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拓真の一途な愛①
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拓真とかすみはマンションへ戻った。
「久しぶりです、嬉しい」
「かすみ、治ったわけじゃないから、注意してね、ずっとベッドの上じゃ気も滅入るだろうって、先生が言ってた、体調の変化があったらすぐに受診してって」
「分かりました」
「だから、しばらく俺も仕事休んだから、二人でのんびりしよう」
「大丈夫なんですか」
「ああ、大丈夫、その分大館が忙しいけどな」
かすみは笑顔で微笑んだ。
こんなにもかすみを愛することになるなんて、思いもしなかった。
あの日、キャバクラでユリエを紹介された時、一目惚れをした。
キャバ嬢にはあり得ないほどの、恥じらいを見せ、はじめてだと言った。
俺は毎日通い指名した。
日に日にユリエは大胆になっていった。
誰にも渡したくないと、俺の独占欲が目覚めた。
まさか、昼間の顔が春日部コーポレーションのOLとは想像もしていなかった。
俺はすぐに親父の元に行った。
「親父、春日部コーポレーションを俺にくれ」
「どうしたんだ、いきなり」
「春日部コーポレーションの社長になり、秘書として側におきたい女がいる」
「ほお、それは外部の人間か」
「いや、総務部の花園かすみだ」
しかし、親父は首を縦に振ろうとはしなかった。
俺に二足のわらじは無理だと……
だが、まもなく親父は病に倒れ、入院した。
俺の思惑通り、俺は春日部コーポレーション社長を就任することになった。
裏の世界とは全く違い、右も左もわからない状況だった。
俺を支えてくれたのは、大館だった。
大館は頼りになる男だ。
裏の世界でも、そして表の世界でも、親父の側で不動の地位を確固たるものにしていた。
「なあ、大館、総務部の花園かすみを俺の秘書にしたい」
「それは……」
「なんか問題あるのか」
「花園が社長の裏の世界を知ることになります、それは出来れば避けたいことです」
拓真はしばらく考えて、言葉を発した。
「問題ない、早速、呼んでくれ」
「社長、では、表向きで構いませんので、今まで前社長秘書だった二人に花園を加えて、
人選する方法をお願いします」
「分かった」
そしてかすみは俺の秘書となった。
昼間は社長秘書花園かすみ、そして、夜は新堂健斗に毎日指名されるキャバ嬢ユリエだ。
俺はかすみと朝も夜も一緒だった。
益々惹かれていった。
かすみなしの人生は考えられなかった。
次に俺が考えたのはかすみを妻として迎え入れる事だった。
しかし、かすみは全く俺の言う事を信じてくれない。
まさか、過去に子宮全摘出手術を受けて、子供を生めない身体だとは思いもしなかった。
しかし、俺にとってそんなことはどうでもよかった。
俺が一緒にいたいのはかすみだ。
かすみはユリエと違って、おしゃれもしない地味なOLだった。
だから、ユリエとのギャップにやられた。
それなのに、徐々にかすみに惹かれている自分に気づき始めたのである。
「久しぶりです、嬉しい」
「かすみ、治ったわけじゃないから、注意してね、ずっとベッドの上じゃ気も滅入るだろうって、先生が言ってた、体調の変化があったらすぐに受診してって」
「分かりました」
「だから、しばらく俺も仕事休んだから、二人でのんびりしよう」
「大丈夫なんですか」
「ああ、大丈夫、その分大館が忙しいけどな」
かすみは笑顔で微笑んだ。
こんなにもかすみを愛することになるなんて、思いもしなかった。
あの日、キャバクラでユリエを紹介された時、一目惚れをした。
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俺は毎日通い指名した。
日に日にユリエは大胆になっていった。
誰にも渡したくないと、俺の独占欲が目覚めた。
まさか、昼間の顔が春日部コーポレーションのOLとは想像もしていなかった。
俺はすぐに親父の元に行った。
「親父、春日部コーポレーションを俺にくれ」
「どうしたんだ、いきなり」
「春日部コーポレーションの社長になり、秘書として側におきたい女がいる」
「ほお、それは外部の人間か」
「いや、総務部の花園かすみだ」
しかし、親父は首を縦に振ろうとはしなかった。
俺に二足のわらじは無理だと……
だが、まもなく親父は病に倒れ、入院した。
俺の思惑通り、俺は春日部コーポレーション社長を就任することになった。
裏の世界とは全く違い、右も左もわからない状況だった。
俺を支えてくれたのは、大館だった。
大館は頼りになる男だ。
裏の世界でも、そして表の世界でも、親父の側で不動の地位を確固たるものにしていた。
「なあ、大館、総務部の花園かすみを俺の秘書にしたい」
「それは……」
「なんか問題あるのか」
「花園が社長の裏の世界を知ることになります、それは出来れば避けたいことです」
拓真はしばらく考えて、言葉を発した。
「問題ない、早速、呼んでくれ」
「社長、では、表向きで構いませんので、今まで前社長秘書だった二人に花園を加えて、
人選する方法をお願いします」
「分かった」
そしてかすみは俺の秘書となった。
昼間は社長秘書花園かすみ、そして、夜は新堂健斗に毎日指名されるキャバ嬢ユリエだ。
俺はかすみと朝も夜も一緒だった。
益々惹かれていった。
かすみなしの人生は考えられなかった。
次に俺が考えたのはかすみを妻として迎え入れる事だった。
しかし、かすみは全く俺の言う事を信じてくれない。
まさか、過去に子宮全摘出手術を受けて、子供を生めない身体だとは思いもしなかった。
しかし、俺にとってそんなことはどうでもよかった。
俺が一緒にいたいのはかすみだ。
かすみはユリエと違って、おしゃれもしない地味なOLだった。
だから、ユリエとのギャップにやられた。
それなのに、徐々にかすみに惹かれている自分に気づき始めたのである。
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