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高速道路の霊
憑代無料お試し期間
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マンションの一室から、二十歳ぐらいの女性がペットキャリーを持って出てきた。
彼女の顔は、どこかベガさん……琴浦美子さんの面影がある。
当然だ。
彼女の妹なのだから……
妹さんは、玄関先で待っていた僕と樒にぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございます。カルマは無事でした」
彼女の持ち上げたキャリーから、甘えるような猫の鳴き声が聞こえてくる。
樒はキャリーを覗き込んだ。
「可愛い! 無事でよかったね。カルマちゃん」
カルマは、飼い猫の名前だったのだ。
ベガさんは大の猫好きで、ギルド内でもよく飼い猫の話をしていた。
だから、グッキーさんはカルマと聞いて、すぐに猫だと分かったのだ。
ベガさんは、マンションに一人暮らししているOLで、自分が外出中に何かあったら、部屋に残してある猫の事が心配だと、以前からギルド内でよく漏らしていたという。
グッキーさんは、あの後すぐにベガさんの妹さんに連絡を取ってくれた。
実は妹さんも、半年前に姉から誘われてミクシイのアカウントを作り、同じゲームをやっていたので楽に連絡が取れたらしい。
連絡を受けた妹さんは、僕らのところ駆けつけて、そして警察へ行き姉の亡骸と対面したのだった。
その時になって初めて、ベガさんの本名が琴浦美子さんである事を僕らは知った。
警察を出た後、妹さんは僕たちと一緒に、この部屋へやって来たという次第だ。
「カルマちゃあん」
さっきから、樒はキャリーの覗き窓から猫撫で声をかけて、カルマの関心を引こうとしていた。
「しかし……」
僕も、キャリーを覗き込んだ。
猫は、まったく弱っている様子はない。
「一週間もこの部屋から出られなかったのに、餌は、どうしていたのですか?」
妹さんが、にっこりと微笑む。
「この部屋の中には、自動給餌機と自動給水機があるのです」
そんな、便利な物があったのか?
「でも、さっき見たときは、エサは後一日分しか残っていませんでした」
危ないところだったんだな。
突然、猫がキャリーの中で暴れ出した。
「どうしたの!? カルマ……大人しくして」
いったいどうしたのだ?
あ!
「猫を、キャリーから出してもらえませんか」
僕に言われて、妹さんキョトンとした顔をした。
「大丈夫。猫は逃げません」
妹さんは、キャリーの蓋を開いた。
猫はゆっくりと出てくる。
立ち止まって、何もない空中を見上げていた。
妹さんには、そう見えているのだろう。
だが、僕には、猫が見上げる先に琴浦美子さんの霊がいるのが見えた。
トンネルで見たときのように血まみれではなく、元の姿に戻っている。
美子さんは、猫を抱き上げようとした。
猫もすり寄ろうとする。
しかし、霊には実体がないのですり抜けるだけ。
その様子を見ていた樒が、美子さんの肩に手を置いた。
美子さんは樒の方を向く。
樒は、にっこりと微笑んだ。
美子さんが『いいの?』とでも言いたげな表情で見つめ返すと、樒は無言で頷いた。
美子さんの霊は樒の身体に入っていく。
「カルマ!」
樒は……樒に憑依した美子さんは猫を抱き上げた。
「ゴメンネ。カルマを残して、死んじゃって、ゴメンネ」
不思議そうな顔でその様子を見ていた妹さんに、僕は囁く。
「今、お姉さんの霊が、彼女に憑依しているのです」
「ええ! お姉ちゃん!? お姉ちゃんなの?」
妹さんが、樒に抱き着いた。
「ゴメンネ! ゴメンネ!」
しばらくの間、二人と一匹は抱擁していた。
だけど……樒もいいところあるんだな。
少しは見直し……
「はい! 無料お試し期間は、ここまで」
突然、そんな事を言って樒は妹さんと猫を手放した。
美子さんの霊も樒から離れる。
「ここから先は有料です。憑代代として五万円いただきます」
感動して損した。
「ええ!? そんな……」
「ですが、今はサービス期間中ですので、本来なら五万のところを大サービス一万円で、私の身体を憑代として提供……」
「しーきーみー」
僕は樒にスマホを突きつけた。
「なに優樹? その地獄からわき上がるような不気味な声は……芙蓉さんの電話番号なんかスマホに出して何を?」
僕はスマホを耳に当てた。
「もしもし、芙蓉さん。樒が不正請求をしていますが……」
「だあ! やめて! 冗談なんだから……本当にお金なんて取らないわよ」
「冗談? 目が本気に見えたのだけど……」
「それは、あんたの気のせいよ」
「じゃあ、続きは無料でいいんだね?」
「いや……憑代って結構疲れるから……続きは優樹がやってよ。あんただって憑代ぐらいできるでしょ」
「いや……僕だと、倫理的な問題が……」
美子さんが僕の前に進み出た。
「お願いします。妹にあまり、経済的負担をかけたくありません」
「そうは言っても……僕は男だから」
「え? 男の子?」
なんで、そんな意外そうな顔するのですか? 美子さん。
樒は僕の頭に手を置いて、美子さんの方に顔を向けた。
「そうなのよ。優樹って、私より背が低くて、私よりちょっとだけ可愛い顔していて、声変わりもしていないけど、男子高校生なのよ」
「すみません。てっきり、女の子かと……」
ふん! いいよ、慣れてるから……ちょっと傷ついたけど……
「でも、妹は今のところ彼氏いませんし、あなたなら……」
美子さんのセリフを突然樒が遮る。
「遠慮しなくていいわ。私の身体を使って」
「え? でも……」
「無料キャンペーンは延長します」
今回の無料キャンペーンは、美子さんが成仏するまで続いた。
「考えてみれば……無料にすることなかったかも……」
今頃気が付いたか。
「協会規定の料金でも、憑代を一回引き受けたら三千円もらえたはず」
住人のいなくなったマンションの部屋に鍵をかけている妹さんの背中に、樒は未練がましい視線を向けていた。
「だからと言って、今から請求するのはなし。霊能者協会の印象が悪くなるから」
「分かっているわよ。ああ! 三千円あったらガチャが三十回回せたのに。せめて、三千円分だけカルマちゃんを、モフモフさせてもらいたかったわ」
無理だろうな。以前、何かの本で読んだが、犬は餌をくれる人間なら誰でも懐くが、猫は邪悪な人間には懐かないそうだ。
え? ス○クターの首領? あれは映画だから……
不意に妹さんが、こっちを振り向いた。
「あの……そのくらいのお礼でしたら……」
途端に樒が目を輝かせる。
「え!? 三千円くれるの?」
「いえ……カルマをモフモフする方で……」
妹さんは、キャリーからカルマを出した。
「カルマちゃあん、こっちおいで」
だから、猫撫で声で手招きしたって、猫は邪悪な人間には……え!? カルマが樒にすり寄って行く。
「かあわいい!」
そのままカルマは樒に抱き上げられた。
本の知識なんて当てにならないものだな……
それとも樒って根はいい奴?
いやいや……そんなはずは……
(「高速道路の霊」終了)
彼女の顔は、どこかベガさん……琴浦美子さんの面影がある。
当然だ。
彼女の妹なのだから……
妹さんは、玄関先で待っていた僕と樒にぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございます。カルマは無事でした」
彼女の持ち上げたキャリーから、甘えるような猫の鳴き声が聞こえてくる。
樒はキャリーを覗き込んだ。
「可愛い! 無事でよかったね。カルマちゃん」
カルマは、飼い猫の名前だったのだ。
ベガさんは大の猫好きで、ギルド内でもよく飼い猫の話をしていた。
だから、グッキーさんはカルマと聞いて、すぐに猫だと分かったのだ。
ベガさんは、マンションに一人暮らししているOLで、自分が外出中に何かあったら、部屋に残してある猫の事が心配だと、以前からギルド内でよく漏らしていたという。
グッキーさんは、あの後すぐにベガさんの妹さんに連絡を取ってくれた。
実は妹さんも、半年前に姉から誘われてミクシイのアカウントを作り、同じゲームをやっていたので楽に連絡が取れたらしい。
連絡を受けた妹さんは、僕らのところ駆けつけて、そして警察へ行き姉の亡骸と対面したのだった。
その時になって初めて、ベガさんの本名が琴浦美子さんである事を僕らは知った。
警察を出た後、妹さんは僕たちと一緒に、この部屋へやって来たという次第だ。
「カルマちゃあん」
さっきから、樒はキャリーの覗き窓から猫撫で声をかけて、カルマの関心を引こうとしていた。
「しかし……」
僕も、キャリーを覗き込んだ。
猫は、まったく弱っている様子はない。
「一週間もこの部屋から出られなかったのに、餌は、どうしていたのですか?」
妹さんが、にっこりと微笑む。
「この部屋の中には、自動給餌機と自動給水機があるのです」
そんな、便利な物があったのか?
「でも、さっき見たときは、エサは後一日分しか残っていませんでした」
危ないところだったんだな。
突然、猫がキャリーの中で暴れ出した。
「どうしたの!? カルマ……大人しくして」
いったいどうしたのだ?
あ!
「猫を、キャリーから出してもらえませんか」
僕に言われて、妹さんキョトンとした顔をした。
「大丈夫。猫は逃げません」
妹さんは、キャリーの蓋を開いた。
猫はゆっくりと出てくる。
立ち止まって、何もない空中を見上げていた。
妹さんには、そう見えているのだろう。
だが、僕には、猫が見上げる先に琴浦美子さんの霊がいるのが見えた。
トンネルで見たときのように血まみれではなく、元の姿に戻っている。
美子さんは、猫を抱き上げようとした。
猫もすり寄ろうとする。
しかし、霊には実体がないのですり抜けるだけ。
その様子を見ていた樒が、美子さんの肩に手を置いた。
美子さんは樒の方を向く。
樒は、にっこりと微笑んだ。
美子さんが『いいの?』とでも言いたげな表情で見つめ返すと、樒は無言で頷いた。
美子さんの霊は樒の身体に入っていく。
「カルマ!」
樒は……樒に憑依した美子さんは猫を抱き上げた。
「ゴメンネ。カルマを残して、死んじゃって、ゴメンネ」
不思議そうな顔でその様子を見ていた妹さんに、僕は囁く。
「今、お姉さんの霊が、彼女に憑依しているのです」
「ええ! お姉ちゃん!? お姉ちゃんなの?」
妹さんが、樒に抱き着いた。
「ゴメンネ! ゴメンネ!」
しばらくの間、二人と一匹は抱擁していた。
だけど……樒もいいところあるんだな。
少しは見直し……
「はい! 無料お試し期間は、ここまで」
突然、そんな事を言って樒は妹さんと猫を手放した。
美子さんの霊も樒から離れる。
「ここから先は有料です。憑代代として五万円いただきます」
感動して損した。
「ええ!? そんな……」
「ですが、今はサービス期間中ですので、本来なら五万のところを大サービス一万円で、私の身体を憑代として提供……」
「しーきーみー」
僕は樒にスマホを突きつけた。
「なに優樹? その地獄からわき上がるような不気味な声は……芙蓉さんの電話番号なんかスマホに出して何を?」
僕はスマホを耳に当てた。
「もしもし、芙蓉さん。樒が不正請求をしていますが……」
「だあ! やめて! 冗談なんだから……本当にお金なんて取らないわよ」
「冗談? 目が本気に見えたのだけど……」
「それは、あんたの気のせいよ」
「じゃあ、続きは無料でいいんだね?」
「いや……憑代って結構疲れるから……続きは優樹がやってよ。あんただって憑代ぐらいできるでしょ」
「いや……僕だと、倫理的な問題が……」
美子さんが僕の前に進み出た。
「お願いします。妹にあまり、経済的負担をかけたくありません」
「そうは言っても……僕は男だから」
「え? 男の子?」
なんで、そんな意外そうな顔するのですか? 美子さん。
樒は僕の頭に手を置いて、美子さんの方に顔を向けた。
「そうなのよ。優樹って、私より背が低くて、私よりちょっとだけ可愛い顔していて、声変わりもしていないけど、男子高校生なのよ」
「すみません。てっきり、女の子かと……」
ふん! いいよ、慣れてるから……ちょっと傷ついたけど……
「でも、妹は今のところ彼氏いませんし、あなたなら……」
美子さんのセリフを突然樒が遮る。
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「分かっているわよ。ああ! 三千円あったらガチャが三十回回せたのに。せめて、三千円分だけカルマちゃんを、モフモフさせてもらいたかったわ」
無理だろうな。以前、何かの本で読んだが、犬は餌をくれる人間なら誰でも懐くが、猫は邪悪な人間には懐かないそうだ。
え? ス○クターの首領? あれは映画だから……
不意に妹さんが、こっちを振り向いた。
「あの……そのくらいのお礼でしたら……」
途端に樒が目を輝かせる。
「え!? 三千円くれるの?」
「いえ……カルマをモフモフする方で……」
妹さんは、キャリーからカルマを出した。
「カルマちゃあん、こっちおいで」
だから、猫撫で声で手招きしたって、猫は邪悪な人間には……え!? カルマが樒にすり寄って行く。
「かあわいい!」
そのままカルマは樒に抱き上げられた。
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