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第八章
裸じゃないから恥ずかしくありません
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奴はデジカメでも持っているのか?
いや、それらしきものはない。
ではどうやって、ミーチャが偽物と見破ったのだ?
「ミーチャなら、袋ごと薬を出すなどという無作法な事はしない。一粒だけ取り出して、私に恭しく捧げるはずだ」
そんな事をさせていたのか。何様だよ!
「私にいったい何を飲ませるつもりだった? ミーチャ……いや、カ・モ・ミール」
ミールの正体まで?
「ふふふふふふふ」
正体を見破られた分身のミーチャは、不敵な笑い声を上げた。
まるで悪役だな。
「よくぞ、見破りましたね。エラ・アレンスキー」
ミーチャの身体が発光する。
ミールが回復薬を飲んで戦闘モードになったのだな。
光が治まると、全裸のミールがそこにいた。
次の瞬間、光のリボンがミールの裸体にまとわりついて、胸と腰を辛うじて覆うエメラルドグリーンの鎧を形成する。
手には弓が握られていた。
通信機からミールの呼びかけがあったのはその時。
『カイトさん、奴はプラズマボール一発分の魔力を残しています。挑発して撃たせますから、それまでは出てこないで下さい』
「分かった」
ドローンからの映像に目を戻すと、ミールの分身体とエラ・アレンスキーが対峙していた。
「貴様が、ナーモ族の分身魔法使いカ・モ・ミールか?」
「そうです。よくあたしだと分かりましたね。キラの分身は、見破れなかったのに」
「知れたこと。お前たちが私を攻略するなら、魔力切れを狙うはずだ。そして、魔力切れのタイミングで、さっきから姿の見えないミーチャが出てきた。こんな絶妙のタイミングで現れるなど、どう考えても罠だろう」
「ううん、確かにわざとらしすぎましたね」
「大方、本物のミーチャは、お前たちの手の内にあるのだな」
「確かに、あたし達のところで大切に保護しています。そうしないと、性格の悪いおばさんに苛められるので」
「なに!」
「だいたい、なんで、あんな可愛い子を苛めるのです? 可哀そうじゃないですか」
「馬鹿者! 可愛いから、苛めるのではないか。可愛くない奴など、苛めても楽しくない」
「はあ? 人の嫌がる事はやってはいけない。そんな人として当然の事も守れないのですか? いい歳して」
「やかしましい! 歳の事に触れるな! 貴様こそ、なんだ!? その恰好は!」
エラはミールを指差す。
「あたしの戦闘用コスチュームですけど、何か問題でも?」
「問題しかないわ! そんな胸と腰だけを辛うじて覆っている、本当に防御効果があるのか疑わしい鎧。若い娘が、そんないかがわしい恰好して、恥ずかしくないのか!」
「裸じゃないから、恥ずかしくありません」
「ほとんど裸だろう!」
「ほほほほほ! 若いからこんな恰好できるのですわ。おばさんでは無理ですよね。肌にハリはないし、胸は垂れているし……」
「ぐぬぬ! この小娘が……」
エラがプラズマボールを放つ。
ミールの分身体は、大きくジャンプしてプラズマボールを躱した。
よし! これでエラの魔力は完全になくなった。
僕はウェアラブルコンピューターを操作して、蛇型ドローンに指令を送り立体映像をすべて消した。
「省電力モード解除」
残時間二百五十秒
「動かないで」
僕が隠れ場所から出てきた時、ミールは弓に矢をつがえてエラに狙いをつけているところだった。
「薬に手を触れたら、飲む前に撃ちます」
だが、エラは不敵な笑みを浮かべていた。
何か企んでいる。
突然ミールが飛び退いた。
今までミールのいた場所に、プラズマボールが出現する。
ミールは着地と同時に矢を放つ。
しかし、その矢はプラズマボールで撃墜されてしまった。
「カイトさん、気を付けて下さい。奴の魔力が急に回復しました」
「なんだって?」
「きゃあああ!」
ミールの分身体にプラズマが命中。
分身体は、たちまち消えてしまった。
残時間二百三十秒
いや、それらしきものはない。
ではどうやって、ミーチャが偽物と見破ったのだ?
「ミーチャなら、袋ごと薬を出すなどという無作法な事はしない。一粒だけ取り出して、私に恭しく捧げるはずだ」
そんな事をさせていたのか。何様だよ!
「私にいったい何を飲ませるつもりだった? ミーチャ……いや、カ・モ・ミール」
ミールの正体まで?
「ふふふふふふふ」
正体を見破られた分身のミーチャは、不敵な笑い声を上げた。
まるで悪役だな。
「よくぞ、見破りましたね。エラ・アレンスキー」
ミーチャの身体が発光する。
ミールが回復薬を飲んで戦闘モードになったのだな。
光が治まると、全裸のミールがそこにいた。
次の瞬間、光のリボンがミールの裸体にまとわりついて、胸と腰を辛うじて覆うエメラルドグリーンの鎧を形成する。
手には弓が握られていた。
通信機からミールの呼びかけがあったのはその時。
『カイトさん、奴はプラズマボール一発分の魔力を残しています。挑発して撃たせますから、それまでは出てこないで下さい』
「分かった」
ドローンからの映像に目を戻すと、ミールの分身体とエラ・アレンスキーが対峙していた。
「貴様が、ナーモ族の分身魔法使いカ・モ・ミールか?」
「そうです。よくあたしだと分かりましたね。キラの分身は、見破れなかったのに」
「知れたこと。お前たちが私を攻略するなら、魔力切れを狙うはずだ。そして、魔力切れのタイミングで、さっきから姿の見えないミーチャが出てきた。こんな絶妙のタイミングで現れるなど、どう考えても罠だろう」
「ううん、確かにわざとらしすぎましたね」
「大方、本物のミーチャは、お前たちの手の内にあるのだな」
「確かに、あたし達のところで大切に保護しています。そうしないと、性格の悪いおばさんに苛められるので」
「なに!」
「だいたい、なんで、あんな可愛い子を苛めるのです? 可哀そうじゃないですか」
「馬鹿者! 可愛いから、苛めるのではないか。可愛くない奴など、苛めても楽しくない」
「はあ? 人の嫌がる事はやってはいけない。そんな人として当然の事も守れないのですか? いい歳して」
「やかしましい! 歳の事に触れるな! 貴様こそ、なんだ!? その恰好は!」
エラはミールを指差す。
「あたしの戦闘用コスチュームですけど、何か問題でも?」
「問題しかないわ! そんな胸と腰だけを辛うじて覆っている、本当に防御効果があるのか疑わしい鎧。若い娘が、そんないかがわしい恰好して、恥ずかしくないのか!」
「裸じゃないから、恥ずかしくありません」
「ほとんど裸だろう!」
「ほほほほほ! 若いからこんな恰好できるのですわ。おばさんでは無理ですよね。肌にハリはないし、胸は垂れているし……」
「ぐぬぬ! この小娘が……」
エラがプラズマボールを放つ。
ミールの分身体は、大きくジャンプしてプラズマボールを躱した。
よし! これでエラの魔力は完全になくなった。
僕はウェアラブルコンピューターを操作して、蛇型ドローンに指令を送り立体映像をすべて消した。
「省電力モード解除」
残時間二百五十秒
「動かないで」
僕が隠れ場所から出てきた時、ミールは弓に矢をつがえてエラに狙いをつけているところだった。
「薬に手を触れたら、飲む前に撃ちます」
だが、エラは不敵な笑みを浮かべていた。
何か企んでいる。
突然ミールが飛び退いた。
今までミールのいた場所に、プラズマボールが出現する。
ミールは着地と同時に矢を放つ。
しかし、その矢はプラズマボールで撃墜されてしまった。
「カイトさん、気を付けて下さい。奴の魔力が急に回復しました」
「なんだって?」
「きゃあああ!」
ミールの分身体にプラズマが命中。
分身体は、たちまち消えてしまった。
残時間二百三十秒
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