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第1章:それは始まりの夢
■2 謎のデッキ達
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とりあえず顔を洗ってさっぱりした。
髪も完全に溶かし、私はリビングに戻る。
「お母さん、顔洗ってきたよ。ねえさっき言ってた小包って?」
「そこに置いてあるでしょ?」
「そこ?あっ、コレか」
私は机の上に置かれていた小さな小包、と言うかダンボール箱を見つけた。
手に取ってみると、確かに私宛になっている。差出人は……って、なんにも書いてない。どう言うことだろ?
「お母さんこの箱辺だよ。差出人の宛名がない」
「変ねー。返品するなら後で郵便局にでも持っていっておくわね」
「うん。でも、私宛にってことは私が決めていいってことだよね?うーん……(開けてみよっかな)」
私は開けてみることにした。
ハサミを取り出し、透明テープを引き裂く。
ギィィィィィィィ
パカッ!
私はダンボール箱を開けた。
すると中にはプチプチした吸収剤と、その中央に白い箱が入っていて。
「箱の中に箱?ってことはこの中だよね?」
私は箱を取り出す。
軽く振ってみるがあんまり音はしない。カタカタと鈍い音がするだけだ。ちょっと不気味だけど、危ないものは入っていないはずだ。
「中身なんだろ。食べ物……とかじゃないと思うけど。ん?」
私はおどおどしながら箱の中を開けてみた。
すると中に入っていたのはまたケースだ。
だけど今度のはちょっと違う。
プラッチックじゃなさそうで、ちょっぴりザラザラしている。何だが高そうだ。
しかも少し重たい。もしかしたら中に何か入ってるのかも。
私は気持ちがオドオドからワクワクに変わり、中を見てみる。すると中に入っていたのは紙の束だった。しかもテレビやネットのCMでも見たことがある。私でも名前ぐらいは聞いたことがあった。
「コレってデッキってやつだよね?裏面は……やっぱりこのマーク。確か、オーバーリンカーだっけ?」
そこに入っていたのはオーバーリンカーと呼ばれるカードゲームのカードだった。
私は残念ながらやったことはないけどクラスでも男女問わず流行っているし、多分日本全国、もしかしたら世界でも流行ってるかも。
ルールはそんなに難しくないらしいけど、私が今までやってこなかったのはそんなにカードゲームが得意じゃなかったからだ。そもそもTCG?とか言うジャンル自体、よくわかんない。マジで初心者だった。
だけど……
「なんでこんなのが私のところに?」
私はカードをパラパラと見てみる。
うん。わかんない。何が強いのかとか何が弱いのかとかわかんないけど、中には一応小さく説明書が入っていた。それらもパラパラと読みながら私は簡単にルールを学ぶ。
そんな過程で私はふと一種類だけ、と言うかその中でも特に一枚。おんなじカードが四枚あったけど、その中でもたったの一枚だけがちょっぴり温かかった。
「あれ?このカードだけ少し温かい?」
私は不思議に思いカードを見つめた。
そのカードは女の子の絵が描いてあった。真っ白な髪。それから魔法使いみたいなコスプレをしている。手には杖を持っていて、目の色は青い。可愛い。
服装も全体的に白いのが印象的だ。
「名前は……〈無色の魔術師 アルル〉?」
「呼んだ?」
「えっ!?」
私は驚いて立ち上がった。
膝がガクガク震える。頭を押さえて勘違いじゃないかと首を振った。
「今カードから声が聞こえたような」
「うんうん、そうだよ」
「えっ!?」
私はさっきよりももっと大きな悲鳴を上げた。
その声に気がついてお母さんは心配そうに私を見る。
「どうしたの彩葉?」
「えっ?」
「具合でも悪いの?」
「そ、そんなことないよ。あっ、ご、ご馳走様。私、上がるね」
「あっ、ちょっと彩葉!」
私はデッキの束をケースに戻し、急いで自分の部屋に戻った。
(な、なんで。なんでカードが喋ってるの?しかもさっきの感じ、私だけにしか聞こえてないみたいだし。もうなにこれ!?」
私は混乱していた。
しかしそんな私にアルルは楽しそうだった。
「彩葉かー。いい名前だね」
「もうちょっと黙ってて!」
私はカードに対して怒鳴りつけていた。
髪も完全に溶かし、私はリビングに戻る。
「お母さん、顔洗ってきたよ。ねえさっき言ってた小包って?」
「そこに置いてあるでしょ?」
「そこ?あっ、コレか」
私は机の上に置かれていた小さな小包、と言うかダンボール箱を見つけた。
手に取ってみると、確かに私宛になっている。差出人は……って、なんにも書いてない。どう言うことだろ?
「お母さんこの箱辺だよ。差出人の宛名がない」
「変ねー。返品するなら後で郵便局にでも持っていっておくわね」
「うん。でも、私宛にってことは私が決めていいってことだよね?うーん……(開けてみよっかな)」
私は開けてみることにした。
ハサミを取り出し、透明テープを引き裂く。
ギィィィィィィィ
パカッ!
私はダンボール箱を開けた。
すると中にはプチプチした吸収剤と、その中央に白い箱が入っていて。
「箱の中に箱?ってことはこの中だよね?」
私は箱を取り出す。
軽く振ってみるがあんまり音はしない。カタカタと鈍い音がするだけだ。ちょっと不気味だけど、危ないものは入っていないはずだ。
「中身なんだろ。食べ物……とかじゃないと思うけど。ん?」
私はおどおどしながら箱の中を開けてみた。
すると中に入っていたのはまたケースだ。
だけど今度のはちょっと違う。
プラッチックじゃなさそうで、ちょっぴりザラザラしている。何だが高そうだ。
しかも少し重たい。もしかしたら中に何か入ってるのかも。
私は気持ちがオドオドからワクワクに変わり、中を見てみる。すると中に入っていたのは紙の束だった。しかもテレビやネットのCMでも見たことがある。私でも名前ぐらいは聞いたことがあった。
「コレってデッキってやつだよね?裏面は……やっぱりこのマーク。確か、オーバーリンカーだっけ?」
そこに入っていたのはオーバーリンカーと呼ばれるカードゲームのカードだった。
私は残念ながらやったことはないけどクラスでも男女問わず流行っているし、多分日本全国、もしかしたら世界でも流行ってるかも。
ルールはそんなに難しくないらしいけど、私が今までやってこなかったのはそんなにカードゲームが得意じゃなかったからだ。そもそもTCG?とか言うジャンル自体、よくわかんない。マジで初心者だった。
だけど……
「なんでこんなのが私のところに?」
私はカードをパラパラと見てみる。
うん。わかんない。何が強いのかとか何が弱いのかとかわかんないけど、中には一応小さく説明書が入っていた。それらもパラパラと読みながら私は簡単にルールを学ぶ。
そんな過程で私はふと一種類だけ、と言うかその中でも特に一枚。おんなじカードが四枚あったけど、その中でもたったの一枚だけがちょっぴり温かかった。
「あれ?このカードだけ少し温かい?」
私は不思議に思いカードを見つめた。
そのカードは女の子の絵が描いてあった。真っ白な髪。それから魔法使いみたいなコスプレをしている。手には杖を持っていて、目の色は青い。可愛い。
服装も全体的に白いのが印象的だ。
「名前は……〈無色の魔術師 アルル〉?」
「呼んだ?」
「えっ!?」
私は驚いて立ち上がった。
膝がガクガク震える。頭を押さえて勘違いじゃないかと首を振った。
「今カードから声が聞こえたような」
「うんうん、そうだよ」
「えっ!?」
私はさっきよりももっと大きな悲鳴を上げた。
その声に気がついてお母さんは心配そうに私を見る。
「どうしたの彩葉?」
「えっ?」
「具合でも悪いの?」
「そ、そんなことないよ。あっ、ご、ご馳走様。私、上がるね」
「あっ、ちょっと彩葉!」
私はデッキの束をケースに戻し、急いで自分の部屋に戻った。
(な、なんで。なんでカードが喋ってるの?しかもさっきの感じ、私だけにしか聞こえてないみたいだし。もうなにこれ!?」
私は混乱していた。
しかしそんな私にアルルは楽しそうだった。
「彩葉かー。いい名前だね」
「もうちょっと黙ってて!」
私はカードに対して怒鳴りつけていた。
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