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そのじゅうご
そのじゅうご
しおりを挟む「…じゃあね、みいくん。パパ行ってくるからね…お利口にしてママと一緒に…」
「はよ行けっ!遅刻するっ!」
毎朝の流れも最早定番となりました。
「あっぷう」
尊送り出すと満足そうに頷くみいくん。
もう首もすわったからソファーで膝の上お座りしてもぐらぐらしなくなった。
たそがれ時に泣くと言う不思議な現象も無く。
ああ、尊に襲われそうになったら泣くな。
なのにあたしが。
「まあいっか」
と思ってる時は泣かないと言うなんとも空気読む赤子、満。
「ほうら、みいくんうさぎさんだよお」
パイル地のラトルをふりふりすると。
「うっあう」
手伸ばして掴もうとする。よし、遊びながら反射神経の訓練じゃ。
まずは動体視力を鍛えるのだ。
左手から右手へ移動させると頭動かしながら眼で追う。
うむ。その調子じゃ、息子よ。
だんだん右左の受け渡しを加速して行き。
いつの間にやら自分の腕振り運動へ。
「んにゃあっ」
おや、ぐずり出した。はは、は。動体視力はまだ早かったか。
「ほらほら、うさぎさんだよ。みいくん」
眼の前で見せてやると自分の手で取ろうとする。
「んー?これはみいくんのうさぎさんでちゅかあ?」
「んきゃっ」
「そうかそうか、みいくんのお友達のうさぎさんでちゅかあ」
ラトル持ってぶんぶん手振って嬉しそうなみいくん。
「んっきゃっ」
授乳の時間もだいぶ落ち着いて回数も減ってきた。
そろそろお昼。自分のご飯の前にみいくんのおっぱい。
相変わらずおっぱいにかぶりつく赤子。
いたた。吸引力が凄いんでちょっと痛くなる。
この吸引力はなんだろな。他のお子さんと比べてみたいな。比べてウチの子が一番凄かったら嫌だな。
「こりゃ、もう終わりかい」
おっぱいから口離すみいくん。もう飽きたか。
「んじゃ、ミルク飲んどこうかねえ」
おっぱいしまおうとすると。
名残惜しげに一吸い。なんなんだ、ウチの息子は。
ミルク飲ませてあたしのご飯。今日は豆乳つかったクラムチャウダーとツナトマトサンド。
最近尊の料理のスキルがますます上がった。
乳腺炎にならない様にとか、母乳の出良くするためにとか。研究なさっておいでです。
ホント、松本氏に料理本の企画出そうかしら。
元No.1ホストの元気が出る産前産後のレシピ。
うん、いんじゃない?
あたしがもぐもぐしてると。
みいくんももぐもぐ。
「みいくんも食べたいのかなあ?」
パンちぎって口に。て、いくらあたしでもするワケない。
でも、そろそろみいくんもご飯の時期かな?
うむ、尊の料理の研究テーマが増えるな。
つうか、多分もう考えてるんやろな。
尊のおかげで育児ストレスも今のところ無く。
この分じゃ、案外早く仕事復帰も出来るかなあ。
応援ありがとうございます!
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