騎士様のアレが気になります!

茜菫

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本編

16-2*

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「っ…は…、ヴィヴィアンヌ…」

 オリヴィエに切な気な声で名を呼ばれ、ヴィヴィアンヌは驚いて体を震わせた。気づかれたのかと慌てて様子を窺うが、オリヴィエの瞼はふせられたままで、彼女を認識していない。

(騎士様…?)

 ヴィヴィアンヌはわからないまま、胸を高鳴らせた。オリヴィエはまさか本人が目の前にいるとも知らず、ヴィヴィアンヌも自分が彼の脳内で抱かれていることなど知らない。

(なんだか、どきどきする…)

 ヴィヴィアンヌは顔を赤くしながら、じっと目を逸らさずに自慰に耽るオリヴィエを見つめていた。眉間にわずかに寄せられた皺と、僅かに荒くなった息遣い、手の動き似合わせて聞こえる淫靡な音。そのどれもがヴィヴィアンヌの胸をざわつかせ、彼女は所在なさげに両手を握りしめて無意識に内股をすり合わせる。

「…う…っ」

 オリヴィエは小さく呻き、掌で自身を包み込むと、腰を震わせその内に射精した。口を半開きにし、少し惚けたような表情を浮かべながら、オリヴィエはもたれかかっていた小屋に目を向ける。一枚の壁を挟んだ先には、先程までヴィヴィアンヌが眠っていたベッドがあった。

(あ…騎士様…)

 普段見たことのない少し気だるげなオリヴィエの様子に、ヴィヴィアンヌの胸は高鳴る。理由もわからないまま、彼女は腿近くのスカートを両手で握りしめた。

「…はぁ」

 一つため息をつくと、オリヴィエは自分の掌を眺める。そこには吐き出された精が、べっとりとまとわりついていた。

(ヴィヴィアンヌの中に…って、駄目だろう、僕!)

 オリヴィエはうっかり、再びヴィヴィアンヌの中に欲を注ぐ妄想をしてしまい、自身がもたげそうになったところで首を横に振った。慌ててオリヴィエは近くに用意してあった、桶にある水で手を清めはじめる。その彼の姿を眺めながら、ヴィヴィアンヌは一歩も動けなかった。

(…今の、何…?)

 ヴィヴィアンヌはオリヴィエのいつもとは違う声音で自分の名を呼ぶ声や、少し惚けた表情や乱れた吐息、最後の手のひらに吐き出された精を思い出す。そのどれもがヴィヴィアンヌが知らないことばかり、彼女の頭の中はそれらで占められていた。

(騎士様…)

 それらが何なのかわからないまま、ヴィヴィアンヌは下腹部に手を当てる。彼女の理解が及ばずともその奥は甘く疼き、迎え入れる口は震えていた。

(…えっ、あ…!?)

 とろりと溢れた愛液が、彼女の内腿を伝っていく。ヴィヴィアンヌは驚き、慌てて小屋の中に戻った。
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