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3.夜の出会い
7.悪役令嬢と毒舌執事の報告会
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屋敷に戻り、着替えを済ませてから私とジルは、お茶を飲みながら情報共有をした。
「はぁ!?じゃあアレン王子に接触しちゃったんですか!?いや、そもそも怪しい人物がいても絶対に手を出さないでくださいって言いましたよね!?危険な目に遭いそうなったら警告灯を上げてくださいって言いましたよねっ!!?」
ジルは顔を真っ赤にして責め立ててきた。
ここまで怒るジルも珍しい。まあ、それだけ危なかったってことかしら。でも過ぎてしまった事はしょうがない。
「もー、うるさいわよ。そんな事してる余裕なかったの。正体もバレなかったし、大事にもならなかったからいいじゃない」
「はあー…まじでこの令嬢ありえねぇ…。今日の事が旦那様にバレたら、俺の首が吹っ飛びますよ」
ジルは頭を抱えてソファに倒れ込んだ。
「だから、ごめんって。これでも心から反省しているのよ。次回からもっと慎重に行動するわ」
私はジルの背中を優しく撫でながら笑顔で謝罪した。するとジルは軽蔑するような顔で私を睨みつけた。
「…はぁ?次回?」
「ええ、話したでしょ?刺客のボスが学生寮に潜入してるって。明日、またキースの姿になって学生寮に潜入しようと思ってるの。ボスのライアンとやらをとっ捕まえてやるわ!」
「…それ、俺が『分かりました、協力します』って言うと思ってるんですか?…いや、答えなくていいです。そんな計画は断固反対です。もう二度と異性転換薬は使用しないでください。夜の外出も禁止です。もし、それでも出掛けるっていうならキーナ様をロープで吊し上げます」
目が据わったジルは早口で淡々と答えた。
うーん…、これは本気で怒ってるわ。こういう時のジルの意思は固い。
ジルの協力がなければ学生寮への潜入も難しい…。
でもジルの攻略方法は意外と簡単なのよね。
「そうよね…、迷惑かけてごめんなさい。ところで今日のお茶は珍しい味だけど美味しいわ。どこで購入したの?」
「ああ、それはさっき露店街で買ったんです。異国の茶葉を取り扱っている店があったので」
ジルはぶすっとした表情で答えた。
「そうなのね。でもさすがジルの選んだお茶だわ。香りも味もすごく良い。やっぱりジルは、そこら辺の貴族よりすごくセンスがいいわ」
「…まあ、キーナ様やハンドリー家の皆様の好みは把握していますし、…貴族教育も独学で学んでますし、日頃から情報収集もしてますし、これくらい朝飯前と言っても過言ではないというか…」
お、ジルの機嫌が良くなってきた。というか、調子に乗ってきたわね。
「わぁー、自慢の執事だわぁ。本当にジルは才能がある上に勤勉家ね。私も見習わないと。ところで、その懐中時計も素敵ね。初めて見るけど、前から持っていたの?」
「ああ、これも露店街で購入したんです!異国で有名な彫刻家の作品だそうです。思わず一目惚れしちゃって!それからこの万年筆も見てください!書きやすいのにこの美しい細工っ。これも同じ彫刻家の作品なんですよ!ひとつひとつ手作りなので同じ物はないんですよ!実はかなりの出費になっちゃいましたが、後悔はしてませんよー!」
ジルはキラキラした目で嬉しそうに購入品紹介を始めた。ああ、ジル、貴方はなんてチョロい執事なの。
「あら、素敵!!…そういえばハンドリー家従事者規程10ヶ条の第4条は覚えてる?」
「もちろんです!第4条、ハンドリー家使用人は従事中に私用の買い物をした場合は、物品の没収及び減給…、あ…。」
ジルの顔は真っ青になり固まった。
「あらあら。ジルったら従事中に購入したのね。残念だけど、お父様に報告しなくちゃ…」
「…くっ。さすが悪役令嬢…。執事イジメもお手の物ですね!!」
「別に虐めてないでしょ。ていうか、露店街の調査をお願いしたのに買い物を楽しんでる貴方が悪いのよ。お父様には黙っててあげるから貴方も私に協力してよ」
「言っときますけど、俺はちゃんと調査を終わらせてから買い物しましたからね!ベリー王国の刺客だって6人捕まえて駐屯地に置いてきましたしね!」
「あら、すごいじゃない。さすが自慢の執事だわ。お礼に今日の購入品の代金は私が全部支払うわ。その代わり明日もよろしくね」
私は財布から札束を取り出して、にっこり微笑んでジルに渡した。
「…はい、喜んで」
全然納得していない表情のジルだけど、手は素直に札束を受け取った。
「はぁ!?じゃあアレン王子に接触しちゃったんですか!?いや、そもそも怪しい人物がいても絶対に手を出さないでくださいって言いましたよね!?危険な目に遭いそうなったら警告灯を上げてくださいって言いましたよねっ!!?」
ジルは顔を真っ赤にして責め立ててきた。
ここまで怒るジルも珍しい。まあ、それだけ危なかったってことかしら。でも過ぎてしまった事はしょうがない。
「もー、うるさいわよ。そんな事してる余裕なかったの。正体もバレなかったし、大事にもならなかったからいいじゃない」
「はあー…まじでこの令嬢ありえねぇ…。今日の事が旦那様にバレたら、俺の首が吹っ飛びますよ」
ジルは頭を抱えてソファに倒れ込んだ。
「だから、ごめんって。これでも心から反省しているのよ。次回からもっと慎重に行動するわ」
私はジルの背中を優しく撫でながら笑顔で謝罪した。するとジルは軽蔑するような顔で私を睨みつけた。
「…はぁ?次回?」
「ええ、話したでしょ?刺客のボスが学生寮に潜入してるって。明日、またキースの姿になって学生寮に潜入しようと思ってるの。ボスのライアンとやらをとっ捕まえてやるわ!」
「…それ、俺が『分かりました、協力します』って言うと思ってるんですか?…いや、答えなくていいです。そんな計画は断固反対です。もう二度と異性転換薬は使用しないでください。夜の外出も禁止です。もし、それでも出掛けるっていうならキーナ様をロープで吊し上げます」
目が据わったジルは早口で淡々と答えた。
うーん…、これは本気で怒ってるわ。こういう時のジルの意思は固い。
ジルの協力がなければ学生寮への潜入も難しい…。
でもジルの攻略方法は意外と簡単なのよね。
「そうよね…、迷惑かけてごめんなさい。ところで今日のお茶は珍しい味だけど美味しいわ。どこで購入したの?」
「ああ、それはさっき露店街で買ったんです。異国の茶葉を取り扱っている店があったので」
ジルはぶすっとした表情で答えた。
「そうなのね。でもさすがジルの選んだお茶だわ。香りも味もすごく良い。やっぱりジルは、そこら辺の貴族よりすごくセンスがいいわ」
「…まあ、キーナ様やハンドリー家の皆様の好みは把握していますし、…貴族教育も独学で学んでますし、日頃から情報収集もしてますし、これくらい朝飯前と言っても過言ではないというか…」
お、ジルの機嫌が良くなってきた。というか、調子に乗ってきたわね。
「わぁー、自慢の執事だわぁ。本当にジルは才能がある上に勤勉家ね。私も見習わないと。ところで、その懐中時計も素敵ね。初めて見るけど、前から持っていたの?」
「ああ、これも露店街で購入したんです!異国で有名な彫刻家の作品だそうです。思わず一目惚れしちゃって!それからこの万年筆も見てください!書きやすいのにこの美しい細工っ。これも同じ彫刻家の作品なんですよ!ひとつひとつ手作りなので同じ物はないんですよ!実はかなりの出費になっちゃいましたが、後悔はしてませんよー!」
ジルはキラキラした目で嬉しそうに購入品紹介を始めた。ああ、ジル、貴方はなんてチョロい執事なの。
「あら、素敵!!…そういえばハンドリー家従事者規程10ヶ条の第4条は覚えてる?」
「もちろんです!第4条、ハンドリー家使用人は従事中に私用の買い物をした場合は、物品の没収及び減給…、あ…。」
ジルの顔は真っ青になり固まった。
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「…くっ。さすが悪役令嬢…。執事イジメもお手の物ですね!!」
「別に虐めてないでしょ。ていうか、露店街の調査をお願いしたのに買い物を楽しんでる貴方が悪いのよ。お父様には黙っててあげるから貴方も私に協力してよ」
「言っときますけど、俺はちゃんと調査を終わらせてから買い物しましたからね!ベリー王国の刺客だって6人捕まえて駐屯地に置いてきましたしね!」
「あら、すごいじゃない。さすが自慢の執事だわ。お礼に今日の購入品の代金は私が全部支払うわ。その代わり明日もよろしくね」
私は財布から札束を取り出して、にっこり微笑んでジルに渡した。
「…はい、喜んで」
全然納得していない表情のジルだけど、手は素直に札束を受け取った。
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