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第四章「かわいいはセイギ!彼のやさしさと、ちょっとのイヘン⁉︎」

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──あっという間に、交流会当日。目の前には、たくさんの小さな子どもたち。私立幼稚園だからなのか、年長さんだけしかいないからなのか、みんなお行儀よく見える。
 ああ、かわいいなぁ……。小さい子って、なんでこんなにかわいいんだろう。目の大きさも背の高さもなんにも関係なくて、いるだけでもうキラキラしてる。
 五、六年生の各クラス委員が中心となって、交流会は進んでいく。花組に来る子たちは、全部で十人くらいらしい。
「フフフ……」
「笑うなこわいから」
「分かってるって。わたし昔から子どもにこわがられなかったことないもん。だからこっそりかげから見てた」
「それはそれでこわい」
 だって、同級生にこわがられるくらいだよ?そんなの、小さい子だったらなおさらこわいに決まってる。わたしの怖さをなめないでほしい。
「心配してくれてありがと夕日ヶ丘君」
「全然全くしてませんけど」
 もちろん、みんなにバレないようひそひそ話。なんか青春って感じで、泣きそう。うれしくて。
「よし、じゃあみんな今日は一日よろしくね!華組のお姉さんとお兄さんたちは、優しい人ばっかりだから。分かんないことがあったら、なんでも聞いてね!」
 さすが夕日ヶ丘君。師匠スマイルですぐ子どもたちの心をガッチリつかんだ。ちなみに、優しい人ばっかりのところで、クラス全員がわたしを見たのは、さすがに傷付いた。いやなことはしてないもん。見た目が悪役っぽく見えるだけだもん。あとうまく話せない。
「こ、こっちに……」
 副委員長のわたしも、負けじとそばにいた女の子に手を伸ばす。小さな体が思いっきりビクッと反応して、見なくても分かるくらいにガタガタしてる。
 ダメだ、これはかわいそう。もう夕日ヶ丘君に任せて、わたしは準備とかそういうのしよう。
「ほらほら、これ見てー!おれが折り紙で作ったキョーリュー!」
「ワハハ、へたくそ!」
「なんだと⁉︎カッコいいだろこの~」
 西山君、意外と好かれてる。なんか親しみやすそうだもんね。
 教室を見渡すと、男子も女子もそれぞれ子ども達と楽しそうに遊んでる。夕日ヶ丘君はもちろんだし、わたし以外はみんな上手で、キラキラの笑顔でいっぱい。
「……いいなぁ」
 わたしも、誰かを笑顔にする手伝いがしたい。でもうまくできないし、こわがられるだけ。むりやり遊んで、いやな思いさせたくない。小学校は楽しいところだって、思ってほしいから。
 出来るだけ顔をかくして、こそっと端っこにいく。今日はここで、ケガとかトラブルが起きないように気を付けて見てよう。
 
グイッ!
 
「こっち来て」
 突然、誰かに制服を引っ張られる。それは夕日ヶ丘君で、彼の顔はいつもの師匠スマイル。
「ゆ、夕日ヶ丘君⁉︎みんなの前では……っ」
「いいからほら」
 ポスッと、頭に何かを置かれる。手に取ると、かわいいお面だった。
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