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しおりを挟むそれはある日突然訪れた…。
「おーーーーじょーーーーおーーーーさぁーーーーまぁーーーー」
地を這うような重低音……。
この声は、この不思議空間にあってはならないメアリの声……。
気持ち、ちょっと野太く聞こえたのは心の中に留めておこう。
あんな声を出すメアリは初めてだし、多分すごく怒っている。
そして、そんな時に『野太い声』なんて口走っちゃった日には……。
”頼りになる姉” みたいに思っているけど、忘れちゃいけない、彼女は姉じゃなくオネエなのだ。オネエは最強なんだよ。マジで。
少し前に、まさきにいの境遇を知りたいが為に、まさきにいの物語を読んだけどね……なんだろう…。
普通に語れば『苦労したのね』って感じなんだけど、当の本人は自分が苦労したなどとは思っていないようで、綴られるストーリー(本人語り)では、笑いあり笑いありの物語だった。オネエ強しである。
そしてそんな自分の過去の行動に想いをはせていたら……いつのまにか机の前には、ナイスバディなオネエさまが一人。
不思議空間だからお姉さまでいいのか?
なんて…久しぶりのメアリにはしゃいでしまった私。
無言で机の前に立つメアリにとりあえず謝る。
いきなり倒れたこと。
いつまでも目覚めなかったこと。
目覚めたと思ったら他人だったこと(厳密にいうと他人じゃないんだけど…)
そして…怖がっていつまでも戻れないでいたこと。
謝りながら、色々考えていたら泣きたくなってしまって、メアリに抱かれてわんわん泣いていたら、いつの間にかラビがお茶を入れてきてくれた。
「お嬢さん達、そろそろ熱いお茶でもどうだい(キラーン)」
って…またキラキラ攻撃をしているラビに呆れてお茶を飲もうとしたら、いきなりメアリが叫び出した。
「いやーん!ギル様みたい!素敵!!!」
一瞬の出来事で何を言われたのか分からなかったけど……え?何がギル様みたい?
聞き間違いかと思ってもう一度聞いたら、ラビの仕草や口調がメアリのダーリンのギルバートに似ているそうだ。
おまけに、ラビを養子に貰いたいとかいきなり過ぎてちょっと引いた。
ちなみに…養子の件はもちろん却下です。
ラビは私のなので!
●○●○
そんなやり取りの後、現実世界のこと、ここの空間のこと…情報交換のような形でメアリと話をした。
メアリには隠す必要も無いしね。
とりあえず、気になっていた成人のお披露目のパーティーの手配や、お父様と兄様の話を聞いた。
戻ってきて欲しいと言われたけれど…戻り方が分からなくなってしまったと言ったら、あっちのミーリアに聞いてきてくれたらしい。
さすができる侍女!といったら怒られ、おまけに泣かれた。
ごめんね。心配かけて。
とりあえず、向こうの準備もあるのでメアリはこのまま帰り、明日入れ替われるように準備しておいてくださいって、念を押された。……私はあまり信用がないらしい(汗)
戻り際、気まずそうなメアリに…
「真純のことは聞かないのですか?」
と言われたけれど、笑って濁してしまった。
アルメニア王国の次期国王。
当然、王妃となる者は国内のしかるべきところの令嬢だろう。
……そう…他国の令嬢などなれたとして側室がせいぜいだ。
どうせ聞いても答えは同じだ。
なら聞かない。
いままでここで考えていたことをメアリに話す。
「まぁ…なるようになるんだろうし…この際、側室でもいいよ」
そう言ってメアリを送り出した。
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