興味がなかったはずの妻、気付いたら溺愛してました。～愛するつもりはなかったのに～

第一章 政略結婚

1-8

「キースも結婚してマリナと仲良くやっているのか？」

突然俺に話を振られた。俺は出来るだけ黙っていようと思っていたんだが…

「まあ、それなりに？仲が良いかは分かりませんが悪くも無いですよ」

「そうか。マリナはそれで良いのか？」

少しドキッとした。俺の都合で形だけの夫婦となったがマリナはちゃんと夫婦になろうとしていたようだからな。
恐る恐るマリナその方を向くととても良い笑顔で…

「私は構いませんよ。別に愛しているわけでもありませんし、商売が出来るのなら」

と、言っていた。
分かっていたが流石にハッキリ言われるとショックだな…

「クッ！そうかそうか。キースも大変だな！」

「そうですね。キース様、頑張ってくださいまし！マリナは手強いですよ！」

と言われた。なぜ勝手に哀れまれ応援されているのか…

今度仕事に戻った時にでも聞いてみるか…？

「それはそうと、そろそろ本題に入りましょう？日が暮れてしまいますわ」

「そうだな」

「今回、私がお飾りを担当させて頂くことになりましたが、具体的には何の担当でしょうか？」

急に商売モードになったな。

「なにって、ドレスと靴以外の全てよ？」

「え！全てですか？」

「それ以外になにがあるの？」

「てっきり、一つだけかと思っておりましたわ」

「そうなの。なら全てお願いね！」

「承知致しました。それではティアラからですね。」

「デザイン、使用する宝石の色を決めて頂きます。まず宝石のお色になりますが何色が宜しいでしょうか？」

「そうねぇ…フランツ様の瞳の色がいいから…エメラルドはある？」

「ええ、ございますよ。…こちらです」

「まあ、とても綺麗ね！エメラルドにするわ！」

フランツ殿下がとても嬉しそうにしている…

「かしこまりました。では次はデザインを決めましょう。こちらからお選び下さい」

「うーん…どれも素敵ね。フランツ様はどれが良いと思いますか？」

「そうだな…これはどうかな」

「プリンセスティアラですか？とても素敵です！私もこれが良いのではないかと思っていましたの！」

「そうか！ではこれでお願いするよ」

「分かりました。ティアラはエメラルドを使用したプリンセス型ですね」

「ええ」

「こんな感じでどうでしょう？」

ティアラの完成品のイメージを描いたのか。良い感じだな。

「いいわね。ではこれで決まりね」