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第四章 葉月の真実
冨樫の元を去った葉月
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「そんな顔で俺を見るな、お前を監禁したくなる」
葉月は目を逸らせた。
俺はこの夜は別の部屋で眠った。
葉月を抱きしめていると、また無理矢理抱いてしまいそうになる。
次の日の朝、葉月は荷物をまとめていた。
冨樫は何も言わずに黙っていた。
葉月、お前を自由にしてやる、でも俺はお前を諦められない。
冨樫さん、私は冨樫さんが好き、あなたの側にずっといたい、そしてあなたと一つになりたい、でも私はあなたに相応しくない女です。
だから……
葉月は荷物を持ってドアに向かった。
インターホンが鳴って、ヤスシが入ってきた。
「おはようございます」
ヤスシは葉月の様子にすぐに状況を把握した。
「葉月さん、どこへ行くんですか」
「ヤスシさん、いろいろありがとうございました、私は冨樫さんには相応しくない女です、ご迷惑ばかりおかけしてすみませんでした」
「何を言ってるんですか」
葉月はドアノブに手をかけた。
「若頭、葉月さんを止めてください」
「ヤスシ、いいだ」
「よくありません」
ヤスシは慌てて葉月の腕を掴んだ。
「葉月さん、葉月さんがここを出ていったら、若頭はまた元に戻ってしまいます」
「ヤスシ、大丈夫だ、葉月のしたいようにさせてやってくれ」
ヤスシは二人を見比べて、狼狽えていた。
ガチャっとドアが閉まる音がして、葉月はドアの向こうに消えた。
がっくりと項垂れているヤスシを冨樫が手招いた。
「ヤスシ、葉月に気づかれないように後を追え、今晩はホテルに泊まるだろう、
そのあと、アパートを探すだろうから、葉月にピッタリと張り付いて逐一報告しろ」
「若頭、葉月さんを諦めたんじゃないんですね」
「バーカ、あたりめえだろう」
俺は葉月を解放してした。
しかし、諦めたんじゃねえ、葉月は自分を卑下して俺の前から姿を消そうとしている。
今、無理矢理止まらせても、逆効果と睨んだ。
山辺はまだ入院中だ、でも、葉月を一人にさせるわけにはいかねえ。
冨樫はヤスシに葉月を見張らせた。
困っていることがあったら、密かに助けようと考えていた。
葉月は目を逸らせた。
俺はこの夜は別の部屋で眠った。
葉月を抱きしめていると、また無理矢理抱いてしまいそうになる。
次の日の朝、葉月は荷物をまとめていた。
冨樫は何も言わずに黙っていた。
葉月、お前を自由にしてやる、でも俺はお前を諦められない。
冨樫さん、私は冨樫さんが好き、あなたの側にずっといたい、そしてあなたと一つになりたい、でも私はあなたに相応しくない女です。
だから……
葉月は荷物を持ってドアに向かった。
インターホンが鳴って、ヤスシが入ってきた。
「おはようございます」
ヤスシは葉月の様子にすぐに状況を把握した。
「葉月さん、どこへ行くんですか」
「ヤスシさん、いろいろありがとうございました、私は冨樫さんには相応しくない女です、ご迷惑ばかりおかけしてすみませんでした」
「何を言ってるんですか」
葉月はドアノブに手をかけた。
「若頭、葉月さんを止めてください」
「ヤスシ、いいだ」
「よくありません」
ヤスシは慌てて葉月の腕を掴んだ。
「葉月さん、葉月さんがここを出ていったら、若頭はまた元に戻ってしまいます」
「ヤスシ、大丈夫だ、葉月のしたいようにさせてやってくれ」
ヤスシは二人を見比べて、狼狽えていた。
ガチャっとドアが閉まる音がして、葉月はドアの向こうに消えた。
がっくりと項垂れているヤスシを冨樫が手招いた。
「ヤスシ、葉月に気づかれないように後を追え、今晩はホテルに泊まるだろう、
そのあと、アパートを探すだろうから、葉月にピッタリと張り付いて逐一報告しろ」
「若頭、葉月さんを諦めたんじゃないんですね」
「バーカ、あたりめえだろう」
俺は葉月を解放してした。
しかし、諦めたんじゃねえ、葉月は自分を卑下して俺の前から姿を消そうとしている。
今、無理矢理止まらせても、逆効果と睨んだ。
山辺はまだ入院中だ、でも、葉月を一人にさせるわけにはいかねえ。
冨樫はヤスシに葉月を見張らせた。
困っていることがあったら、密かに助けようと考えていた。
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