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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を育てる
46.花火と嫉妬
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「ユーロンさん、スノウさん!こんばんは。お二人も夏祭りに来たんですか?」
シロが立ち上がって挨拶すると、左頬が赤くなっているユーロンはため息をついた。
「だったら良かったんだがな。夏祭りの警備で駆り出されたんだ。今年はかなり参加者が多いせいで、そこら中でトラブルがあるんだ」
「そうそう。ユーロンさん、さっきも酔っ払い同士の喧嘩に止めに入って殴られちゃったんですよね」
スノウは自分の左頬を指しながらクスクスと笑った。
「ああ、それで赤くなってるんですね。治癒魔法かけなくて大丈夫ですか?」
「そんなヤワじゃない。気にするな。ルーフ、お前も飲み過ぎるなよ」
ユーロンに指摘され、ルーフは「へいへい」と面倒くさそうに返事をした。
すると大きな打ち上げ花火が上がり、辺り一面が花火の光に包まれた。
「お、いよいよ花火が始まりましたね。今年はかなりの数の花火が上がるそうですよ。事故なく無事終わればいいんですけどねぇ」
スノウは少し困った顔をしながら花火を見上げた。
「そうだな。さて、俺たちもそろそろ警備に戻るぞ。これからもっと人が増える。あー…、こりゃ迷子も増えるぞ…」
ユーロンが腕を組んで見つめた先には、魔族の子供が泣きながら1人で歩いている。
「じゃあな、2人共。シロ、お前も迷子になるなよ!」
ユーロンとスノウは子供の方へ足早に向かって行った。
迷子になるなよ…、って。
「…ユーロンさん、俺のこと子供扱いしすぎだと思わない?」
シロは不満気に口を尖らせルーフの隣に座った。
「へへ、何百年も生きてるアイツから見りゃお前なんてまだまだ小さい子供みてぇなモンなんだろ。さて、俺たちもルカの酒場に行こうぜ。あそこの屋上なら人も少ないからな。ほら、行くぞ」
そう言ってルーフは立ち上がり、シロに目線を向ける。
ルーフに見つめられると、シロはいつも満たされた気持ちになる。ああ、幸せだな、とシロが思った瞬間、また大きな花火が上がった。
シロを捉えていた金の瞳は、すぐに花火に向いてしまった。
「おおー、すげぇ」
ルーフの褐色の肌と白銀の髪が、赤い花火の光に包まれた。その姿にシロは美しさと無性の寂しさを感じた。
無意識に動いた体は、ルーフを後ろから抱きしめていた。
「うわっ!なんだよ急に!」
「……別に。ちょっと嫉妬しただけ」
「嫉妬?何に?」
「…花火」
「はー?意味分かんねぇんだけど」
花火が次々と上がり始めたが、ルーフは花火に背を向けて呆れながらシロを見た。シロもルーフをしばらく見つめてから、さらに強く抱きしめた。
「…別に分かんなくてもいいよ」
シロ自身、自分が訳の分からないことを言っている自覚はあった。ただ、ルーフの関心が自分より花火に行ってしまった事が寂しかったのだ。
そしてまた自分に戻ってきた。たったそれだけの事が嬉しくて安心できる。
「なぁ、もしかして拗ねてんの?噛み付いたり拗ねたりお前はやっぱりまだまだ子供だな。それよりもう行こうぜ。人も増えてきたし本当にはぐれそうだな。ほれ、手繋いでやるから付いておいで、お子ちゃまシロ君」
ルーフは揶揄うように笑ってシロの手を繋いだ。
シロはムッとして眉間に皺を寄せた。
「…お子ちゃまじゃない」
「ふーん、じゃあ手は繋がなくていいよな」
ルーフはシロの手をパッと離して歩き出そうとしたが、すぐにシロに手を掴まれた。
「手は…繋ぎたい」
シロの素直な反応に、ルーフは満足気に笑ってシロの頭を撫でた。
「へへっ、俺は素直なシロの方が好きだぞ。自分の気持ちをちゃんと言えて偉いなー。いい子いい子ー」
「もー、子供扱いしないでよ!…でも俺、ルーフに撫でられるのすごい好き。もっと撫でて」
シロがルーフに頭を向けるとパチンと叩かれた。
「いてっ」
「アホか。調子乗んな。俺は早く酒が飲みたいんだからいい加減行くぞ」
「えー、じゃあ俺がルーフを撫でてあげる」
「あははっ、なんだそりゃ。いらねぇよ!」
手を繋いだ2人は、花火の光に次々と照らされる石畳の街を笑いながら歩いて行った。
シロが立ち上がって挨拶すると、左頬が赤くなっているユーロンはため息をついた。
「だったら良かったんだがな。夏祭りの警備で駆り出されたんだ。今年はかなり参加者が多いせいで、そこら中でトラブルがあるんだ」
「そうそう。ユーロンさん、さっきも酔っ払い同士の喧嘩に止めに入って殴られちゃったんですよね」
スノウは自分の左頬を指しながらクスクスと笑った。
「ああ、それで赤くなってるんですね。治癒魔法かけなくて大丈夫ですか?」
「そんなヤワじゃない。気にするな。ルーフ、お前も飲み過ぎるなよ」
ユーロンに指摘され、ルーフは「へいへい」と面倒くさそうに返事をした。
すると大きな打ち上げ花火が上がり、辺り一面が花火の光に包まれた。
「お、いよいよ花火が始まりましたね。今年はかなりの数の花火が上がるそうですよ。事故なく無事終わればいいんですけどねぇ」
スノウは少し困った顔をしながら花火を見上げた。
「そうだな。さて、俺たちもそろそろ警備に戻るぞ。これからもっと人が増える。あー…、こりゃ迷子も増えるぞ…」
ユーロンが腕を組んで見つめた先には、魔族の子供が泣きながら1人で歩いている。
「じゃあな、2人共。シロ、お前も迷子になるなよ!」
ユーロンとスノウは子供の方へ足早に向かって行った。
迷子になるなよ…、って。
「…ユーロンさん、俺のこと子供扱いしすぎだと思わない?」
シロは不満気に口を尖らせルーフの隣に座った。
「へへ、何百年も生きてるアイツから見りゃお前なんてまだまだ小さい子供みてぇなモンなんだろ。さて、俺たちもルカの酒場に行こうぜ。あそこの屋上なら人も少ないからな。ほら、行くぞ」
そう言ってルーフは立ち上がり、シロに目線を向ける。
ルーフに見つめられると、シロはいつも満たされた気持ちになる。ああ、幸せだな、とシロが思った瞬間、また大きな花火が上がった。
シロを捉えていた金の瞳は、すぐに花火に向いてしまった。
「おおー、すげぇ」
ルーフの褐色の肌と白銀の髪が、赤い花火の光に包まれた。その姿にシロは美しさと無性の寂しさを感じた。
無意識に動いた体は、ルーフを後ろから抱きしめていた。
「うわっ!なんだよ急に!」
「……別に。ちょっと嫉妬しただけ」
「嫉妬?何に?」
「…花火」
「はー?意味分かんねぇんだけど」
花火が次々と上がり始めたが、ルーフは花火に背を向けて呆れながらシロを見た。シロもルーフをしばらく見つめてから、さらに強く抱きしめた。
「…別に分かんなくてもいいよ」
シロ自身、自分が訳の分からないことを言っている自覚はあった。ただ、ルーフの関心が自分より花火に行ってしまった事が寂しかったのだ。
そしてまた自分に戻ってきた。たったそれだけの事が嬉しくて安心できる。
「なぁ、もしかして拗ねてんの?噛み付いたり拗ねたりお前はやっぱりまだまだ子供だな。それよりもう行こうぜ。人も増えてきたし本当にはぐれそうだな。ほれ、手繋いでやるから付いておいで、お子ちゃまシロ君」
ルーフは揶揄うように笑ってシロの手を繋いだ。
シロはムッとして眉間に皺を寄せた。
「…お子ちゃまじゃない」
「ふーん、じゃあ手は繋がなくていいよな」
ルーフはシロの手をパッと離して歩き出そうとしたが、すぐにシロに手を掴まれた。
「手は…繋ぎたい」
シロの素直な反応に、ルーフは満足気に笑ってシロの頭を撫でた。
「へへっ、俺は素直なシロの方が好きだぞ。自分の気持ちをちゃんと言えて偉いなー。いい子いい子ー」
「もー、子供扱いしないでよ!…でも俺、ルーフに撫でられるのすごい好き。もっと撫でて」
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「いてっ」
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「えー、じゃあ俺がルーフを撫でてあげる」
「あははっ、なんだそりゃ。いらねぇよ!」
手を繋いだ2人は、花火の光に次々と照らされる石畳の街を笑いながら歩いて行った。
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