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You Could Be Mine
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しおりを挟むアフター解散して。
まだ六時半。
みのりさんに電話する時間まで一時間ある。
ホントは今すぐにでも電話して声聞きたい。
でもちょっと我慢。
ドーナツ屋でコーヒー飲みながらタバコに火つける。
アフターとか面白くねえ。
同伴もつまんねえ。
仕事だからやるけどさ。
俺もすげえよな。
どんな客でもニコニコして相手して。
客の方なんか俺とヤりたくてたまんねえって顔してっから。
ちょっと手握ったら喜ぶ。
「風邪ひかないでね。俺に心配かけんなよ」
とか帰り際に言ってやれば喜んで帰ってく。
十代でこの世界入って。
てっぺんとってやろう。
そう思ってやってきた。
俺は誰にも負けねえし、負ける気もねえ。
人に自慢出来る仕事じゃねえけど。
それでも俺はここでしか生きらんねえ。
頭良いわけじゃねえしな。
顔くらいだもんな。取り柄。
おっと。
みのりさんに電話する時間。
電話するとすぐ。
『おはよう、尊』
今日も可愛い声。
前は寝起きでぼーっとした声で、それはそれで可愛かったけど。
今はこてつがいるからみのりさんも早起き。
みのりさんに電話してから、通りにみのりさんの車が見えるまで。
いつもワクワクする。
早くみのりさんの顔見たくてたまんねえ。
今日も可愛いんだろな。
ああ、もう。
今すぐ抱き締めたい。
俺の可愛いみのりさん。
可愛いだけじゃなくて小説も書けて。
賞もらって。
黎子さんが言うみたいに将来有望で。
ゴシップで潰されちゃ勿体無いわ。
頭に浮かぶ黎子さんの言葉。
俺は。
今の世界でしか生きてけねえ俺は。
みのりさんの未来に。
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