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1.婚約破棄まであと6ヶ月
3.悪役令嬢の経歴
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私、キーナ・ハンドリーはフィルコート王国の公爵令嬢として蝶よ花よと大切に育てられた。
優しい両親と5才年上の兄ベンジャミンはとにかく私を甘やかした。
そして私が6才になった時、この国の第1王子アレン・デイビス側から縁談が持ちかけられた。
両親は喜び、すぐに了承した。
当時、同い年のアレンとは会った事も無かったが、この縁談はとても名誉な事だと思い嬉しかった。
両家顔合わせの日に初めてアレンと会った時は、今でも忘れられないくらい胸が高鳴った。
少しウェーブがかかった金髪と晴れた日の美しく澄んだ湖と同じ色の青い瞳。聞き心地のいい穏やかな声は彼の性格そのものを表している様に感じた。
優しい笑顔を私に向けてくれた時は、暖かい風に包まれ、世界が一気に色付いた気がした。
多分私はこの時、彼に恋をしたのだ。
父に2人で散歩してきなさいと言われ、緊張しながら手を繋いで庭を歩いた。
余裕があるように見えたアレンの手は思いのほか冷たくて、私と同じで緊張しているようだった。
彼と気持ちまで共有できた気がして、すごく嬉しい一日だった。
その時は、自分が王子に見染められたと舞い上がっていたが、のちに王家は莫大な財力を持つハンドリー家と手を結びたかっただけだった事が分かった。
そんな事とはつゆ知らず、王族に嫁いでも恥ずかしくないよう、その日から王太子妃になれるよう私の長い努力の日々が始まったのだ。
学力はもちろん武術や攻撃魔法も習い、王室のマナーや教養を学び、外見も常に健康で美しくあろうと努力した。
15歳から始まる3年間のエレメリア魔法学園では、王子の婚約者の私に嫉妬した令嬢からの嫌がらせもあった。
本当だったら犯人を捕まえて倍返ししたい気持ちもあったが、問題を起こさないよういつだって笑顔でかわしてやった。
アレンとは月一回お茶を飲む程度しか会えなかったが、いつも楽しんでもらえるよう心掛けていた。
私は本当は格闘技や攻撃魔法やゴシップ話が好きだったが、アレン好みの婚約者らしい会話をした。
季節の花の話、最近読んだ詩集の話、授業の話など退屈な話ばかりだったが、アレンは微笑んで聞いてくれていた。
ただ、どんなに好かれようと努力しても中々縮まらない2人の距離にヤキモキする時もあった。それでもアレンを急かしたり文句を言うことはせず、いつだって笑顔でやり過ごしてきた。
そしてあっという間に月日は流れ、私たちは17歳になり、エレメリア魔法学園での生活もあと半年を残す時期になった。
それをあのクソ王子「婚約破棄宣言」ですって?
しかも他の女の前でそれを言うの?
その上、女子生徒が上等なドレスとアクセサリーで着飾って社交界デビューする日でもある卒業パーティーの時に!?
「…ぶっ殺す。」
思わず力が入り、私の持っていたカップの取手がパキンと取れた。
優しい両親と5才年上の兄ベンジャミンはとにかく私を甘やかした。
そして私が6才になった時、この国の第1王子アレン・デイビス側から縁談が持ちかけられた。
両親は喜び、すぐに了承した。
当時、同い年のアレンとは会った事も無かったが、この縁談はとても名誉な事だと思い嬉しかった。
両家顔合わせの日に初めてアレンと会った時は、今でも忘れられないくらい胸が高鳴った。
少しウェーブがかかった金髪と晴れた日の美しく澄んだ湖と同じ色の青い瞳。聞き心地のいい穏やかな声は彼の性格そのものを表している様に感じた。
優しい笑顔を私に向けてくれた時は、暖かい風に包まれ、世界が一気に色付いた気がした。
多分私はこの時、彼に恋をしたのだ。
父に2人で散歩してきなさいと言われ、緊張しながら手を繋いで庭を歩いた。
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彼と気持ちまで共有できた気がして、すごく嬉しい一日だった。
その時は、自分が王子に見染められたと舞い上がっていたが、のちに王家は莫大な財力を持つハンドリー家と手を結びたかっただけだった事が分かった。
そんな事とはつゆ知らず、王族に嫁いでも恥ずかしくないよう、その日から王太子妃になれるよう私の長い努力の日々が始まったのだ。
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本当だったら犯人を捕まえて倍返ししたい気持ちもあったが、問題を起こさないよういつだって笑顔でかわしてやった。
アレンとは月一回お茶を飲む程度しか会えなかったが、いつも楽しんでもらえるよう心掛けていた。
私は本当は格闘技や攻撃魔法やゴシップ話が好きだったが、アレン好みの婚約者らしい会話をした。
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ただ、どんなに好かれようと努力しても中々縮まらない2人の距離にヤキモキする時もあった。それでもアレンを急かしたり文句を言うことはせず、いつだって笑顔でやり過ごしてきた。
そしてあっという間に月日は流れ、私たちは17歳になり、エレメリア魔法学園での生活もあと半年を残す時期になった。
それをあのクソ王子「婚約破棄宣言」ですって?
しかも他の女の前でそれを言うの?
その上、女子生徒が上等なドレスとアクセサリーで着飾って社交界デビューする日でもある卒業パーティーの時に!?
「…ぶっ殺す。」
思わず力が入り、私の持っていたカップの取手がパキンと取れた。
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