うっかりしてました。なるべく早く決めて登録します」
ベンソンは小さく頷くと、執務室へ去っていった。
(よし、これであとはジークたちの報告とコルテスからの資源を待つだけだ)
まだ、実際の商品を売り出すのは先のことだが、次第に形になっていく自分の夢を思い、ルートは熱いものが込み上げてくるのを感じるのだった。
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