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14.訪問者たち
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「なんですの?」
「今のお話も大変興味深かったんですが、僕の知りたかったのは〝武闘派〟とか暴走機関車、や路上の核弾頭とかの不穏なワードについてなんですよ」
「? 意味がわかりかねますが」
「ええっと……雰囲気っていうか、イメージでそういうあだ名がついてた、ってだけで、何か、こう、本当にバイオレンスな事件があったりしたわけではないんですよね?」
「暴力行為ですか? 普通にありましたわよ」
「ちょっと! ちょっと待って! お願い!」
動揺を隠せないまま、乙女が止めに入る。
「いやだからね? さっきも言ったけど、なんか一姫のやつが色々起こしたトラブルが、あたしがやったことんなってたりすんだよ! あたしのほうがなんか強面みたいな印象だからさ……」
「でも、わたくし、最初期の地下アイドル時代も、一姫様との路上時代も見ておりますが、乱闘は日常茶飯事ではなかったでしょうか?」
「あ、そ、そんな見てくれてんだ。ありがとね……。う、雅樂ちゃんって現場とか結構行く系なんだね~」
「ちなみに乱闘って、一姫さんって方と武音さんとどちらが主に起こしていたんですか?」
萩森が真面目な顔で身を乗り出した。
「それは……正確な数字は把握しておりませんが、どちらが主になって、とかいう問題でではなく、きっかけになったのは両者ともおそらく同じくらいでしょう」
「はあはあ、なるほど」
「一度乱闘になってしまえば、もう両人とも参戦してしまいますし」
「で、で、でもさでもさ! そういうさ! グチャグチャの乱戦になっちゃうと、細かいとことかよくわかんなくなっちゃうよね? あたしはわりと一姫を止めようとしてたことが多かったんだけど、雅樂ちゃんがそれを戦ってる、って勘違いしてたりとか。ねっ?」
乙女は必死に訴えたが、雅樂は非情に首を横に振る。
「乙女様と一姫様を間違えるなど……ありえませんわ。だいたいファイトスタイルが全く違いますもの。乙女様はパンチや頭突きが得意で、手当たり次第にその辺りの物を凶器にするパワーファイター。一姫様は蹴り技主体の華麗な戦い方で……」
「そ、その言い方ひどいよ! あたしゴリラみたいじゃん! 一姫だけ華麗とか言って!」
「僕が知ってるアイドルと全然違うなあ……」
萩森はまずます難しい顔をして、二人の話に聞き入っている。
「いえいえ萩森さん。乱闘騒ぎだけではございませんのよ? 乙女様は……一姫様も、アイドルとしてのパフォーマンスもそれはそれは素晴らしかったんですから」
雅樂は、当時の思い出を懐かしむように遠い目になった。
「乙女様と一姫様……やはり一番激しかったのはストサム時代ですわね。キラキラしてトガりきっていたあの頃……。凶悪で暴力的なサウンドとパフォーマンスは今でもファンの間で語り草に……」
「アイドルの歌とか踊りとかの話なんですよね?」
「雅樂ちゃん、言葉のチョイスがおかしいんだよ!」
萩森と乙女が疑義を挟むが、雅樂はかまわずうっとりした表情で先を続ける。
「今でも昨日のことのように思い出せますわ。定番の〝Hbフェス・楽屋全滅事件〟や一般マスコミでも取り上げられた〝旅館破壊騒動〟など……」
「ストップ! はい、もうやめもうやめ。この話やめ!」
乙女は背後に回り、雅樂の口を塞いだ。
「今のお話も大変興味深かったんですが、僕の知りたかったのは〝武闘派〟とか暴走機関車、や路上の核弾頭とかの不穏なワードについてなんですよ」
「? 意味がわかりかねますが」
「ええっと……雰囲気っていうか、イメージでそういうあだ名がついてた、ってだけで、何か、こう、本当にバイオレンスな事件があったりしたわけではないんですよね?」
「暴力行為ですか? 普通にありましたわよ」
「ちょっと! ちょっと待って! お願い!」
動揺を隠せないまま、乙女が止めに入る。
「いやだからね? さっきも言ったけど、なんか一姫のやつが色々起こしたトラブルが、あたしがやったことんなってたりすんだよ! あたしのほうがなんか強面みたいな印象だからさ……」
「でも、わたくし、最初期の地下アイドル時代も、一姫様との路上時代も見ておりますが、乱闘は日常茶飯事ではなかったでしょうか?」
「あ、そ、そんな見てくれてんだ。ありがとね……。う、雅樂ちゃんって現場とか結構行く系なんだね~」
「ちなみに乱闘って、一姫さんって方と武音さんとどちらが主に起こしていたんですか?」
萩森が真面目な顔で身を乗り出した。
「それは……正確な数字は把握しておりませんが、どちらが主になって、とかいう問題でではなく、きっかけになったのは両者ともおそらく同じくらいでしょう」
「はあはあ、なるほど」
「一度乱闘になってしまえば、もう両人とも参戦してしまいますし」
「で、で、でもさでもさ! そういうさ! グチャグチャの乱戦になっちゃうと、細かいとことかよくわかんなくなっちゃうよね? あたしはわりと一姫を止めようとしてたことが多かったんだけど、雅樂ちゃんがそれを戦ってる、って勘違いしてたりとか。ねっ?」
乙女は必死に訴えたが、雅樂は非情に首を横に振る。
「乙女様と一姫様を間違えるなど……ありえませんわ。だいたいファイトスタイルが全く違いますもの。乙女様はパンチや頭突きが得意で、手当たり次第にその辺りの物を凶器にするパワーファイター。一姫様は蹴り技主体の華麗な戦い方で……」
「そ、その言い方ひどいよ! あたしゴリラみたいじゃん! 一姫だけ華麗とか言って!」
「僕が知ってるアイドルと全然違うなあ……」
萩森はまずます難しい顔をして、二人の話に聞き入っている。
「いえいえ萩森さん。乱闘騒ぎだけではございませんのよ? 乙女様は……一姫様も、アイドルとしてのパフォーマンスもそれはそれは素晴らしかったんですから」
雅樂は、当時の思い出を懐かしむように遠い目になった。
「乙女様と一姫様……やはり一番激しかったのはストサム時代ですわね。キラキラしてトガりきっていたあの頃……。凶悪で暴力的なサウンドとパフォーマンスは今でもファンの間で語り草に……」
「アイドルの歌とか踊りとかの話なんですよね?」
「雅樂ちゃん、言葉のチョイスがおかしいんだよ!」
萩森と乙女が疑義を挟むが、雅樂はかまわずうっとりした表情で先を続ける。
「今でも昨日のことのように思い出せますわ。定番の〝Hbフェス・楽屋全滅事件〟や一般マスコミでも取り上げられた〝旅館破壊騒動〟など……」
「ストップ! はい、もうやめもうやめ。この話やめ!」
乙女は背後に回り、雅樂の口を塞いだ。
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