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三年の月日が二人を変える
凌はあゆみに惹かれ始める
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ヒカルに聞いてみた。
「おい、あゆみさんは三年前に初めて来店した時、俺を指名してくれたと言っていたが、それを含めて、その辺りの記憶がないが、お前知ってるか」
ヒカルはずっと、俺が聞いてこなかったことで、過去のことは封印していた。
あゆみのこと、ヒカルの下で働いていること、もちろん病気のことも……
凌の記憶障害は繰り返される。
三年前に、あゆみから聞いていた。
何度説明しても、記憶障害が起これば、記憶はリセットされる。
不思議なことに、全てを忘れてしまうわけではない。
必ず、あゆみと知り合う前に戻るのである。
だから、ヒカルのことも客のことも覚えている。
あゆみと知り合う前はこの店は凌がオーナーだった。
ヒカルは現在自分がオーナーだと言うことは説明して、凌もそれは納得したようだった。
あゆみは、ヒカルに、凌と自分の関係は説明しないでと言っていたのだ。
だから、子供を流産した時、凌と離婚した。
二人の関係をリセットしたのだ。
凌を忘れようとしたが、忘れられるわけがない。
だから加々美社長とも仕事以外の関わりは持たないようにしている。
「俺は何も知りません、確かに三年前あゆみさんは初めて来店して頂きましたが、
それを麻生さんが覚えていないことは、そんなに気にしなくていいと思います、
俺だって、全てのお客さんを覚えているわけではないですよ」
俺はヒカルの言うことに納得がいかなかった。
こんなにも気になる女のことを、なぜ覚えていないのか。
でも、あゆみは客の一人。
しかも、元旦那を今でも愛してる。
その健気さにも凌は惹かれ始めていた。
この気持ちも記憶障害が発症すれば、全てリセットされてしまう。
凌はそのこともわからないのである。
また、最近手の震えが頻繁に起こるようになった。
マンションに戻ると、寝る前に必ずと言っていいほど、手の震えが起きる。
手の震えと頭痛にもがき苦しむ生活も、凌の中では当たり前になって行った。
そんな時、凌は店が休みの時、あゆみのアパートへ向かっていた。
偶然にもあゆみも店は定休日だった。
凌があゆみのアパートの前にやってくると、あゆみも買い物に出ようとアパートから出てきた。
あゆみはアパートの階段を降りると、凌の姿を目視する。
「麻生さん」
「おい、あゆみさんは三年前に初めて来店した時、俺を指名してくれたと言っていたが、それを含めて、その辺りの記憶がないが、お前知ってるか」
ヒカルはずっと、俺が聞いてこなかったことで、過去のことは封印していた。
あゆみのこと、ヒカルの下で働いていること、もちろん病気のことも……
凌の記憶障害は繰り返される。
三年前に、あゆみから聞いていた。
何度説明しても、記憶障害が起これば、記憶はリセットされる。
不思議なことに、全てを忘れてしまうわけではない。
必ず、あゆみと知り合う前に戻るのである。
だから、ヒカルのことも客のことも覚えている。
あゆみと知り合う前はこの店は凌がオーナーだった。
ヒカルは現在自分がオーナーだと言うことは説明して、凌もそれは納得したようだった。
あゆみは、ヒカルに、凌と自分の関係は説明しないでと言っていたのだ。
だから、子供を流産した時、凌と離婚した。
二人の関係をリセットしたのだ。
凌を忘れようとしたが、忘れられるわけがない。
だから加々美社長とも仕事以外の関わりは持たないようにしている。
「俺は何も知りません、確かに三年前あゆみさんは初めて来店して頂きましたが、
それを麻生さんが覚えていないことは、そんなに気にしなくていいと思います、
俺だって、全てのお客さんを覚えているわけではないですよ」
俺はヒカルの言うことに納得がいかなかった。
こんなにも気になる女のことを、なぜ覚えていないのか。
でも、あゆみは客の一人。
しかも、元旦那を今でも愛してる。
その健気さにも凌は惹かれ始めていた。
この気持ちも記憶障害が発症すれば、全てリセットされてしまう。
凌はそのこともわからないのである。
また、最近手の震えが頻繁に起こるようになった。
マンションに戻ると、寝る前に必ずと言っていいほど、手の震えが起きる。
手の震えと頭痛にもがき苦しむ生活も、凌の中では当たり前になって行った。
そんな時、凌は店が休みの時、あゆみのアパートへ向かっていた。
偶然にもあゆみも店は定休日だった。
凌があゆみのアパートの前にやってくると、あゆみも買い物に出ようとアパートから出てきた。
あゆみはアパートの階段を降りると、凌の姿を目視する。
「麻生さん」
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