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3章
後日談
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《FRside》
待望の第一子アルトリア・ディル・エウデラードが生まれてから数年後_______。
「パパ~!!!」
光に照らされ無限の輝きを放つプラチナブロンドの髪と、夜空のように美しい青紫の双眸。誰がどう見ても美少女だと言いきれるほどの美貌を携えた彼女は、アルトリア・ディル・エウデラード。彼女の父であるアルトリウス・ディル・エウデラードの跡取り娘だ。可愛らしいドレスに身を包んだアルトリアは、アルに思いっきり抱き着いた。娘に甘えられ嬉しそうに笑うアルの腕の中には、もう一人の子。黒髪にエメラルドグリーンの双眸。幼いながらも既にアルと似た容貌の彼は、エウデラード家の第二子フィリウス・ディル・エウデラードだ。
「フィリア」
長女アルトリアと長男フィリウスを軽々と抱えて、椅子に座る俺の元へやって来たアル。年々かっこよさに磨きがかかっている気がする。
アルは、俺の顔から視線を外し、下腹部へと目を向けた。
「体調は大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
そっと自身の薄いお腹に手をあてる。
「ママ…びょうきなの?」
「おか、さん…」
心配そうな顔をして、瞳をうるうると潤ませたアルトリアの頭を撫でる。そして、か細い声で俺を呼ぶフィリウスの額に優しくキスを落とした。
「新しい家族ができるんだよ」
諭すようにそう言うと、二人はきょとんとした顔をして俺を見つめた。二人を抱くアルは、コホンと軽く咳払いをして照れ隠しをしている。
歳をとっても変わらない性欲。夜な夜なお盛んなアルとそれに余すことなく応える俺のせいで、お腹には新たな命が宿っていた。男の子か女の子かは、まだ分からないけれどきっとどちらでも可愛くて仕方がないんだろうな。
「ママ、あかちゃんうまれるの?」
「あかちゃん…?」
「ふふ、そうだよ。フィリウスはお兄ちゃんになるんだよ」
「おにいちゃん…?」
「じゃあわたしはフィリウスとその子のおねえちゃんだね!」
アルの腕の中でキャッキャッと嬉しそうに騒ぐアルトリア。フィリウスはまだよく分かっていない様子だけど、あと一年もしないうちに分かるようになるだろう。
愛しい愛しい我が子。何不自由なく思うがままに育って欲しい。いずれ俺たちの元へと生まれてくる、この子にも。
「わたしね!いっぱいおとうとといもうとが欲しい!」
「ぼくもっ…!」
身を乗り出すようにして訴えかけてくる二人に、俺は思わず笑みを零した。咳払いが激しくなったアルに対して、俺は笑いかける。
「じゃあいっぱい頑張らないとね?旦那様」
「……………あぁ、」
アルトリアに「パパてれてるの~!?」とからかわれる様子を微笑ましく見守る。
どうか、アルとこの子たちに永遠の愛と慈しみを_____。
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待望の第一子アルトリア・ディル・エウデラードが生まれてから数年後_______。
「パパ~!!!」
光に照らされ無限の輝きを放つプラチナブロンドの髪と、夜空のように美しい青紫の双眸。誰がどう見ても美少女だと言いきれるほどの美貌を携えた彼女は、アルトリア・ディル・エウデラード。彼女の父であるアルトリウス・ディル・エウデラードの跡取り娘だ。可愛らしいドレスに身を包んだアルトリアは、アルに思いっきり抱き着いた。娘に甘えられ嬉しそうに笑うアルの腕の中には、もう一人の子。黒髪にエメラルドグリーンの双眸。幼いながらも既にアルと似た容貌の彼は、エウデラード家の第二子フィリウス・ディル・エウデラードだ。
「フィリア」
長女アルトリアと長男フィリウスを軽々と抱えて、椅子に座る俺の元へやって来たアル。年々かっこよさに磨きがかかっている気がする。
アルは、俺の顔から視線を外し、下腹部へと目を向けた。
「体調は大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
そっと自身の薄いお腹に手をあてる。
「ママ…びょうきなの?」
「おか、さん…」
心配そうな顔をして、瞳をうるうると潤ませたアルトリアの頭を撫でる。そして、か細い声で俺を呼ぶフィリウスの額に優しくキスを落とした。
「新しい家族ができるんだよ」
諭すようにそう言うと、二人はきょとんとした顔をして俺を見つめた。二人を抱くアルは、コホンと軽く咳払いをして照れ隠しをしている。
歳をとっても変わらない性欲。夜な夜なお盛んなアルとそれに余すことなく応える俺のせいで、お腹には新たな命が宿っていた。男の子か女の子かは、まだ分からないけれどきっとどちらでも可愛くて仕方がないんだろうな。
「ママ、あかちゃんうまれるの?」
「あかちゃん…?」
「ふふ、そうだよ。フィリウスはお兄ちゃんになるんだよ」
「おにいちゃん…?」
「じゃあわたしはフィリウスとその子のおねえちゃんだね!」
アルの腕の中でキャッキャッと嬉しそうに騒ぐアルトリア。フィリウスはまだよく分かっていない様子だけど、あと一年もしないうちに分かるようになるだろう。
愛しい愛しい我が子。何不自由なく思うがままに育って欲しい。いずれ俺たちの元へと生まれてくる、この子にも。
「わたしね!いっぱいおとうとといもうとが欲しい!」
「ぼくもっ…!」
身を乗り出すようにして訴えかけてくる二人に、俺は思わず笑みを零した。咳払いが激しくなったアルに対して、俺は笑いかける。
「じゃあいっぱい頑張らないとね?旦那様」
「……………あぁ、」
アルトリアに「パパてれてるの~!?」とからかわれる様子を微笑ましく見守る。
どうか、アルとこの子たちに永遠の愛と慈しみを_____。
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