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二章
re.《166》会いたかった
しおりを挟む『俺は·····!』
ミチルの心を壊したのは、あの日、ミチルのココロに立ち入ろうとした自分だ。
ミチルは心の扉に鎖を巻いた。
恐ろしい悪魔が入ってこないようにと───死さえも惜しまず、そうすることを本能で望んだのだ。
よく分かってる。
この自分を愛するならば死んだ方がマシだと。バルコニーから飛び降りようとしたミチルは、もうずっと前からそれを伝えていた。
それでも、彼を求めることを辞められなかった。
受け入れさせようと、無理矢理心をこじ開けた。
それでもこの城に住む悪魔はミチルを手放せない。
もとより、そんな選択肢はないのだ。
「死なせてなんかやるもんか·······」
だからもうやめる。
もう、得体の知れない愛や関心を求めるのは辞めるのだ。
ミチルの言った通り「遊び」でいい。
目にも見えない心など追い求める必要は無い。
それで一生ミチルを飼い殺せるというのなら、これは可哀想な獲物を恐ろしい悪魔が無理矢理に罵辱する「遊び」だ。
廊下を進み、2階1番端の扉の前で立ち止まる。
この部屋の前に来るのは一週間ぶりだ。
部屋の前でもわかる、発情しきったフェロモンの香り。
扉の前で待機していた使用人は形式通りきっかり30度の礼をし、扉を開けた。
中は薄暗い。
しかし震えた息の音がする。
細い動脈の音もだ。
ベットの中央に、拘束された幼くて熱い裸体を見つけた。
近づく度呼吸の震えが大きくなっているのが分かる。
音にさえ敏感になって、こちらに気がついているようだった。
「ねぇチル、会いたかったよ」
挨拶がわりに声で鼓膜を撫でてやる。
こんなに濃い臭いは初めてだ。
思わず、ゴクリと喉がなる。
本当に一週間、あの魔法薬を投与され続けたらしい。
耳はずっと具現化されっぱなしだろうか。ピンクを隠す目隠しへ指先を伸ばしかけたハインツェは、しかしそれを外すのを却下した。
愛おしいミチル。
今後は、心を侵食されると恐れ、防御する必要が無いほど───欲望のまま嬲ってやろう。
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