鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー

吉良龍美

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鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー

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 恥ずかしい、と鈴は両手で顔を覆う。隼人は唇を舐めて鈴を見る。まるで猛獣が小動物を喰らうようだ。
「ふふふ、聞かせてやればいいじゃないか。可愛い鈴、ほら、ここがこんなにぐちゃぐちゃなの、兄貴に見せちゃおうか」
「いやぁ…」
「此処、鈴はどうして欲しい? 鈴の好きなようにしてあげる」
「ん…」
 もじもじと鈴の腰が揺れる。手をどけて見れば、濡れる陰茎にキスされそうになっていて、今にもイきそうになる。早く気持ち良くなりたい。あんなにいっぱいえっちな事をしたのに、隼人は絶倫らしいと此処に来て観念する。
「…して?」
「何を?」
 ーーー意地悪だ。
「~~~~っ僕の…おちんちん」
「鈴のおちんちんを?」
 ん? と隼人が微笑する。
「は、隼人さんの口でしてっ」
 云った、云えたと鈴はどっと脱力した刹那。
「よく出来ました」
 溢れる蜜を裏筋の根元から、つーっと舐め上げて口腔内に含んだ。鈴は背を仰け反らせて、隼人の髪を撫でる。
「あ~っイイっ隼人さんっもっと舐めて…、あ、あ、あんっ」
 隼人は今日だけは疾風に聞かせてやると、鈴の泣き所を攻め、啼き声を出させた。

 ドタンと、盛大な音がリビングから聞こえ、鈴がビクンと震えて白濁を隼人の口内に吐き出す。どうやら疾風が何かに躓いたらしい。
「アーーーーっ! んんあっん」
 ごくりと嚥下した蜜はさすがに少なく薄い。
「鈴」
 隼人が起き上がり、鈴の米神にキスをする。
「続きはベッドでしようか?」
「はあ…、もう立てないよ~」 
 鈴が抱っこと手を伸ばし、隼人が笑んで抱き上げる。
「愛してるよ、鈴」
「うん。僕も」
 口付け合う恋人の時間は、まだ始まったばかり。それから、鈴がもう許してと泣き出すまで、隼人によって、絶頂へ駆け巡らされたのだった。

 鈴は降りしきる雨の中を、傘をさしながら公園を目指して雨宿りが出来そうな遊具を覗き込んだ。
「居た…」
 学校の帰りに公園の前を通りかかった際に、首元に怪我をした大型の犬を見付けたのだ。
 白銀の犬は鼻をヒクヒクとさせて、驚いて鈴を振り返る。眼が何故と問うているようだ。双眸は綺麗な碧。
「僕は鈴。君怪我しているよね? 急いで家に帰って救急箱と、パンを持って来たんだ。ほら」
 とても大きな犬だ。ハスキー犬よりも大きいかも知れない。ビニール袋から濡らしたタオルを三枚と、別のビニール袋から乾いたバスタオルをに枚取り出した。
「痛かったらごめんね? 血を拭いたら消毒液を塗るから」
 テキパキと傷口を拭き、薬を塗るとさらに別のビニール袋から、パンをいくつか出して、犬の前に置いた。腹が空いていたのか、犬はハグハグと食べ始めた。
「鈴!」
 里桜が驚いて傘をさしながら駆けてくる。
「こんな所で何してるんだ!? 風邪を引くぞ? 何散らかしているんだこんなに」
 里桜に怒られて鈴はシュンとなったが、この大きな犬の世話をしている事を話した。
「怪我をしてて、可哀想だったんだ」
「…怪我?」
 里桜は大型の犬を見る。
「喧嘩でもしたのかな」
 里桜は困って見詰めていた。
「兄ちゃん、この犬連れてったらダメかな」
「可愛そうだけど無理だ。お母さんがお前が飛び出して何処かへ行ったって、心配してるぞ。来年は中学生なんだから、あまり心配を掛けるな」
 双子の兄らしく、鈴を諌めて散らかった物を片付けていく。鈴は里桜に気づかれない様に、犬の背を撫でる。犬は気持ちよさそうに眼を細めた。そして、鈴の頭の中で声がした。
『俺はジンだ。この匂い、このお前を包む光は…お前はOO…の生まれ変わりなのか?』
 鈴は双眸を見開く。
「ほら、行くよ鈴」
 里桜が鈴の手を掴む。振り返ると犬が鈴の顔に顔を寄せて口付けて来た。鈴はびっくりして見詰めると、犬が笑った様に見えた。
 翌日また其処へ行くと、あの犬は居なかった。
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