【完結】寡黙な宰相閣下の愛玩奴隷~主人に恋した奴隷少年の運命~

亜依流.@.@

文字の大きさ
37 / 57

〖第三十七話〗

しおりを挟む
「·····」


ピタリと止まったイヴァンの指は、再びネロの足先を撫で始める。
しかしその手つきは、先程までの怪我を確認するものとは違っていた。


「ん······っ」


足裏をなぞる指から、逃げるように後ずさる。
感じているなんてことは、絶対に知られたくなかった。
けれど彼の視線が止まった場所に、ネロはカっと頬が熱くなる。

平均的なそれよりもずっと控え目な陰茎が勃ち上がっているのは、スリーパーの上から安易に目認することが出来た。


「怪我を診ていた筈だが」


ため息混じりに、低い声が呟く。


「お前は、痛みにさえ感じるようだ」

「ち、違······」

「違うのか?」


この足首で試してみるか?と囁かれたイヴァンの声に、背筋をゾクゾクとしたものが駆け抜ける。
ベッドへ手を付いたイヴァンの瞳には、あの頃と同じく、獲物を狙う肉食獣のような色が滲んでいた。

痛めつけられるかもしれない恐怖よりも、この先の期待の方が遥かに大きい。
彼に与えられる痛みなら、それさえも耽美なものに変わるのかもしれない。
大きな身体がネロを押し倒す。
ネロは抗う術もなくスリーパーを捲り上げられた。


「···ごめんなさい···っ」


謝罪する声が震えているのは、恐怖のせいではなかった。
自分の腕の中で慌てふためき頬を真っ赤にするネロに、イヴァンは吐息だけで笑う。

少し愛撫すればたちまち蜜を垂らし、柔らかな身体は拘束しても自由にしても新しい傷を作ってくる。まるでとても痛みやすい果実のようだ。

いっその事何もかも柔らかな部屋の中に閉じ込めてしまえば、なんていう考えを頭に巡らせ、イヴァンは首を振った。

幼い少年を監禁したり、酷く嗜虐する趣味などは持ち合わせていない筈、である。


「イヴァンさま····」


ネロが不安げにこちらを見つめる。
イヴァンは蕾へ指を忍ばされた。


「ぁんっ······」


初めの頃こそ指一本で痛がっていたのに、今のネロはここをきつく締め付けながら物足りなさそうに瞳を細める。

足首の怪我は、幸い軽い捻挫のようだ。
本来ならば安静にさせた方が良いのだが、今更行為を中断することは不可能だった。


「はぁ······っ♡ぁ、ん······っ♡」


二本の指で撫でるように前立腺を刺激してやる。


「ひぅ······っ♡」


呆気なく中イキした身体は仰け反り、肉壁はビクビクとイヴァンの指に絡みついた。


「····すっかり快楽を拾うのが上手くなったな」


ネロは余韻とともにまた軽く達する。
引き攣りながら蠢く襞を、イヴァンの長い指が遊ぶようにかき混ぜた。


「あぁ♡ゃ····っ♡はぁ、····あんっ♡」


「もう声は抑えなくて良いのか?」


「····っあ···♡はぅ······♡」


意地悪なイヴァンの言葉に下唇を噛むも、少しと経たずその口元は唾液を垂らしながら緩んでしまう。


「そ、な、かきまぜちゃ、····あぅ····♡」


甘い声で訴えるネロの言葉に、説得力は微塵もない。
ぷるぷると震え出した身体がまた絶頂しようとする。

イキかけたネロの孔から、イヴァンの指が突然引き抜かれた。
空洞が出来たナカは、ひとりでに瑞々しく震えていた。


「んぅ·····♡」


寂しげなネロの唇を塞ぎながら、イヴァンは自身のベルトを外し始めた。


「ん、ふぅ·····っんぅ·····♡」


ネロの熱く濡れた舌が自ら突き出され、潤んだ瞳はそっと細められる。
この前は、気付かされたネロへの想いに混乱し、衝動に任せて彼を抱き潰してしまった。
狂ったように泣き喘ぐネロに支配欲が満たされる一方で、その瞳に滲んだ拒絶の色にどうしようもなく虚しくなった。

ネロにとって、自分は恐れる対象だろう。どんなに気遣ったところで、イヴァンの奴隷である彼にとって、この行為が一方的な性交であることに変わりはない。
だから、せめて大切に扱いたい。


「んっ·····♡ん、ン·····っ♡」


頬を赤らめながら口を半開きにしているネロに、まるで深い口付けを求められているように錯覚させられてしまう。

それが都合のいい解釈だと知りながら、イヴァンはネロの蕩けた唇を何度も啄んだ。


「はぁ、はぁ·····ぁ·····っ♡」


ネロは行き場の無い両手を胸の前で握りしめた。


「ん···はぁ···っ···──っ♡」


熱く重量のあるそれが、ゆっくりと内壁を押し広げてゆく。
もどかしいほどゆっくりと挿入されるペニスに、ネロは言葉にならぬ声を零した。

腹の中がいっぱいになる苦しさと全身を駆け巡る甘い快感に抗えず、寸止めを食らうネロのナカはそれをきつく締付ける。


「んん♡は、ぁ♡あ♡·····ゃんっ♡」


根元まで押し込まれる。ネロは自分と深く繋がったイヴァンを見上げた。
シャツを完全に脱ぎ捨てた身体は、薄暗がりの中で美しい筋肉の凹凸を顕にさせていた。

熱を持ったイヴァンの視線が、舐めるようにネロの身体を見下ろし、やがて胸元へと首をうずめる。


「─────あっ♡」


ヂュ、と濁った音がした。
あたたかな口の中に含まれた胸の突起が、舌にねぶり吸われる。
カクカクと震えていた腰がくねり始める。イヴァンはそれを知りながら、反対側の乳頭も同じく愛でてやった。

ネロはとうとう射精と共にナカを痙攣させた。
その間も、イヴァンのペニスは奥深くへ挿入されたまま動かされない。
絶頂を迎えさらに敏感になったナカが、これ以上はおかしくなってしまうと怯える意思に反し、男根を味わった。


「あ·····♡あ、ぁ、あ···♡」


彼よりも先に、何度も達してしまった。
こんなのはダメだ。そう思うのに、身体は言うことを聞かず、咥え込んだイヴァンの物を必死に壁へ擦り付けた。


「はぁ♡はぁ♡あ·····っ♡ぁ、♡」

「気持ちいいか?」

「·····あっ♡」


普段は冷たいイヴァンの声に、甘い余韻が含まれている。
彼の視線も、声にさえも発情効果があるようだった。


「ネロ」


何度も名前を呼ばれながら、体を揺すられる。
ネロは、彼の背に手を伸ばした。





















しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...