35 / 59
第三部 仲良し姉妹
35 店舗実習1 接客
しおりを挟む
地元の飲食店での実習が始まった。
カフェやレストラン、ケーキ屋、パン屋など2.3人に分かれて受け入れてもらった。
「麻帆はカフェにしたんだ」
「なんかかっこいいから。おしゃれだし」
学校から10分ほど徒歩で離れた場所にある、ひだまりカフェに決めた。一緒に行くのは、大浦愛花さんと、桃谷優馬くん。
二人は付き合っているらしい。
今朝クラスメイトから教えられた。あたしは二人の関係にぜんぜん気づいていなかったから、少しきまずい。
一度登校してから、各店舗に向かう決まりになっていて、あたしたちは三人でひだまりカフェに向かっている。
大浦さんは桃谷くんを見上げ、ボブヘアを揺らして、頷いたり笑ったりしている。
桃谷くんも楽しそうに話している。
高さのある肩を並べて仲良く話している二人を、二歩ほど後ろから見ていた。
「なんか入りづらい」
普段から二人と仲の良いグループではない上に、付き合っていると聞かされて、さらに話しかけにくくなった。実習は明日もあるのに。
「気にしなくていいんじゃない。必要以上に仲良くしなくても大丈夫」
「そっか。そうだね」
一緒に実習を受けるんだから、仲良くしないとダメかなと思っていたけど、お姉ちゃんがそう言うなら、それでいいよね。
一軒家の一階にある、ひだまりカフェに着いた。淡い黄色を基調にした暖かな外観。黒板に描かれたチョークアートがあたしたちを出迎えてくれた。
お客さんに向けた高校調理科の実習生を迎えるメッセージと、あたしたちを歓迎する事をステキなイラストともに描いてくれていた。
桃谷くんが、ガラス越しに中を覗きながら木製の扉を開けた。チリンとドアベルが鳴る。
「いらっしゃい」
「今日と明日お世話になります。調理科三年の桃谷です。よろしくお願いします」
大浦さんとあたしも名乗って、ちょこんと頭を下げた。
「オーナーの樋口芙美子です。よろしくお願いします」
40歳半ばぐらいかな、ママと同じぐらいに見えるオーナーさんと挨拶を交わして、お店のバックヤードに案内された。
あたしたちは高校の制服の上から自前のエプロンを着ける。
大浦さんはピンク、桃谷くんは青。二人のエプロンをよく見ると、胸元にネコのシルエットが刺繡されていた。
「お揃いだ」
お姉ちゃんが呟く。あたしは見なかったフリをして、買ったばかりの深緑のエプロンを着けた。
「ではまず、お掃除からお願いします」
「はい」
お店に戻ると、オーナーさんから掃除の仕方を教わった。
天井から下がったオシャレなライトの傘を拭き、窓をピカピカにして、テーブルと床を拭いてアルコール除菌をして、個包装された焼き菓子を置いてあるレジ周辺も拭いて、トイレを掃除して。開店前からやることがたくさんで、手分けしたのに汗だくになった。
「お疲れ様。開店前に、ドリンク一杯ずつ飲んでいいよ。メニューから選んでね」
やった、と喜びながら、メニューを覗き込む。メニューは手書き。優しさを感じる少し丸い文字と、かわいいイラストが描かれている。
「看板商品は、生ジュースですか?」
桃谷くんがオーナーさんに訊ねた。
「ええ、そうよ。果物農家さんと契約してて、皮に傷ができて販売できないけど、味は変わらない新鮮な果物を、旬に合わせて分けてもらっているの。オレンジだけは定番メニューにしてるけど、種類は季節によって変えているのよ。今は甘夏ね」
「やっぱり、看板商品がないと。経営は難しいですか」
「そうね。立地の良い所だったら一見さんだけでやっていけるだろうけど、うちみたいに個人で住宅街にあるお店は、リピーターさん頼りだから」
桃谷くんが納得顔でふむふむ頷いて、生オレンジジュースを頼んだ。
大浦さんは生イチゴ、あたしも生オレンジを頼んだ。
キッチンは二階にあって、コップに注ぐのも自分たちでやった。
オレンジの濃厚な甘みと酸味が爽やかで、掃除で少し疲れていたからリフレッシュできた。
メニューはジュースの他に、サンドイッチ、ホットサンド、ピザトーストなどの軽食と、パスタは日替わりで3種類、ケーキが数種類あった。
厨房から料理専用のエレベーターを使って一階で受け取って、提供していると教えられる。
まずは二人が一階で、一人はキッチンをお願いと言われて、あたしたちは目を交わし合った。
「あたしはどっちからでもいいよ」
一緒に働きたいなら、二人が一階で接客からしてもらっていいし、やりたい方を優先させていい。
二人が決めるのを待っていると、
「僕、キッチンからいいですか?」
と桃谷くんが手をあげた。
「じゃ、女子二人は接客からね。お昼の混雑がすんだら、どちらかと交代しましょう」
促されて一階に戻る時、大浦さんは心細そうな顔で桃谷くんを見ていた。
♢
「い、いらっしゃいませ」
今日初めてのお客さんがカフェの扉を開けた。軽やかなドアベルの音とは逆に、あたしと大浦さんは緊張して、がちがち。挨拶の声も上擦ってしまった。
「ああ、高校の実習生。もうそんな時期なのね」
「一年はあっという間ですね」
女性のお客さんがオーナーと話をしながら、奥の席に座った。
「さっき教えた通りにやってみようか」
「はい」
開店前に、オーナーから接客の流れを教わった。
あたしと大浦さんは、どっちが行く? と目を交わし合った。
「ご注文は、お決まりですか?」
結局あたしが先に行くことになった。オーダー表とボールペンを持って、お客さんの席に向かう。
「ホットサンドのセット、アイスのカフェオレで」
オーダー表に座席番号とホトサン+アイオレと書く。
「ご注文を確認いたします。ホットサンドのセット、ドリンクはアイスカフェオレで、ございますね」
「はい」
お客さんから確認の返事をもらうと、今度はレジの裏に行って、カラオケボックスにあるような電話でキッチンにオーダーを伝える。
5分ほどして、調理用エレベーターが降りてきた。ブザーが鳴って、扉を開けると、香ばしい匂いを漂わせる木のトレーに載ったホットサンドとドリンクが届いた。
オーダーの品をトレーごと受け取り、さっきのお客さんに届ける。
本を読んでいたお客さんが、顔を上げて「ありがとう」と言ってくれた。
ぺこりと頭を下げて、テーブルから離れる。
学校でサーブの勉強もしたけど、緊張のあまり全部抜け落ちていた。
お昼を回って、お客さんが増えてくると、気持ちが焦った。
テーブル番号を間違えてオーダーの品を持っていってしまったり、大浦さんと何度かぶつかりそうになったり。零したり落としたりはしなかったけれど、何回かひやりとした。
ようやくお昼の混雑が落ち着いて、お昼休憩どうぞ、と言われた時には、すっかり疲れてしまった。
三階の休憩室に3人が集まる。あたしと大浦さんはぐったり。持参したお弁当はテーブルに置いたけど、手を付けてない。あたしたちは食欲がないのに、桃谷くんは楽しそうにしていた。
「食べないと、持たないよ」
お姉ちゃんが言ってくるから、仕方なく身を起こして箸をつけた。
「昼からの交代どうする?」
桃谷くんが聞いてくる。大浦さんを見ると、なんだか不機嫌そうだった。桃谷くんをちらりとも見ていない。
大浦さんは桃谷くんと一緒に接客がいいのかなと思って、「あたし、キッチンに」と言おうとして、
「私、キッチンに行く」
大浦さんに先を越された。
カフェやレストラン、ケーキ屋、パン屋など2.3人に分かれて受け入れてもらった。
「麻帆はカフェにしたんだ」
「なんかかっこいいから。おしゃれだし」
学校から10分ほど徒歩で離れた場所にある、ひだまりカフェに決めた。一緒に行くのは、大浦愛花さんと、桃谷優馬くん。
二人は付き合っているらしい。
今朝クラスメイトから教えられた。あたしは二人の関係にぜんぜん気づいていなかったから、少しきまずい。
一度登校してから、各店舗に向かう決まりになっていて、あたしたちは三人でひだまりカフェに向かっている。
大浦さんは桃谷くんを見上げ、ボブヘアを揺らして、頷いたり笑ったりしている。
桃谷くんも楽しそうに話している。
高さのある肩を並べて仲良く話している二人を、二歩ほど後ろから見ていた。
「なんか入りづらい」
普段から二人と仲の良いグループではない上に、付き合っていると聞かされて、さらに話しかけにくくなった。実習は明日もあるのに。
「気にしなくていいんじゃない。必要以上に仲良くしなくても大丈夫」
「そっか。そうだね」
一緒に実習を受けるんだから、仲良くしないとダメかなと思っていたけど、お姉ちゃんがそう言うなら、それでいいよね。
一軒家の一階にある、ひだまりカフェに着いた。淡い黄色を基調にした暖かな外観。黒板に描かれたチョークアートがあたしたちを出迎えてくれた。
お客さんに向けた高校調理科の実習生を迎えるメッセージと、あたしたちを歓迎する事をステキなイラストともに描いてくれていた。
桃谷くんが、ガラス越しに中を覗きながら木製の扉を開けた。チリンとドアベルが鳴る。
「いらっしゃい」
「今日と明日お世話になります。調理科三年の桃谷です。よろしくお願いします」
大浦さんとあたしも名乗って、ちょこんと頭を下げた。
「オーナーの樋口芙美子です。よろしくお願いします」
40歳半ばぐらいかな、ママと同じぐらいに見えるオーナーさんと挨拶を交わして、お店のバックヤードに案内された。
あたしたちは高校の制服の上から自前のエプロンを着ける。
大浦さんはピンク、桃谷くんは青。二人のエプロンをよく見ると、胸元にネコのシルエットが刺繡されていた。
「お揃いだ」
お姉ちゃんが呟く。あたしは見なかったフリをして、買ったばかりの深緑のエプロンを着けた。
「ではまず、お掃除からお願いします」
「はい」
お店に戻ると、オーナーさんから掃除の仕方を教わった。
天井から下がったオシャレなライトの傘を拭き、窓をピカピカにして、テーブルと床を拭いてアルコール除菌をして、個包装された焼き菓子を置いてあるレジ周辺も拭いて、トイレを掃除して。開店前からやることがたくさんで、手分けしたのに汗だくになった。
「お疲れ様。開店前に、ドリンク一杯ずつ飲んでいいよ。メニューから選んでね」
やった、と喜びながら、メニューを覗き込む。メニューは手書き。優しさを感じる少し丸い文字と、かわいいイラストが描かれている。
「看板商品は、生ジュースですか?」
桃谷くんがオーナーさんに訊ねた。
「ええ、そうよ。果物農家さんと契約してて、皮に傷ができて販売できないけど、味は変わらない新鮮な果物を、旬に合わせて分けてもらっているの。オレンジだけは定番メニューにしてるけど、種類は季節によって変えているのよ。今は甘夏ね」
「やっぱり、看板商品がないと。経営は難しいですか」
「そうね。立地の良い所だったら一見さんだけでやっていけるだろうけど、うちみたいに個人で住宅街にあるお店は、リピーターさん頼りだから」
桃谷くんが納得顔でふむふむ頷いて、生オレンジジュースを頼んだ。
大浦さんは生イチゴ、あたしも生オレンジを頼んだ。
キッチンは二階にあって、コップに注ぐのも自分たちでやった。
オレンジの濃厚な甘みと酸味が爽やかで、掃除で少し疲れていたからリフレッシュできた。
メニューはジュースの他に、サンドイッチ、ホットサンド、ピザトーストなどの軽食と、パスタは日替わりで3種類、ケーキが数種類あった。
厨房から料理専用のエレベーターを使って一階で受け取って、提供していると教えられる。
まずは二人が一階で、一人はキッチンをお願いと言われて、あたしたちは目を交わし合った。
「あたしはどっちからでもいいよ」
一緒に働きたいなら、二人が一階で接客からしてもらっていいし、やりたい方を優先させていい。
二人が決めるのを待っていると、
「僕、キッチンからいいですか?」
と桃谷くんが手をあげた。
「じゃ、女子二人は接客からね。お昼の混雑がすんだら、どちらかと交代しましょう」
促されて一階に戻る時、大浦さんは心細そうな顔で桃谷くんを見ていた。
♢
「い、いらっしゃいませ」
今日初めてのお客さんがカフェの扉を開けた。軽やかなドアベルの音とは逆に、あたしと大浦さんは緊張して、がちがち。挨拶の声も上擦ってしまった。
「ああ、高校の実習生。もうそんな時期なのね」
「一年はあっという間ですね」
女性のお客さんがオーナーと話をしながら、奥の席に座った。
「さっき教えた通りにやってみようか」
「はい」
開店前に、オーナーから接客の流れを教わった。
あたしと大浦さんは、どっちが行く? と目を交わし合った。
「ご注文は、お決まりですか?」
結局あたしが先に行くことになった。オーダー表とボールペンを持って、お客さんの席に向かう。
「ホットサンドのセット、アイスのカフェオレで」
オーダー表に座席番号とホトサン+アイオレと書く。
「ご注文を確認いたします。ホットサンドのセット、ドリンクはアイスカフェオレで、ございますね」
「はい」
お客さんから確認の返事をもらうと、今度はレジの裏に行って、カラオケボックスにあるような電話でキッチンにオーダーを伝える。
5分ほどして、調理用エレベーターが降りてきた。ブザーが鳴って、扉を開けると、香ばしい匂いを漂わせる木のトレーに載ったホットサンドとドリンクが届いた。
オーダーの品をトレーごと受け取り、さっきのお客さんに届ける。
本を読んでいたお客さんが、顔を上げて「ありがとう」と言ってくれた。
ぺこりと頭を下げて、テーブルから離れる。
学校でサーブの勉強もしたけど、緊張のあまり全部抜け落ちていた。
お昼を回って、お客さんが増えてくると、気持ちが焦った。
テーブル番号を間違えてオーダーの品を持っていってしまったり、大浦さんと何度かぶつかりそうになったり。零したり落としたりはしなかったけれど、何回かひやりとした。
ようやくお昼の混雑が落ち着いて、お昼休憩どうぞ、と言われた時には、すっかり疲れてしまった。
三階の休憩室に3人が集まる。あたしと大浦さんはぐったり。持参したお弁当はテーブルに置いたけど、手を付けてない。あたしたちは食欲がないのに、桃谷くんは楽しそうにしていた。
「食べないと、持たないよ」
お姉ちゃんが言ってくるから、仕方なく身を起こして箸をつけた。
「昼からの交代どうする?」
桃谷くんが聞いてくる。大浦さんを見ると、なんだか不機嫌そうだった。桃谷くんをちらりとも見ていない。
大浦さんは桃谷くんと一緒に接客がいいのかなと思って、「あたし、キッチンに」と言おうとして、
「私、キッチンに行く」
大浦さんに先を越された。
0
あなたにおすすめの小説
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
氷雨と猫と君〖完結〗
カシューナッツ
恋愛
彼とは長年付き合っていた。もうすぐ薬指に指輪をはめると思っていたけれど、久しぶりに呼び出された寒い日、思いもしないことを言われ、季節外れの寒波の中、帰途につく。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中ーー完結!!】
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
二十年の裏切りの果て、その事実だけを抱え、離縁状を置いて家を出た。
そこで待っていたのは、凍てつく絶望――。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と縋られても、
死の淵を彷徨った私には、裏切ったあなたを許す力など残っていない。
「でも、子供たちの心だけは、
必ず取り戻す」
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔い、歪な愛でもいいと手を伸ばした彼女が辿り着いた先。
それは、「歪で、完全な幸福」か、それとも――。
これは、"石"に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!
星野日菜
ファンタジー
転生したら……え? 前世で読んだ少女漫画のなか?
しかもヒロイン?
……あの王子変態すぎて嫌いだったんだけど……?
転生令嬢と国の第二王子のクエスチョンラブコメです。
本編完結済み
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる