13 / 184
第五章 雅也の想い
葉月の身を案ずる冨樫
しおりを挟む
そんなこととは知らない葉月は、まずアパートを探した。
葉月は毎日泣いていた。
こんなにも冨樫に惹かれていた自分は想像以上だった。
でも、冨樫さんは私のために、人の道を外れてしまう。
そんな目には合わせられない。
私が我慢しなくちゃ……
葉月は近くのコンビニでアルバイトをはじめた。
ヤスシは冨樫に報告を入れた。
「若頭、葉月さんはコンビニでアルバイトを始めました」
「そうか、お前、葉月に見つからないようにしろよ」
「わかりました」
冨樫も葉月の働いているコンビニに足を運ぶ。
ヤスシに見つからないようにと忠告した本人が、まさかの店の中まで入ってしまった。
冨樫は長身でスタイル抜群だ。
黒のスーツをパリッと着こなし、カッコいい。
冨樫本人は控えめのつもりだが、どこからどう見ても極道者だ。
「若頭、店の中まで入っちゃったよ、もうバレバレじゃん」
ヤスシがため息をつく。
案の定、ほかの店員が冨樫に気づく。
「葉月ちゃん、雑誌コーナーにいる人、ヤクザだよね、気をつけてね」
葉月は雑誌コーナーに目を向けると、驚きを隠せなかった。
そこに立っていたのは紛れもない冨樫の姿だった。
冨樫さん、カッコいい。
いやいや、見惚れてる場合じゃない、偶然?
でも一人?
ヤスシさんは一緒じゃないの?
そして、外に目を向けると、道を挟んだ場所の看板の影にヤスシの姿があった。
えっ、ヤスシさんが冨樫さんを見張ってるんだ。
葉月は自分が見張られているとは思いもしなかった。
冨樫はチラッと葉月に目を向けた。
と、その時葉月と目が合ってしまった。
やべえ、見つかった。
それはそうだろう、誰がどう見てもバレバレだ。
冨樫は雑誌を一冊手に取ってレジに向かった。
「いらっしゃいませ、袋はどうなさいますか」
「ああ、くれ」
冨樫は葉月に声をかけた。
「元気か、困っていることはないか」
「ありがとうございます、大丈夫です、それより、ヤスシさんが見張ってますよ」
「えっ」
冨樫は二人して葉月にバレバレなことにおかしくなって、ふふっと笑った。
それから、冨樫は毎日のようにコンビニに足を運んだ。
「飯食ってるか、高いところに登るなよ、危ないからな」
まるで小さい子供のように冨樫は葉月を心配して、声をかけた。
冨樫さん、親みたいなんだから……
これじゃ、冨樫さんから離れた意味ないな。
そう思いながらも、毎日冨樫に会える喜びを感じていた葉月だった。
そんなある日、冨樫は冨樫組傘下の本山組のお嬢との見合いの話が持ち上がった。
冨樫は断りを入れたのだが、組長の顔を立てるため、会うだけ会うことになった。
本山組お嬢、本山麗美。
いつものように冨樫はコンビニにやってきた。
その姿を見つけて、麗美が冨樫に声をかけた。
「雅也さん、こんなところでお会い出来て嬉しい」
麗美は冨樫を偉く気に入ったのだ。
葉月は毎日泣いていた。
こんなにも冨樫に惹かれていた自分は想像以上だった。
でも、冨樫さんは私のために、人の道を外れてしまう。
そんな目には合わせられない。
私が我慢しなくちゃ……
葉月は近くのコンビニでアルバイトをはじめた。
ヤスシは冨樫に報告を入れた。
「若頭、葉月さんはコンビニでアルバイトを始めました」
「そうか、お前、葉月に見つからないようにしろよ」
「わかりました」
冨樫も葉月の働いているコンビニに足を運ぶ。
ヤスシに見つからないようにと忠告した本人が、まさかの店の中まで入ってしまった。
冨樫は長身でスタイル抜群だ。
黒のスーツをパリッと着こなし、カッコいい。
冨樫本人は控えめのつもりだが、どこからどう見ても極道者だ。
「若頭、店の中まで入っちゃったよ、もうバレバレじゃん」
ヤスシがため息をつく。
案の定、ほかの店員が冨樫に気づく。
「葉月ちゃん、雑誌コーナーにいる人、ヤクザだよね、気をつけてね」
葉月は雑誌コーナーに目を向けると、驚きを隠せなかった。
そこに立っていたのは紛れもない冨樫の姿だった。
冨樫さん、カッコいい。
いやいや、見惚れてる場合じゃない、偶然?
でも一人?
ヤスシさんは一緒じゃないの?
そして、外に目を向けると、道を挟んだ場所の看板の影にヤスシの姿があった。
えっ、ヤスシさんが冨樫さんを見張ってるんだ。
葉月は自分が見張られているとは思いもしなかった。
冨樫はチラッと葉月に目を向けた。
と、その時葉月と目が合ってしまった。
やべえ、見つかった。
それはそうだろう、誰がどう見てもバレバレだ。
冨樫は雑誌を一冊手に取ってレジに向かった。
「いらっしゃいませ、袋はどうなさいますか」
「ああ、くれ」
冨樫は葉月に声をかけた。
「元気か、困っていることはないか」
「ありがとうございます、大丈夫です、それより、ヤスシさんが見張ってますよ」
「えっ」
冨樫は二人して葉月にバレバレなことにおかしくなって、ふふっと笑った。
それから、冨樫は毎日のようにコンビニに足を運んだ。
「飯食ってるか、高いところに登るなよ、危ないからな」
まるで小さい子供のように冨樫は葉月を心配して、声をかけた。
冨樫さん、親みたいなんだから……
これじゃ、冨樫さんから離れた意味ないな。
そう思いながらも、毎日冨樫に会える喜びを感じていた葉月だった。
そんなある日、冨樫は冨樫組傘下の本山組のお嬢との見合いの話が持ち上がった。
冨樫は断りを入れたのだが、組長の顔を立てるため、会うだけ会うことになった。
本山組お嬢、本山麗美。
いつものように冨樫はコンビニにやってきた。
その姿を見つけて、麗美が冨樫に声をかけた。
「雅也さん、こんなところでお会い出来て嬉しい」
麗美は冨樫を偉く気に入ったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
日下奈緒
恋愛
仕事の契約を打ち切られ、年末をあと1か月残して就職活動に入ったつむぎ。ある日街で車に轢かれそうになるところを助けて貰ったのだが、突然週末婚を持ち出され……
【完結】東京・金沢 恋慕情 ~サレ妻は御曹司に愛されて~
安里海
恋愛
佐藤沙羅(35歳)は結婚して13年になる専業主婦。
愛する夫の政志(38歳)と、12歳になる可愛い娘の美幸、家族3人で、小さな幸せを積み上げていく暮らしを専業主婦である紗羅は大切にしていた。
その幸せが来訪者に寄って壊される。
夫の政志が不倫をしていたのだ。
不安を持ちながら、自分の道を沙羅は歩み出す。
里帰りの最中、高校時代に付き合って居た高良慶太(35歳)と偶然再会する。再燃する恋心を止められず、沙羅は慶太と結ばれる。
バツイチになった沙羅とTAKARAグループの後継ぎの慶太の恋の行方は?
表紙は、自作です。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる