You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

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そのに

そのに-4

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て、聞かれても。

「う、うん」

としか答えられない。

尊があたしの耳元に唇を寄せる。

「俺の事、欲しい?」

囁く。

「うん…」

あたしの耳、唇だけで噛む。

「じゃあ、言って?」

何を言えばいいのかわかってるんだけど、どう言えばいいの。

「俺が欲しいって、言って」

尊はあたしの瞳を見つめながら言った。

うん。

欲しいよ。

「尊が欲しい…よ」

尊が、ゆっくりとあたしに入ってくる。

「はぅ…ん」

「…っ。みのりさん、締めすぎ…」

「なにも…して…ないよ」

尊が、あたしの壁を押し開いて入ってくる。

「ううんっ…」

尊はあたしの奥まできて。

「みのりさんの、すっげえ絡み付いてくる」

尊はそう言いながらも動かない。

なんで?どうして?

そんなに焦らさないで?

尊はあたしの瞳を見返しながら、小さく笑った。

「お仕置きだよ。さっき、勝手にイッちゃったから」

「そ、そんなの…」

やだ。

あたしはもう、尊を感じたくてどうしようもないのに。

「…意地悪」

「どうしてほしいか言えたら許してあげる」

なんでよ!

このドS!

それでも、もうあたしは逆らえない。

「…尊を感じたいよ。お願い…」

尊はふっ、と笑った。

「…ホントにもう、可愛いんだから」 

尊がゆっくり動き出す。

「はう…ん…」

気持ち良いけど、もっと刺激を欲しがる身体。

「もっとしてほしい?」

また意地悪言う尊。

あたしは、恥ずかしいとか、そんなのはもう。

無くなってしまって。

ただ尊をもっと感じたくて。

「やん…もっと…お願い…」

「あは…上手におねだり出来たね」

尊はあたしのおでこにちゅっ、とキスした。

「じゃあ、ご褒美あげる」

そう言うと、激しく動き出した。

「ああんっ!…あんっ」

摩擦はそのままあたしを刺激する。

「ふぁ…ああんっ」

「はっ…可愛い、みのりさんっ…もっと感じてっ」

尊があたしのきもちいい場所を責める。

「あっ…やっああんっ…も…だめぇ!いっ…ちゃうっ」

「あ…可愛い…、みのりさん」

「いやああんっ!あっ…いっ…いっちゃうっ!」

あたしは堪えられずに、またてっぺんにいった。

「…っ…俺もっ」

まだ荒い呼吸のまま。

唇を合わせた。

「はぁ…なんでそんなに可愛いの?こんな顔、誰にも見せないでよ」

唇を離し、髪を撫でながら尊が言う。

あたしの意識はまだぼやけてる。

「誰にも渡さないから。俺だけのものになって。俺の事好きになって」

ぼやけた意識のまま、あたしは頷いた。

「みのりさん!」

尊は、子供みたいな笑顔であたしをぎゅう、っと抱き締めた。

尊のこの顔、好き。

子供みたいに。

本当にうれしそうに笑う顔。

ぼんやりしていた頭が、徐々に戻ってきて。

現実がぼやけた頭と入れ替わる。

現実は、ある事に行き当たって。

「たっ尊!アンタ中で出ししたやろっ!!」 

「したよ?」

平然と尊は答える。

着けた様子は無い。

「なっ何でっ」

「だって、みのりさんのナカでイキたかったから」

はいいいいいいい!?

ちょっと待てえぃ!!

何考えとんだ!!

身体を起こして、ベッドの上座りなおす尊。

勢いつけて起き上がり尊睨むあたし。

「何怒ってるの?」

くすくす笑った。

何って。何ってアンタ!

普通しねえだろおおおお!!

尊はあたしを、ひょい、と胡座かいた膝の上に乗せて。

背中から抱き締める。

「大丈夫だよ。心配しないで?」

「へっ?」

大丈夫?

って何が?

後ろに首をまわして尊を見た。

「俺、みのりさんに関しては100パー責任取るつもりだから」

せきにん?とる…?

混乱するあたしに、尊はにっこり笑い。

「じゃお風呂、行こっか」

と、言った。 
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