上 下
3 / 8

第二話 ナビにまつわる不思議

しおりを挟む
 こんにちはー、朝岡まどか、二十歳です!
 職業カメラマンです。

 職業、カメラマン……そう言うとね、不思議なくらいみんな聞いてくることが同じなのよ。
 「ヌード撮った事ある?」「心霊写真撮った事ある?」って……。
 なんか、世間一般のカメラマンに対する認識って何なんでしょうねぇ……。

 ところで、心霊写真はともかく「ヌード撮った事ある?」って私に聞いてくるのって、セクハラじゃないかなぁ?
 美並先輩に言わせると「まどかちゃん相手なら、セクハラ以前に犯罪で捕まるかもね。」なんて言ってるけど……私の童顔ってそれ程?

 今回は、私が入社した年の夏、世間を騒がした事件の裏で起きたちょっとした不思議なお話……。

 
 「えー何々、まどかちゃん、車探してるの?」
 私が、美並先輩とお昼しているときに、割り込んできた人……三宅先輩。
 美並先輩とは同期なんだって。
 見かけは意外とイケメン。中身は……。

 「コラ!女の子の会話に割り込んでくるなんて失礼でしょ!
  まどかちゃん、気を付けてね、こいつ、まどかちゃんの事狙ってるっぽいから。」
 美並先輩がそう言ってくれるけど……。
 私にはわかる……三宅先輩からはアイツと同じ匂いがする……同類ってやつだよね、たぶん。

 「おいおい、失礼な事言わないでもらいたいなぁ。俺は紳士だぜ!」
 「(21)の紳士……ですね。」
 「お、そのネタ、まどかちゃん、中々通だね。」
 褒められてもうれしくないんだけど。
 ほらぁ、美並先輩がわからないって顔してるじゃない。

 「えーと、まどかちゃん?あのバカの事わかるの?」
 美並先輩が引いてるよぉ……えーん、ひかないでぇ。同類じゃないからね。

 「幼馴染がアレ系なんですよ。だから自然と……。」
 「そっか、まどかちゃんも苦労してるんだね。」
 よしよしと頭を撫でてくれる美並先輩。
 優しくて、綺麗で気立てがよくて……その気がない私でも「お姉さま」って呼びたくなっちゃうタイプだね。

 「ところで(21)ってどいう意味?」
 そこ突っ込みますか?
 「えっと、ですね……。」
 私はメモ紙に「(21)」と走り書きをして、美並先輩に見せる。

 「こう、走り書きで書くと……『ロリ』って見えません?」
 「あぁ、なるほどね……でも、よくわかったわね。」
 「慣れてますから……それに、ああいう人たちって意外と堂々と曝け出してますし……。」
 私はそう言いながら、隣に住んでいた、樹美尾家の長男、卓也の事を思い出す。
 あいつも結構堂々と紳士を連呼してたっけ。
 
 「それより先輩……。」
 私は小声で美並先輩に気になっていたことを聞く。
 「三宅先輩がロリ紳士だとすると……結構ヤバいんじゃないですか?」
 三宅先輩は結構な数の小学校を担当している。
 「そうなんだけどね……。」
 そう言って、三宅先輩がアルバムとか写真をいくつか見せてくれる。
 「……すごい。」
 写っている写真は、どれも素敵だった。
 子供たちの笑顔、輝く一瞬をしっかりと捉えている。
 
 「腕はいいのよ……アイツ。」
 確かに、いい写真ばかりだ……ただし女の子だけ。
 男の子は、悪くないけどそれなり……見比べると確かに差はあるんだけど、単体で見れば文句がつけれないレベル……クレームを出しにくいよね。
 「それに、まだ問題起こしていないからね。」
 「はぁ……さすがは『紳士』ですね。」

 後、三宅先輩は、意外とデキる人だった。
 まぁ、その原動力になっているのが「イベント参加のために自分の時間を捻出」するためなんだから……。
 ああいう人たちの、目的はともかく、結果を出してしまえるところは、素直に感心するところだけどね。

 「ところで、話を戻すけど、まどかちゃん車探してるんだって?」
 あ、まだいた……。

 「えぇ……終バスの時間早いし、そろそろ仕事にも差し支え出てきそうだし……。」
 ウチの会社は、実は社用車が少ない。
 会社が購入費の一部や、ガソリン代などの維持費の一部を負担してくれる代わりに、自分の車を使用することを推奨されている。
 詳しい事はよくわからないけど、会社的には、そっちの方が安上がりなんだって。

 「だったら、丁度いいのがあるんだけど……どう?」
 そう言って三宅先輩が紹介してくれたのは、最近流行りの軽のワンボックス。
 「型は少し古いけど、程度もいいし、オプションもついてる。カーナビも最新のがついてるぞ。」
 「確かに、この装備でこの値段はお値打ち……ってか安すぎません?」
 「安いわね……事故車とかじゃないの?」

 ここのところ、美並先輩と、これがいい、あれがいいって、やってたからそれなりに車の相場ってのがわかってきた。
 年式の古さを差し引いてもちょっと安すぎる気がする。

 「アハハ……事故車じゃないのは保証するよ……実は、これ、部長から回ってきたんだよ。」
 部長が、取引先との話をまとめる際に、社用車として購入した車らしい。
 ただ、別の車を社用車にすることで話が進んでいたらしく、……早い話がダブってるらしいのね。
 元々業者価格で安く仕入れたものを、そのまま回してもらっているからお得なんだって。
 さらに手続きなんかにかかる諸経費は部長持ちという好待遇……話がうますぎて却って怪しいってレベルだわ。

 まぁ、私は安く車が手に入る。三宅先輩は、部長にいい顔できる。部長は、悩んでいた案件にケリがつく……誰も損をしないっていう理想的な取引。
 「……ココは、買いますという選択肢以外ない気がするんですけど……。」
 「ま、そう言う事だね……じゃぁ、俺は部長に報告してくるよ。」
 そう言って三宅先輩が去っていく。

 「よかったの?」
 美並先輩が心配そうに聞いてくる
 「えぇ、確かにいい物件ですし……正直あの安さはありがたいです。」
 私は「エヘッ」と三宅先輩に笑ってみせる。
 「確かに、あの金額でナビまで付いてるってのは良いわね。」 
 「そうなんですよ……私方向音痴だから、ナビ様必須なの!」

 そんなやり取りがあってから2週間後に、私の車がやってきた。
 「どうだ、ピカピカだろ?」
 部長がそう言ってくる。
 「はい、素敵です!ありがとうございます!」
 なんでも、昨日の休日、一日かけて部長と三宅先輩で中も外も磨き上げてくれたらしい。
 「部長も若い子には甘いんだから……。」
 美並先輩がぼやいている。

 「ココを、こう押して、こうすればセット完了。後は音声に従えばokだ。」
 私は三宅先輩からナビの使い方を教わる。
 なんて言っても、これからは、私一人で取引先に行くことも多くなるから、ナビの使い方は最重要事項よ。

 「この『マーク』って何ですか?」
 「あぁ、それは、目的地とは別に気になるところがあったら、セットしておけば教えてくれるってやつ。……実際には、あまり使わないけどね。」
 三宅先輩の言うとおり、余り使い道がないように思えるわ。 
 その場所に行きたければ目的地にすればいいわけだし、途中で寄りたいなら経由地にセットすればいいだけの事だからね。
 一応マーク一覧というのを見てみる……どこもマークされていない……当り前よね。

 でも、これで憧れのマイカーを手に入れたわ。
 「喜んでくれて俺も嬉しいよ。」
 ルンルン♪ってしている私を見て三宅先輩が言う。
 「これで、遠慮なく、残業頼めるからな。」
 オィ……。
 私は、これでいいのか!と美並先輩に助けを求めるが……
 私と目があったはずの美並先輩は……目を逸らした。
 ……ブラック企業………。

 そして、世間一般で「夏休み」と呼ばれる頃……。
 「まどかちゃん、悪いんだけど、明日、隣の市の丸岡商事にこれを届けてきてほしいの。……初めていく場所だけど……大丈夫?」
 心配そうに聞いてくる美並先輩。
 「大丈夫ですよ。私にはナビちゃんがついてますから。」

 「そうね。」
 美並先輩が笑う。
 「本当は今日届けたかったんだけど……今夜、あの近くで花火大会があるでしょ?だから明日届けることになったのよ。先方は休みだけどわざわざ出社してくれるそうだから、直接行っていいけど、10時時間厳守よ。」
 「はーい、任せてくだっさーい。」

 私は、荷物を車に積み込む。
 「じゃぁ、今日は失礼しまーす。」
 「ハーイ、明日よろしくね。」
 私は、部屋のあるコーポ前の駐車場に車を止める。
 エンジンを切る前に、明日行く丸岡商事の場所をナビにセットする。
 「んー、40分か……結構かかるのね。」
 一応余裕を見て9時に出ればいっか。
 

 翌朝、私は丸岡商事に向けて車を走らせている。
 「時間に余裕はあるし、ナビは順調だし……帰りはちょっとぐらいカフェによってもいいよね?」
 信号待ちの間近くのカフェを検索しようとしたら……
 「マーク周辺です」
 いきなりナビから音声が出る。
 マーク委周辺って……マークなんて誰もしてないよね?
 そう言えばこの辺りって、花火大会の会場が近いよね?
 イベントとかの場所が自動的にマークされて教えてくれるのかな?
 まるでDM……便利な世の中だよね。
 ま、いいや、帰ったら三宅先輩に聞いてみよう。

 「え?勝手にマークされる?ないない、スマホじゃあるまいし、そんな便利な機能はついてないよ。」
 私の話を聞いた三宅先輩はすぐに否定をする。
 私のナビは最新型だけど、グレードが低くてスマホとの連動機構がないんだって。
 つまり、GPSで現在地を確認する以外、自動で情報を受信する機能がかなり制限されるらしいの。
 交通情報ならともかく、イベントの場所を自動でマークするなんてことはあり得ないらしいわ。

 「でも確かにマーク周辺って言ったんです。」
 「だけどなぁ……ほら、履歴にも残ってないだろ?」
 そうなのだ。マーク周辺ですと告げられた割には、マークした、されたという痕跡が全くない。
 
 「じゃぁ、明後日のお休み、一緒に来てください。実際に確かめましょう。」
 「おや?休日にデートの誘い?どうしようかなぁ……嫁が待ってるし……。」
 「違います。美並先輩も誘います。……それに、嫁って言っても再来月には別の嫁に変わってるじゃないですか?」
 「お、さすがまどかちゃん、鋭い突っ込みありがとう。……こういう話乗ってくれる人いないから……まどかちゃんみたいな同士が増えてうれしいよ!」
 「同士じゃないですから!」
 
 
 翌々日、私は美並先輩と三宅先輩を乗せて、丸岡商事へ向かう道を走る。
 出発前にマークが一つもされていないことは、三宅先輩にも確認してもらっている。
 「そろそろ、問題の場所です。」
 前回ナビの音声が出た辺りを通る。
 「マーク周辺です」
 「ほらぁ!……聞いたでしょ、聞いたでしょ!」
 「わわ、まどかちゃん、前、前!」
 少しパニくる私に、前を見るように注意してくれる美並先輩。
 「まどかちゃん、そこのコンビニに入って。」
 三宅先輩が言う。
 車を止めて、ナビをチェックするんだって。

 「はいコーヒー。まどかちゃんゆっくり飲んで落ち着いてね。……三宅君の分、置いとくわよ。」
 美並先輩がコーヒーをご馳走してくれる。
 「ダメだ!わからん!」
 しばらくして三宅先輩が匙を投げる。
 ネットとかで調べてもそれっぽい症例すら見つからなかったらしい。
 「……気持ち悪いけど……この辺に来なければ……いいよね?」
 私はぼそりと呟く。
 二人は何も答えない。

 「あ、そう言えば、この間の花火大会でね……。」
 美並先輩が、話題を変えようと、別の話を振ってくる。
 「そうそう、なんか行方不明なんだって?」
 三宅先輩もその話に乗っかる。
 花火大会の後、帰宅途中の女子中学生が、今から帰るというメッセージを残したのを最後に行方知れずになっているって事件の話だよね。
 「誘拐ですかね?……それとも神隠し?」
 「アハハ、神隠しなんて、まどかちゃんオカルト好き?」
 「これでも女の子ですから、それなりには。」
 美並先輩を見ると、顔が青ざめている。
 
 「そ、そういう話は無しにしましょ。」
 美並先輩は、こう見えて怖がりだったりするのよ。
 先日、修学旅行先で、話の流れで昔の不思議体験を話したのね。
 そうしたら一晩中ギュっとされていた……怯える先輩可愛かったなぁ……危ない道に目覚めちゃいそうだよ。
 先輩はずっと「怖いんじゃないからねっ!」って言ってたけど、目に涙浮かべてブルブルしていたんじゃ説得力無いよね。

 結局、その日はそのまま帰ったんだけど……


 「朝岡。悪いが、今すぐ丸岡商事へ行ってデータを受け取ってきてくれ。急ぐんだ。」
 翌々日、社長からそう言われた。
 いやだなぁ……行きたくないよぉ。
 「急ぎなら、データ送ってもらえばいいんじゃないでしょうか?」
 「俺もそう言ったんだがな、相手はじぃさんで、使い方がわからんと。なんだったら向こうについたら、パソコン借りてデータ送ってくれ。そうすれば片道分早く済む。」
 「わかりました。」
 私は社長に返事をして会社を出る……行きたくないよぉ……。

 そして例の場所に差し掛かる。
 「マーク周辺です」
 もぅやだー!

 私はその後丸岡商事さんでデータを受け取り、ついでにパソコンを借りて社長あてに送る。
 電話で届いたことを確認してから、丸岡商事を後にした。

 「直接帰っていいって言われたけど……。」
 帰りもあそこを通るのかぁ。
 そのまま一人っきりの部屋……怖くて帰れないかも。
 「会社に寄って美並先輩とお茶してから帰ろ。」
 そんな事を思っている内に、例の場所に差し掛かる……。
 
 「マーク周辺です」
 もうヤダー……
 「……ハヤク……ハヤク……」
 えッ?
 今の……
 確かに聞こえたよ……「早く」って……

 「イヤーッ!」
 私は無我夢中でアクセルを踏みこんだ。

 正直どうやって会社までたどり着いたのか記憶にない。
 気がついたら美並先輩に抱き着いていたの。

 「落ち着いた?」
 「はい……ごめんなさい。取り乱しちゃって。」
 「あのナビ……取り替えてもらったら?」
 「そうですね……そうします。」
 私は、もう何も考えられなかった。
 深い底から聞こえるような、あのハヤクって声……。
 もうヤダよぉ……。

 美並先輩から体を離そうとしたとき、ラジオの声が耳に入ってくる。
 「本日未明、先日より行方知れずだった光岡望さん(15歳)が近くの古い神社の境内で、遺体となって発見されました。警察では、事故と殺人の両面より操作をしています。繰り返します、本日未明、……。」
 ニュース速報だ。
 この間話していた、行方不明の女の子が見つかったらしい……遺体でだけど。
 「これって、この間の……痛ましいわね。」
 先輩がそうつぶやく。ニュースの子が通う中学の隣の中学校を先輩が担当している。
 同年代の事接している分思うところがあるのかな?

 「あ、センパイ、ごめんなさい。……私そろそろ帰ります。」
 私は先輩から離れると帰り支度を始める。
 「大丈夫?送っていこうか?」
 「ありがとうございます。でも、そうすると明日が大変ですので……がんばって帰ります。」
 「そう……無理しないでね。」
 
 私は車に乗り込む……ナビを見ているだけで怖くなってくるわ。
 私はナビの主電源を落とし、帰路に就いたの。


 翌日、私は先輩に頭を下げられている……困ったぞ。
 「ごめんね、まどかちゃん、本当にごめんね。」
 「うぅ……仕事ですからぁ……。」
 急に隣の市の中学校から、アルバムの入札依頼が来たのよ。
 例の女子中学生が通っていた学校……何か関係あるのかな?
 で、その説明会に美並先輩が行くんだけど、急に車が壊れちゃって……空いてるのが私しかいないのよ。
 一緒の乗せていくのは良いんだけど……例の場所通るのよね。
 「今晩、よかったらまどかちゃんの部屋に泊まりに行くから。」
 一晩中ずっとついていてくれるらしい。
 私も怖いけど、きっと先輩も怖いんだろうなぁ。

 道中、美並先輩が急な依頼の訳を話してくれる。
 なんでも、今までの業者が急に辞めたいと言ってきたらしいのね。
 今までのデータも無償で渡すし、違約金も払うから、とにかく辞めたいんだって。
 何かあったのかな?
 ウチとしては急な話ってこともあって、少し吹っ掛けるらしいんだけど、他の業者も軒並み断っているらしいから、たぶんウチがやる事になるだろうって話。
 急な話だから、新人(私の事らしい)が中心になってやるので多少の事は目をつぶってねって話をしに行くんだって。
 ……何か曰く付きっぽいところを担当させられるの靄だなぁ……
 
 そんな話をしているうちに例の場所に差し掛かる。
 ……。
 ナビが反応しないまま通り過ぎる。
 信号で曲がると……交通整理をする警察の人が立っていた。
 現場検証とかで回り道をしないといけないらしい。
 ……遺体が見つかった場所ってここだったんだ。

 結局、帰りも同じ場所を通ったがナビは反応しなかった。


 先輩がシャワーを浴びている。
 私はテレビをつける。
 ちょうどニュースの時間だったのね。
 ニュースでは、女子中学生を殺した犯人が捕まったってやってる。
 同じ中学の男子生徒だって。
 エッチ目的で神社まで連れ込んだけど、相手の抵抗にあって、つい殺しちゃったって……怖いなぁ。
 
 「何?ニュース?」
 「うん、あの中学生殺したの同じ学校の生徒だって……エッチ目的なんだって。」
 「うわぁ……最悪ね」

 「なお、この男子生徒は容疑を否認しており、わいせつ目的で襲ったが、意識を失ったのを見て怖くて逃げだした。その時は息もしていたし脈もあり、確かに生きていた。と供述しており……。」

 先輩がゆっくりと口を開く。
 「今日は、ナビ鳴らなかったね……遺体が見つかったから?」
 「そう……なのかな?」
 
 女子中学生が見つけてもらうために、ナビを通じて連絡していた……のだろうか?
 馬鹿馬鹿しい……そう言って切り捨てられたら楽なんだろうなぁ……。

 「……なお、男子生徒が襲った日時と発見されるまでの1週間、この神社への人の出入りがなかったわけでもなく、なぜ今まで見つからなかったのか……。」

 ニュースキャスターが、事件の詳細を話している。

 「一つ言えるのは……今夜は怖くて眠れないよってことです。」
 「そうね、今夜は一緒に居てあげるわ。」
 「……ほんとは先輩が怖いんでしょ?」
 「そ、そんな事……私はまどかちゃんが怖がってると思って……。」
 「先輩可愛いですぅ。」
 私は先輩をぎゅーって抱きしめた。

 今夜はこうやって騒いでナビの事は忘れてしまおう。
 うん、それがいいね。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月影の約束

藤原遊
ホラー
――出会ったのは、呪いに囚われた美しい青年。救いたいと願った先に待つのは、愛か、別離か―― 呪われた廃屋。そこは20年前、不気味な儀式が行われた末に、人々が姿を消したという場所。大学生の澪は、廃屋に隠された真実を探るため足を踏み入れる。そこで彼女が出会ったのは、儚げな美貌を持つ青年・陸。彼は、「ここから出て行け」と警告するが、澪はその悲しげな瞳に心を動かされる。 鏡の中に広がる異世界、繰り返される呪い、陸が抱える過去の傷……。澪は陸を救うため、呪いの核に立ち向かうことを決意する。しかし、呪いを解くためには大きな「代償」が必要だった。それは、澪自身の大切な記憶。 愛する人を救うために、自分との思い出を捨てる覚悟ができますか?

幸せの島

土偶の友
ホラー
夏休み、母に連れられて訪れたのは母の故郷であるとある島。 初めて会ったといってもいい祖父母や現代とは思えないような遊びをする子供たち。 そんな中に今年10歳になる大地は入っていく。 彼はそこでどんな結末を迎えるのか。 完結しましたが、不明な点があれば感想などで聞いてください。 エブリスタ様、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも投稿しています。

開示請求

工事帽
ホラー
不幸な事故を発端に仕事を辞めた男は、動画投稿で新しい生活を始める。順調に増える再生数に、新しい生活は明るいものに見えた。だが、投稿された一つのコメントからその生活に陰が差し始める。

リバーサイドヒル(River Side Hell)

グタネコ
ホラー
リバーサイドヒル。川岸のマンション。Hillのiがeに変わっている。リーバーサイドヘル 川岸の地獄。日が暮れて、マンションに明かりが灯る。ここには窓の数だけ地獄がある。次に越してくるのは誰? あなた?。

小さな王

ツヨシ
ホラー
人が消えて、船だけが流れ着いた

白いワンピースのお姉さん

Saki
ホラー
ある女性の幼少期、白いワンピースのお姉さんにまつわる怖い話。白いワンピースのお姉さんはどこにいる?

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

少年少女怪奇譚 〜一位ノ毒~

しょこらあいす
ホラー
これは、「無能でも役に立ちますよ。多分」のヒロインであるジュア・ライフィンが書いたホラー物語集。 ゾッとする本格的な話から物悲しい話まで、様々なものが詰まっています。 ――もしかすると、霊があなたに取り憑くかもしれませんよ。 お読みになる際はお気をつけて。 ※無能役の本編とは何の関係もありません。

処理中です...