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そのじゅうに
そのじゅうに-8
しおりを挟むソファーの上で折り重なって。
「ぐううっ」
各務先生押し退け様とする尊。
「まあまあ、ちょっとだけ」
尊の頭の後ろ抱えて顔近付け様とする各務先生。
力が拮抗してるらしく二人の顔の距離は遠のきも近付きもしない。
あたしはなにをどうしたら良いのか。
とりあえず各務先生止めようと一歩近付く。
いや、止めるんなら尊か?尊に一歩。
各務先生?いや、尊?
おお?気付けば反復横飛びしてるあたし。
良い運動やな。
て、違うやろっ!
「てめえ気色悪いんだよっ!」
「俺してる時の顔見たいだけなんだよ、ちょっと眼閉じてればすぐ終わるから」
「ざけんじゃねえっ!!」
そうだ、ざけんじゃねえ!大事なダンナにあらぬ快感植えつけられてなるものかっ!
だいたい各務先生もそれで目覚めちゃったらどうする気だっ。
ここはこのみのり様がっ!
二人の間にダーイブっ!
二人の顔の間にすっぽり収まり。謀らずも。
両側からほっぺたに唇がくっつけられた。
「みっ、みのりさんっ!」
尊が慌ててあたし抱き締める。各務先生も我に返る。
「みのりさんっ、後で消毒しようねっ」
各務先生の唇がくっついたとこを尊がごしごしする。
「それは失礼じゃない?俺病原菌みたいじゃない」
「煩えっ。俺以外の男がみのりさんに触るのも許せねえのに、お前みてえな変態にっ!き、キスとかっ!」
キスと言うより唇がくっついただけだけどな。
「えー?じゃあ産婦人科の検診はあ?あ、相手は医者だからね。しょうがないね」
尊が不思議そうな顔する。
止めろ。各務っ!
それはタブーなんだぞっ。相手が医者でもなにするかわからんからそこはトップシークレットなんだぞっ!
「だってえ。内診とかするでしょ?指」
「かかかか各務先生っっ!!今日の取材どうでしたかっ」
それ以上言わせるかっ。
「うん、まあ滞り無く」
「取材終わったんならもう用はねえだろ、明日朝イチの飛行機でも乗って帰りやがれ」
尊の言う通りお引取り願いたい。
「やだねえ」
子供みたいに舌出す各務先生。
「瞳子さんオトすまでお泊り延長だから、よろしくね?」
にっこり。
な、なんだとおおおおおおっ!?
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