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第2章:黄昏時の獅子
■12 黄昏時の対決②
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「じゃあ行くぜ!俺のターンだ」
私とレオの対戦が始まった。
私のデッキは前と変わっていない。もう少し、このデッキに慣れておきたかった。と言うか、私他にカード持ってないんだけどね。
「ドロー!うーん。ターンエンドだ」
「えっ!?」
「どうした?初ターンでなにもせずにターンエンドなんてよくあるだろ」
「そうなんだ。ごめん。私は、昨日始めたばかりだから」
「昨日?なら都合がいい。こっから覚えていけよ」
「うん。じゃあ私のターンだね、ドロー!」
私のターンになった。
手札はそんなに悪くない。この手札で最初にやることは……
「私は〈見習い魔術師〉をコール!
私がそう呟きながらカードを前列中央に置くと私とレオの間のスペースが急に瞬いた。
さらにそこに現れたのは私のコールした〈見習い魔術師〉に瓜二つのユニオンだった。
「えっ、なにコレ!」
「これがこの空間の特徴だよ。さっきも言ったでしょ、ここは私達のいた世界と彩葉達の住んでる世界の境目なんだって!」
「いや、だからって……」
「おいおい一々驚くなっての」
「いや驚くよ!」
レオは意外にもあっさりしていた。
さっきは凄く驚いていたけど、今では慣れ切っている。
「まあいっか。ターンエンド」
「よし、じゃあ俺のターンだな。ドロー!」
今度はレオの2ターン目だ。
レオはどんなカードを使うんだろ。楽しみ。
「じゃあ行くぜ!〈森の人〉をコール!」
そこに現れたのは緑のターバンみたいなのを巻いた人型のユニオンだった。
でも少し耳が長い。エルフってやつかな?
「緑のカード?」
「おう。緑のカードを見るのは初めてか?」
「うん」
「そっか。じゃあ見てろよ。って、このターンはこれで終わりだけどな」
「えっ!?」
「ほら、彩葉のターン」
「あっ、うん」
私のターンが回ってきた。
何だか拍子抜けしちゃうよ。そんな気の緩んだ私は、少し攻めてみることにした。
「〈見習い魔術師〉をコール。さらに〈魔獣 バーンウルフ〉をコール!〈バーンウルフ〉は“私の場に〈魔術師〉が存在する時、コストが1下がる”んだよ!」
「へぇー。それで攻撃か」
「うん。まずは〈見習い魔術師〉で攻撃!」
私は〈見習い魔術師〉で早速攻撃した。
すると〈見習い魔術師〉が手に持った杖でたどたどしく魔法を放つ。そのエフェクトは迫力があった。
対するレオの〈森の人〉は〈見習い魔術師〉の魔法で破壊されてしまい、そのまま場からいなくなっちゃった。何だかかわいそう。
「ありがとな」
「今度は〈バーンウルフ〉だよ!」
すると今度は炎を纏った〈バーンウルフ〉が攻め立てる。
燃える体で突進し、レオに噛みつこうとする。だけどレオに届く前にはエフェクトは終わり、攻撃を食らったレオは少し痛そうだった。
「マジかよ。フィードバックあんのか」
「えっ!?」
「大丈夫だよ彩葉!負けても怪我とかしないし、死んじゃったりしないから」
「でも痛いんでしょ」
「ちょっとだけね」
アルルってもしかしてサイコなのかな?私は不穏な気持ちになる。
しかしレオは如何ってことないって感じで、自分のターンを迎えた。
「やってくれたな。じゃあ今度は俺の番だ、ドロー!」
「うん」
「行くぜ。まずは〈密林の弓兵〉を後列にコール!それから〈密林の狩人〉と〈ゼブライアン〉をコールだ!」
「えっ、一気にそんなに!」
レオは畳み掛けるようにユニオンをコールした。
弓を持ったエルフ。ナイフを持ったエルフ。それから雷みたいなのを纏ったシマウマが現れる。
その圧倒的な威圧感に気圧されてしまいそうだ。
「〈ゼブライアン〉の効果だ。このユニオンは同列にユニオンがいても相手に攻撃できる!」
「えっ!?」
「行け、〈ゼブライアン〉!」
レオは〈ゼブライアン〉で攻撃を仕掛ける。
私は止める手段などなく、攻撃を食らった。するとズシっと痛みが走る。
ふと崩れそうになるけど耐えることは容易だった。
「本当だ。ちょっと痛い」
「だろ」
「ダメージ……あっ、◆マーク!」
「げっ!」
レオは小さく悲鳴を上げた。
私の捲ったのは〈ダブルドロー〉。単純に2枚引くだけのカードだ。
ちなみにこのカード、玲夜さんと対戦した時にも捲れたけど、玲夜さん曰く強いらしい。カードゲームにおいて手札が増えるのはいいことなのだそうだ。
まあ私はカードゲーム初心者なのでよくわかんなかったけど、実際そうらしい。
「2枚引くよ」
「ちぇっ。まあいいや。〈密林の弓兵〉で攻撃。それから〈密林の狩人〉でダイレクトだ!」
「うわぁ!」
もう1点食らった。
今度は流石に◆は捲れなかったけど、これでダメージは2。負けに近づいたけど、まだまだこれから。ここからは私の反撃だ。
「ターンエンド」
「私のターン!」
それから私のターンに回った。
それでゲームが動いたのは互いのダメージが4枚になった時だった。
私とレオの対戦が始まった。
私のデッキは前と変わっていない。もう少し、このデッキに慣れておきたかった。と言うか、私他にカード持ってないんだけどね。
「ドロー!うーん。ターンエンドだ」
「えっ!?」
「どうした?初ターンでなにもせずにターンエンドなんてよくあるだろ」
「そうなんだ。ごめん。私は、昨日始めたばかりだから」
「昨日?なら都合がいい。こっから覚えていけよ」
「うん。じゃあ私のターンだね、ドロー!」
私のターンになった。
手札はそんなに悪くない。この手札で最初にやることは……
「私は〈見習い魔術師〉をコール!
私がそう呟きながらカードを前列中央に置くと私とレオの間のスペースが急に瞬いた。
さらにそこに現れたのは私のコールした〈見習い魔術師〉に瓜二つのユニオンだった。
「えっ、なにコレ!」
「これがこの空間の特徴だよ。さっきも言ったでしょ、ここは私達のいた世界と彩葉達の住んでる世界の境目なんだって!」
「いや、だからって……」
「おいおい一々驚くなっての」
「いや驚くよ!」
レオは意外にもあっさりしていた。
さっきは凄く驚いていたけど、今では慣れ切っている。
「まあいっか。ターンエンド」
「よし、じゃあ俺のターンだな。ドロー!」
今度はレオの2ターン目だ。
レオはどんなカードを使うんだろ。楽しみ。
「じゃあ行くぜ!〈森の人〉をコール!」
そこに現れたのは緑のターバンみたいなのを巻いた人型のユニオンだった。
でも少し耳が長い。エルフってやつかな?
「緑のカード?」
「おう。緑のカードを見るのは初めてか?」
「うん」
「そっか。じゃあ見てろよ。って、このターンはこれで終わりだけどな」
「えっ!?」
「ほら、彩葉のターン」
「あっ、うん」
私のターンが回ってきた。
何だか拍子抜けしちゃうよ。そんな気の緩んだ私は、少し攻めてみることにした。
「〈見習い魔術師〉をコール。さらに〈魔獣 バーンウルフ〉をコール!〈バーンウルフ〉は“私の場に〈魔術師〉が存在する時、コストが1下がる”んだよ!」
「へぇー。それで攻撃か」
「うん。まずは〈見習い魔術師〉で攻撃!」
私は〈見習い魔術師〉で早速攻撃した。
すると〈見習い魔術師〉が手に持った杖でたどたどしく魔法を放つ。そのエフェクトは迫力があった。
対するレオの〈森の人〉は〈見習い魔術師〉の魔法で破壊されてしまい、そのまま場からいなくなっちゃった。何だかかわいそう。
「ありがとな」
「今度は〈バーンウルフ〉だよ!」
すると今度は炎を纏った〈バーンウルフ〉が攻め立てる。
燃える体で突進し、レオに噛みつこうとする。だけどレオに届く前にはエフェクトは終わり、攻撃を食らったレオは少し痛そうだった。
「マジかよ。フィードバックあんのか」
「えっ!?」
「大丈夫だよ彩葉!負けても怪我とかしないし、死んじゃったりしないから」
「でも痛いんでしょ」
「ちょっとだけね」
アルルってもしかしてサイコなのかな?私は不穏な気持ちになる。
しかしレオは如何ってことないって感じで、自分のターンを迎えた。
「やってくれたな。じゃあ今度は俺の番だ、ドロー!」
「うん」
「行くぜ。まずは〈密林の弓兵〉を後列にコール!それから〈密林の狩人〉と〈ゼブライアン〉をコールだ!」
「えっ、一気にそんなに!」
レオは畳み掛けるようにユニオンをコールした。
弓を持ったエルフ。ナイフを持ったエルフ。それから雷みたいなのを纏ったシマウマが現れる。
その圧倒的な威圧感に気圧されてしまいそうだ。
「〈ゼブライアン〉の効果だ。このユニオンは同列にユニオンがいても相手に攻撃できる!」
「えっ!?」
「行け、〈ゼブライアン〉!」
レオは〈ゼブライアン〉で攻撃を仕掛ける。
私は止める手段などなく、攻撃を食らった。するとズシっと痛みが走る。
ふと崩れそうになるけど耐えることは容易だった。
「本当だ。ちょっと痛い」
「だろ」
「ダメージ……あっ、◆マーク!」
「げっ!」
レオは小さく悲鳴を上げた。
私の捲ったのは〈ダブルドロー〉。単純に2枚引くだけのカードだ。
ちなみにこのカード、玲夜さんと対戦した時にも捲れたけど、玲夜さん曰く強いらしい。カードゲームにおいて手札が増えるのはいいことなのだそうだ。
まあ私はカードゲーム初心者なのでよくわかんなかったけど、実際そうらしい。
「2枚引くよ」
「ちぇっ。まあいいや。〈密林の弓兵〉で攻撃。それから〈密林の狩人〉でダイレクトだ!」
「うわぁ!」
もう1点食らった。
今度は流石に◆は捲れなかったけど、これでダメージは2。負けに近づいたけど、まだまだこれから。ここからは私の反撃だ。
「ターンエンド」
「私のターン!」
それから私のターンに回った。
それでゲームが動いたのは互いのダメージが4枚になった時だった。
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