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15.5 恋するルピノ視点
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※ ルピノの一人称になります。
「どうしたらいいんだ。こんなはずじゃなかったのに…」
ファラ様は私達に呆れて部屋を出ていかれてしまったので、私とセイン殿下は二人きりになってしまった。
セイン殿下は情けない事に、ソファーに座って頭を抱えている。
ああ。
どうして、私はこんな男を選んじゃったのかしら。
お姉様の婚約者だし、王太子だし、すぐに落ちそうだから、なんて安易に手を出したのがいけなかったわ。
でも、身近にいた顔の良い人っていったら、セイン殿下しか浮かばなかったのよ。
それに、お姉様から奪った、なんて、物語みたいで素敵じゃない?
元々は、お父様が婚約者を作れ作れとうるさかったからいけないのよ。
私にはアズがいるって何度も伝えたのに…。
もちろん、アズの行方がわからないままだったら、諦めてセイン殿下と結婚したかもしれないけれど、その前にアズが自分から現れてくれたの。
これって運命よね?
セイン殿下と私が婚約する前に現れたんだから、神様は私とアズの事を応援してくれているはず。
もちろん、アズがお姉様の事を好きな事は知ってたわ。
だけど、お姉様にはセイン殿下がいたから、言葉にできなかったみたい。
そういう所も好きだわ。
そして、セイン殿下もお姉様が好きだった。
お姉様のどこが良いのかわからない。
公爵令嬢のくせに気は強いし、自分の身を守るためだとか言って、小さい頃から護身術や剣術なんかを学んでた。
子供の頃は男の子よりも強かったのよね。
セイン殿下はその事をずっと気にしていた。
今だってそう。
グチグチと、その事を言っている時があるから。
セイン殿下は、私の事が好きだとか言っておきながら、なんだかんだ言って、まだお姉様に未練がある。
まあ、私だってアズに未練があるから人の言事は言えないんだけど。
ううん。
運命なんだから、未練じゃないわ。
とにかく、これからどうするか考えなくちゃ。
「婚約破棄は決定事項なのですね…」
「ああ、そうだよ。ルピノ、これからどうするつもりなんだ? 君は俺の事が好きなんだろ? 仕事の事をもうちょっと親身になって考えてくれてもいいんじゃないか?」
「嫌です。私はアズアルド殿下が好きなんです」
「……アズアルド殿下のどこがいいんだ? 顔か?」
全く、くだらない質問をしてくるわよね。
それだけで、ここまで執着できるわけないじゃない。
しょうがないので答えてあげる。
「お姉様は顔かもしれませんが、私はアズアルド殿下の全てが好きなんです。絶対に私のものにするつもりです」
「そうなると、俺はどうなるんだ? それに、君は俺と婚約するんだぞ!?」
「婚約して解消すればいいじゃないですか」
「でも、ルリとアズアルド殿下は…!」
「2人も婚約解消させればいいんです」
私の言葉を聞いたセイン殿下は俯いていた顔を上げて、向かい側に座っている私を見た。
「その間の仕事はどうするんだ?」
「そこは、殿下が頑張ってください。私が仕事をしない事により、婚約解消しやすくなるはずです」
「そうなったら、俺は廃嫡なんだぞ!?」
「あとを継げなくなるだけじゃないですか。それで、お姉様とよりを戻せるなら良いでしょう? 再婚約して、今度こそ結婚して仕事をしてもらえばいいんです」
「……そうか、そうだな。俺が王子である事は変わりはないものな」
セイン殿下はうんうんと頷くと、私の方を見る。
「では、一緒に策を練るか」
「そうですわね」
そんな事をする前に、とっとと仕事をしなさいよ。
と言ってあげたいけど言っても無駄でしょうね。
それに、今は私達の婚約を駄目にしないといけないのだから、殿下は遊ばせていても良いでしょう。
アズをお姉様になんか渡さない。
アズを一番に愛せるのは私だし、アズが求めているのも私なのよ。
「どうしたらいいんだ。こんなはずじゃなかったのに…」
ファラ様は私達に呆れて部屋を出ていかれてしまったので、私とセイン殿下は二人きりになってしまった。
セイン殿下は情けない事に、ソファーに座って頭を抱えている。
ああ。
どうして、私はこんな男を選んじゃったのかしら。
お姉様の婚約者だし、王太子だし、すぐに落ちそうだから、なんて安易に手を出したのがいけなかったわ。
でも、身近にいた顔の良い人っていったら、セイン殿下しか浮かばなかったのよ。
それに、お姉様から奪った、なんて、物語みたいで素敵じゃない?
元々は、お父様が婚約者を作れ作れとうるさかったからいけないのよ。
私にはアズがいるって何度も伝えたのに…。
もちろん、アズの行方がわからないままだったら、諦めてセイン殿下と結婚したかもしれないけれど、その前にアズが自分から現れてくれたの。
これって運命よね?
セイン殿下と私が婚約する前に現れたんだから、神様は私とアズの事を応援してくれているはず。
もちろん、アズがお姉様の事を好きな事は知ってたわ。
だけど、お姉様にはセイン殿下がいたから、言葉にできなかったみたい。
そういう所も好きだわ。
そして、セイン殿下もお姉様が好きだった。
お姉様のどこが良いのかわからない。
公爵令嬢のくせに気は強いし、自分の身を守るためだとか言って、小さい頃から護身術や剣術なんかを学んでた。
子供の頃は男の子よりも強かったのよね。
セイン殿下はその事をずっと気にしていた。
今だってそう。
グチグチと、その事を言っている時があるから。
セイン殿下は、私の事が好きだとか言っておきながら、なんだかんだ言って、まだお姉様に未練がある。
まあ、私だってアズに未練があるから人の言事は言えないんだけど。
ううん。
運命なんだから、未練じゃないわ。
とにかく、これからどうするか考えなくちゃ。
「婚約破棄は決定事項なのですね…」
「ああ、そうだよ。ルピノ、これからどうするつもりなんだ? 君は俺の事が好きなんだろ? 仕事の事をもうちょっと親身になって考えてくれてもいいんじゃないか?」
「嫌です。私はアズアルド殿下が好きなんです」
「……アズアルド殿下のどこがいいんだ? 顔か?」
全く、くだらない質問をしてくるわよね。
それだけで、ここまで執着できるわけないじゃない。
しょうがないので答えてあげる。
「お姉様は顔かもしれませんが、私はアズアルド殿下の全てが好きなんです。絶対に私のものにするつもりです」
「そうなると、俺はどうなるんだ? それに、君は俺と婚約するんだぞ!?」
「婚約して解消すればいいじゃないですか」
「でも、ルリとアズアルド殿下は…!」
「2人も婚約解消させればいいんです」
私の言葉を聞いたセイン殿下は俯いていた顔を上げて、向かい側に座っている私を見た。
「その間の仕事はどうするんだ?」
「そこは、殿下が頑張ってください。私が仕事をしない事により、婚約解消しやすくなるはずです」
「そうなったら、俺は廃嫡なんだぞ!?」
「あとを継げなくなるだけじゃないですか。それで、お姉様とよりを戻せるなら良いでしょう? 再婚約して、今度こそ結婚して仕事をしてもらえばいいんです」
「……そうか、そうだな。俺が王子である事は変わりはないものな」
セイン殿下はうんうんと頷くと、私の方を見る。
「では、一緒に策を練るか」
「そうですわね」
そんな事をする前に、とっとと仕事をしなさいよ。
と言ってあげたいけど言っても無駄でしょうね。
それに、今は私達の婚約を駄目にしないといけないのだから、殿下は遊ばせていても良いでしょう。
アズをお姉様になんか渡さない。
アズを一番に愛せるのは私だし、アズが求めているのも私なのよ。
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