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第参章 陰キャの心、熱を出す
END2 バイバイ
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病室に眠る少女と、
それを見守る獣人。
私は泣きながら言った。
「サクラ……大丈夫…私がいるから…!」
サクラは病院へ来てから一言も喋っていなかった。
この世界は医療に関しては地球より優れていたので、手術は早かった。
サクラはまだ意識が戻らない。
沢山の管に繋がれた彼女を見るだけで、
胸が苦しくなる。
戦闘後意識が数分戻ったが、また意識を失い、今に至る。
何時間たっても目が覚めないサクラ。
そしてついに____
__脈が途切れた。
心臓マッサージや、最新技術の『蘇生機』を用いても、
サクラは目覚めなかった。
ボロボロになり、リュックと呼べるかどうか分からないほど原型が無くなったリュックからは、
サクラの遺品が出てきた。
その中のスマホは、ロックがかかってなかった。
恐る恐る開いてみると、LI〇Eやゲームアプリ、YouT〇beなど普通の大学生が使いそうなアプリがあった。
壁紙は手紙になっていた。私はそれを読んだ。
『ユキへ。
もしこれを読んでるなら、あたしはもうここにはいません。
きっとだれかにやられたよね。でも、
泣かないで欲しい。
最期まであたしのそばに居てほしいの。
せめてユキに見守られながら死にたい。
ワガママだって分かるけど…
最期にユキといたいから。
天国はどんな感じか分からないけど、
きっと楽しいと思うよ。
だから安心して。
泣かなくていいよ。
でもね、ユキは死なないで欲しいな!
あたしが居なくたって、ユキは強いんだから!
ちゃんと冒険して、ちゃんと人生楽しんで、そうしたら逢いに来て。
どれだけ時間がかかっても、あたしはちゃんと待ってる。
また、天国で会おうね。
ちゃんと楽しんで。
バイバイ。
坂本紗倉より。』
私は泣いた。泣いてしまった。
「泣けないはずないじゃん…!!
だって……あなたが…サクラがさ!
…居ないから!!
わたじ……優しい言葉をかけられたら……泣いちゃうよぅ……サクラァ………!どうして……どうして行っちゃうの……!!
……またお話しようよ……私にはあなたなしかいないんだよ…あなたは私の……私の全てなんだよ……サクラぁっ………。
ううぅ…………。」
サクラはもう…この世にはいない。
たった今、行ってしまった。
認めたくない。
死んでしまいたい。
…でもサクラとの約束を破ってしまう。
それは絶対ダメ。
なら…旅に出よう。1人で旅に。
そうすれば…サクラを忘れられる。
アリサ達には悪いけど、
私は……あなた達に顔向けできないよ。
……行ってきます。
こうして私は旅に出た。
数年たった。
沢山のことを知り、沢山の感動を貰った。
「………あっ。」
山を登る途中、
足を滑らせてしまった。
私の手には、1本の桜の木の枝。
「…………ふふっ」
なぜか、怖くなかった。
安心していたの。
また…逢えるから。
もう一度……あなたに。
「え…………?サクラ……??」
『…………おかえり。』
「……………ただいまっ!」
サクラ、逢いたかったよ。
これでもう…寂しくない。
END2 バイバイ
それを見守る獣人。
私は泣きながら言った。
「サクラ……大丈夫…私がいるから…!」
サクラは病院へ来てから一言も喋っていなかった。
この世界は医療に関しては地球より優れていたので、手術は早かった。
サクラはまだ意識が戻らない。
沢山の管に繋がれた彼女を見るだけで、
胸が苦しくなる。
戦闘後意識が数分戻ったが、また意識を失い、今に至る。
何時間たっても目が覚めないサクラ。
そしてついに____
__脈が途切れた。
心臓マッサージや、最新技術の『蘇生機』を用いても、
サクラは目覚めなかった。
ボロボロになり、リュックと呼べるかどうか分からないほど原型が無くなったリュックからは、
サクラの遺品が出てきた。
その中のスマホは、ロックがかかってなかった。
恐る恐る開いてみると、LI〇Eやゲームアプリ、YouT〇beなど普通の大学生が使いそうなアプリがあった。
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『ユキへ。
もしこれを読んでるなら、あたしはもうここにはいません。
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泣かないで欲しい。
最期まであたしのそばに居てほしいの。
せめてユキに見守られながら死にたい。
ワガママだって分かるけど…
最期にユキといたいから。
天国はどんな感じか分からないけど、
きっと楽しいと思うよ。
だから安心して。
泣かなくていいよ。
でもね、ユキは死なないで欲しいな!
あたしが居なくたって、ユキは強いんだから!
ちゃんと冒険して、ちゃんと人生楽しんで、そうしたら逢いに来て。
どれだけ時間がかかっても、あたしはちゃんと待ってる。
また、天国で会おうね。
ちゃんと楽しんで。
バイバイ。
坂本紗倉より。』
私は泣いた。泣いてしまった。
「泣けないはずないじゃん…!!
だって……あなたが…サクラがさ!
…居ないから!!
わたじ……優しい言葉をかけられたら……泣いちゃうよぅ……サクラァ………!どうして……どうして行っちゃうの……!!
……またお話しようよ……私にはあなたなしかいないんだよ…あなたは私の……私の全てなんだよ……サクラぁっ………。
ううぅ…………。」
サクラはもう…この世にはいない。
たった今、行ってしまった。
認めたくない。
死んでしまいたい。
…でもサクラとの約束を破ってしまう。
それは絶対ダメ。
なら…旅に出よう。1人で旅に。
そうすれば…サクラを忘れられる。
アリサ達には悪いけど、
私は……あなた達に顔向けできないよ。
……行ってきます。
こうして私は旅に出た。
数年たった。
沢山のことを知り、沢山の感動を貰った。
「………あっ。」
山を登る途中、
足を滑らせてしまった。
私の手には、1本の桜の木の枝。
「…………ふふっ」
なぜか、怖くなかった。
安心していたの。
また…逢えるから。
もう一度……あなたに。
「え…………?サクラ……??」
『…………おかえり。』
「……………ただいまっ!」
サクラ、逢いたかったよ。
これでもう…寂しくない。
END2 バイバイ
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