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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を育てる
8.シロの将来
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「登校初日に喧嘩って…、しかも生徒じゃなくて保護者がするなんて前代未聞ですよ」
応接室のソファに座っているネイトは額に手を当てため息をついた。
「あんなの喧嘩じゃねぇよ。んー、昔の仲間との…じゃれ合い?」
対面に座るルーフは「けけっ」と笑いながら答えるとネイトにじろりと睨まれた。
「じゃれ合いのレベルじゃないです!そもそも学校で大人同士がじゃれ合わないでください!」
「へいへい、気を付けますよーっと。で、俺はなんで応接室に呼ばれたわけ?」
「はぁー。もちろんシロ君の今後についてです。
シロ君は午後は働く事を希望していますが、竜人の生徒は進学する子が多いです。ゆくゆくは騎士団や国政に関わる仕事に就けますからね。学校としてもシロ君には進学して欲しい思ってるんです」
「ふーん。じゃあシロに言ってくれ。あいつの人生なんだからあいつが決めればいい」
「もちろん本人にも話しますが、ルーフさんも保護者ならシロ君が将来幸せになるために導いてあげてください」
「…別にすぐに働いたって幸せになれるだろ」
「そうですね。…ただ、こういう事はあまり言いたくありませんが、竜人は私たち人間や魔族とは違うんです。人間の寿命なんてせいぜい80年ほどで魔力はほとんどありません。魔族は長生きですが、魔力や体力にバラつきがあり個人行動を好む。しかし平和主義で慈悲深い竜人は魔力、体力、知力全てにおいて秀でてます。国を支え、守る存在として必要不可欠なんです」
「人間は竜人を崇拝しすぎだ。竜人だって全員が聖人君主じゃねぇだろ」
「はい。でもシロ君はどうですか?ユーロン師団長から聞きましたけど、辛い経験をしてても素直で真面目な良い子だそうじゃないですか。シロ君の将来は大きな可能性で広がってるんです。地下室で存在自体を疎まれていたシロ君は、今度はこの世界に必要とされる場所へ行くべきです。自分の価値を知って、自分が唯一無二の存在だと気付いて欲しい。そして幸せになる未来を選択してほしい。
そのために私たち大人や保護者であるルーフさんがシロ君をサポートしてあげるべきだと思いませんか?」
一見気弱そうに見えるネイトだったが、芯の強さを感じる瞳で言った。
ルーフはなんとなく目を合わせて話す事が出来ず、目線を落とし「…分かった」と短く返事をした。
一年の教室には20名程度の生徒がいる。半分以上が人間の子供で残りが魔族の子。竜人はシロしかいない。
「お前、竜人なんだろー?こんなしょぼい学校に竜人なんて珍しいよなー」
シロの席にやって来て話しかけてきたのは人間のルカと名乗る男の子だった。明るく活発でクラスのリーダー的存在だ。
「そうなの?竜人の子供もいるって聞いてたんだけど…」
「上の学年に2、3人いるくらいだよ」
そう言ってルカの肩に腕を乗せてきたのはリス魔族のアリス。薄茶色の長い髪をひとつにまとめた可愛らしい女の子だ。グリと同じように耳としっぽが出ているがほぼ人間の姿をしている。
「それよりシロのお父さんってルーフなの?」
アリスは興味津々で尋ねた。
「お父さんじゃなくて保護者代わりの人だよ。居候させてもらってるんだ。えーと、アリスはルーフの事を知ってるの?」
「うん、街では結構有名よ。博打で日銭を稼ぐ酒クズだって。あと顔が広いから裏で情報屋もやってるし腕っぷしも強いから意外と頼りになるって噂よ。本当なの?」
辛辣なアリスの言葉にシロは引き攣った笑みで「僕もまだ詳しくは知らないけど、確かにお酒はすごく好きみたい」と答えた。
(10歳の女の子にまで酒クズって言われてるルーフさんて…。お酒控えてもらった方がいいのかな)
シロはそんな事を考えつつ、自分がルーフの事をほとんど知らないということに気付かされた。
応接室のソファに座っているネイトは額に手を当てため息をついた。
「あんなの喧嘩じゃねぇよ。んー、昔の仲間との…じゃれ合い?」
対面に座るルーフは「けけっ」と笑いながら答えるとネイトにじろりと睨まれた。
「じゃれ合いのレベルじゃないです!そもそも学校で大人同士がじゃれ合わないでください!」
「へいへい、気を付けますよーっと。で、俺はなんで応接室に呼ばれたわけ?」
「はぁー。もちろんシロ君の今後についてです。
シロ君は午後は働く事を希望していますが、竜人の生徒は進学する子が多いです。ゆくゆくは騎士団や国政に関わる仕事に就けますからね。学校としてもシロ君には進学して欲しい思ってるんです」
「ふーん。じゃあシロに言ってくれ。あいつの人生なんだからあいつが決めればいい」
「もちろん本人にも話しますが、ルーフさんも保護者ならシロ君が将来幸せになるために導いてあげてください」
「…別にすぐに働いたって幸せになれるだろ」
「そうですね。…ただ、こういう事はあまり言いたくありませんが、竜人は私たち人間や魔族とは違うんです。人間の寿命なんてせいぜい80年ほどで魔力はほとんどありません。魔族は長生きですが、魔力や体力にバラつきがあり個人行動を好む。しかし平和主義で慈悲深い竜人は魔力、体力、知力全てにおいて秀でてます。国を支え、守る存在として必要不可欠なんです」
「人間は竜人を崇拝しすぎだ。竜人だって全員が聖人君主じゃねぇだろ」
「はい。でもシロ君はどうですか?ユーロン師団長から聞きましたけど、辛い経験をしてても素直で真面目な良い子だそうじゃないですか。シロ君の将来は大きな可能性で広がってるんです。地下室で存在自体を疎まれていたシロ君は、今度はこの世界に必要とされる場所へ行くべきです。自分の価値を知って、自分が唯一無二の存在だと気付いて欲しい。そして幸せになる未来を選択してほしい。
そのために私たち大人や保護者であるルーフさんがシロ君をサポートしてあげるべきだと思いませんか?」
一見気弱そうに見えるネイトだったが、芯の強さを感じる瞳で言った。
ルーフはなんとなく目を合わせて話す事が出来ず、目線を落とし「…分かった」と短く返事をした。
一年の教室には20名程度の生徒がいる。半分以上が人間の子供で残りが魔族の子。竜人はシロしかいない。
「お前、竜人なんだろー?こんなしょぼい学校に竜人なんて珍しいよなー」
シロの席にやって来て話しかけてきたのは人間のルカと名乗る男の子だった。明るく活発でクラスのリーダー的存在だ。
「そうなの?竜人の子供もいるって聞いてたんだけど…」
「上の学年に2、3人いるくらいだよ」
そう言ってルカの肩に腕を乗せてきたのはリス魔族のアリス。薄茶色の長い髪をひとつにまとめた可愛らしい女の子だ。グリと同じように耳としっぽが出ているがほぼ人間の姿をしている。
「それよりシロのお父さんってルーフなの?」
アリスは興味津々で尋ねた。
「お父さんじゃなくて保護者代わりの人だよ。居候させてもらってるんだ。えーと、アリスはルーフの事を知ってるの?」
「うん、街では結構有名よ。博打で日銭を稼ぐ酒クズだって。あと顔が広いから裏で情報屋もやってるし腕っぷしも強いから意外と頼りになるって噂よ。本当なの?」
辛辣なアリスの言葉にシロは引き攣った笑みで「僕もまだ詳しくは知らないけど、確かにお酒はすごく好きみたい」と答えた。
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