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145話 美琴、和解する

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 美琴は父親と会うことに決める。美琴はつよしに言う。
 「私、お父さんと会おうと思うけど一緒について来てくれる。」「分かったよ。家に帰るの。」
 「お父さんに私の考えを言うつもりよ。」「お父さん怒らないかな。」
 「いつかは話さないといけないことよ。」「そうだね。」
つよしは美琴について来てくれることになる。さらに美琴は、一久とあやめに言う。
 「私、お父さんと会ってみることに決めました。」「そうか、私もついて行こうか。」
 「つよしと一緒に行きます。」「分かった。頑張って自分の意見を話してみなさい。」
 「はい。」
美琴は次に母親の携帯に連絡する。
 「私、迷惑かけてごめんなさい。」「大丈夫。元気にやっている?」
 「元気よ。今度お父さんと話をしようと思うんだけど。」「お父さん喜ぶと思うわよ。」
 「今度の日曜日、喫茶店で会おうと思うんだけど。」「分かったわ、お父さんに伝えておくわね。」
美琴は次の日曜日、喫茶店で父と会って話をすることにする。
 日曜日、つよしと美琴は約束の時間5分前に喫茶店へ行く。するとすでに美琴の両親は来ている。
 「おはよう、早いわね。」「お父さんが1時間も前に出かけると言って待ってたのよ。」「余計なことはいい。2人とも座りなさい。」
つよしと美琴が席に着くと父が頭をテーブルに押し付けて言う。
 「頼むから帰ってきてくれ。」「お父さんやめて。」
 「あなた、他のお客さんがいますよ。」
母も父をたしなめる。父が顔を上げると涙目である。美琴は話しづらいなと思う。
 「私、将来、つよしと暮らすつもりでいるわ。」「お前とつよし君のことは認める。結婚も認めるぞ。」
つよしにとってうれしい申し出である。美琴は言う。
 「まだ結婚は考えていないわ。」「お前は何をしたいんだ。」
 「つよしと一緒に暮らしたいだけよ。」「木村君はどうなんだ。」
 「お父さんの申し出はうれしいです。美琴さんと結婚したいですし、お父さんと暮らすのも構いません。しかし、美琴さんの考えを尊重したいと思っています。」
 「木村君がそう考えてくれているのなら、申し分ないぞ。」
父が言うと美琴が言う。
 「私はお父さんとの同居は考えていないからね。」「私は同居してほしいと思っているが美琴が幸せになるなら構わないぞ。」
 「お父さん、いいの。」「ああ、私も反省したよ。」
 「お父さんごめんなさい。家出やめるね。」「お帰りなさい。」
美琴は話がこじれると思っていたが父が理解を示し、彼女の家出は終了となる。
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