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二章
re.《279》眩い光
しおりを挟む眩い光だ。
天井の空を見上げたヨハネスは、思わずため息をこぼした。
「····· ──ルシフェル·····陛下·····」
「好きだ」
自室。ベットの上。こちらへ拒絶されて、端へ追いやられた肉食獣の言葉に、ミチルはとうとう眉を下げた。
早朝からやって来て、ベットに侵入してきた変質者だ。
否、自分の夫なのだが、変質者なのだ。だって寝込みを襲って色んなところを嗅ぎ回るのだから、変質者以外の何者でもない。
本当にイロイロなトコロを、だ。
思い出したミチルは目元を熱くして、しかし仰け反ってしゃがみこんでいる美形の変質者を確認すると、ちょっと苛立ちを覚える。
「だから、嗅ぐだけにしてやったんじゃねえか」
目が覚めるやいなや発狂したら、上記の通りの態度だ。
「つか、濡れてたし·····」
「!」
今だじんわり湿っているところを指摘された気がしてギクリとする。
が、どうやら指しているのは、嗅いでいた時のことらしい。
大悪魔が「俺の理性に感謝しろ」と言う。
そもそも、彼がちょっかいかけてこなければその理性を酷使する羽目にはならなかったのだ。
「で、どうなんだ?」
「へ?」
「だから好きだって言ってるだろ。なんか無いのかよ」
何かなんて、知らない。何も無い。
好きだからなんだと言うのだ。
(好きだ、って·····)
また顔が熱い。
そっぽを向いていたミチルは、はっと両手を握りしめた。
伸びてきた影。大袈裟に動いた喉仏。太い首が傾げられて、こちらへ近づいてくる。
「·····!」
逃げようとしたら両サイドに腕を置かれてしまう。
大きな枕の下に逃げ込んだ。
「ニャッ」
「頭隠して尻隠さずってな」
ぽんぽんと尻を叩かれる。
屈辱的だ。また顔が熱い。
なのに、嫌な振動じゃなくて、距離を取っている時よりもソワソワして、落ち着くのはなぜなんだ?
「それじゃ、苦しいだろ」
「ゃ」
枕を抱きしめて、暗闇に甘える。
そうするしか術がない。
枕と一緒に抱きしめた鼓動が早い。
「なぁ·····枕どかしてもいいか?」
「!」
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