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第十三章
カマキリも迷惑だろう
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『矢部さんは『男の部屋など盗撮したくない』と言っていましたが、矢部さんの部屋から見つかった盗撮写真のデータをチャラにする代わりに協力させたのです』
「橋本さん。矢部さんに恥ずかしい写真を撮られたのに、我慢したのですね」
『え? あ! 撮られていたのは私ではなく、ほとんどが森田さんの着替えや入浴でした』
ピシ!
芽依ちゃんの顔が途端にひきつった。
そのまま僕の方を振り向く。
「北村さん」
「芽依ちゃん……落ち着いて」
「私……後悔した事を、後悔します」
「え?」
「やっぱり、殺して良かったのですよ。矢部さんは……うふ、うふ、うふふふふ」
芽依ちゃん……なんかコワい……
『あの……話を続けてよろしいですか?』
「すみません。話の腰を折って。続けて下さい」
橋本晶の話によれば、その後カルルの部屋に隠しカメラを仕掛けて、二週間ほど交代で監視を続けていたという。
その間、特にカルルに怪しい動きはなかったらしい。
ただ、何人かの来客があり、その来客の名簿を作成し、小淵はそれを補給基地に届けに行った。
『補給基地で来客の映像を隊長に見せたところ、隊長はその中の一人の顔を見てひどく驚いたそうなのです』
「どんな人ですか?」
『四十代半ばぐらいの男性で、顔はカマキリのような……』
それを聞いただけで誰だか一発で分かるな。
いや、カマキリという昆虫は何も悪くないのだよ。害虫を退治してくれる益虫だし……
むしろカマキリも迷惑だろう。
矢納さんの顔がカマキリに似ていては……
しかし、補給基地にいた僕もさぞかし驚いただろうな。
僕だって、カルカの町で矢納課長がこの惑星にいると知った時はかなり動揺したし……
『半日ほど後に小淵さんはリトル東京に戻ってきました。そして小淵さんは私と矢部さんを自室に呼び……』
彼女の話はさらに続いた。
「橋本さん。矢部さんに恥ずかしい写真を撮られたのに、我慢したのですね」
『え? あ! 撮られていたのは私ではなく、ほとんどが森田さんの着替えや入浴でした』
ピシ!
芽依ちゃんの顔が途端にひきつった。
そのまま僕の方を振り向く。
「北村さん」
「芽依ちゃん……落ち着いて」
「私……後悔した事を、後悔します」
「え?」
「やっぱり、殺して良かったのですよ。矢部さんは……うふ、うふ、うふふふふ」
芽依ちゃん……なんかコワい……
『あの……話を続けてよろしいですか?』
「すみません。話の腰を折って。続けて下さい」
橋本晶の話によれば、その後カルルの部屋に隠しカメラを仕掛けて、二週間ほど交代で監視を続けていたという。
その間、特にカルルに怪しい動きはなかったらしい。
ただ、何人かの来客があり、その来客の名簿を作成し、小淵はそれを補給基地に届けに行った。
『補給基地で来客の映像を隊長に見せたところ、隊長はその中の一人の顔を見てひどく驚いたそうなのです』
「どんな人ですか?」
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それを聞いただけで誰だか一発で分かるな。
いや、カマキリという昆虫は何も悪くないのだよ。害虫を退治してくれる益虫だし……
むしろカマキリも迷惑だろう。
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しかし、補給基地にいた僕もさぞかし驚いただろうな。
僕だって、カルカの町で矢納課長がこの惑星にいると知った時はかなり動揺したし……
『半日ほど後に小淵さんはリトル東京に戻ってきました。そして小淵さんは私と矢部さんを自室に呼び……』
彼女の話はさらに続いた。
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