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457、対策 斗真side
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落ち着いて良かった…
今回は隣にいたから解離が起きた時すぐ気付いて対応できたけどもし1人だったら…それに立ってて急に倒れたら家具とかに頭をぶつけていたかもしれない…
考えれば考えるほど最悪の考えが思い浮かぶ。
そうなる前に対策しないと…
1番の理想は解離やフラッシュバックが起きないようにすることだけど今回だって何がきっかけで起きたのか未だに分かってないからそこは防ぐのは難しい。
俺ができることは起きた後の対応と二次被害を防ぐことか…
奏くんが苦しんでるのに根本的な解決は何も出来ないのか…
解離が起きる前は絵を描いていて…
奏くんをソファーに横にさせて離れる。
絵を描いていた紙には色々描いてある。
さっきアニメに出てきた動物といくつかの黒い丸…
この丸って…
前に奏くんが言ってた黒い絵の具?
確か人の顔とかが黒く見える時があるって、人の顔を描いたのか?
「…斗真さん?」
「ぇっ、あ、ごめん、起こしちゃった?」
フルフル
「お仕事?」
「あ、うーうん。お仕事はもう終わってるよ。奏くんが描いてた絵を見てたんだ。」
さり気なく聞いてみよう。
少しでも不安な反応を見せたらすぐに話を逸らそう。
「上手に描けてるね。」
「ありがとう…」
「これはウサギさん?」
「うん、こっちはクマさんでこっちはゾウさん」
「上手だね~、色も綺麗に塗れてるね。」
「コクリ///」
「…これは?」
黒い丸を指差すと黒目が泳ぎ、瞬きが増えた。
ヤバいっ、やっぱり触れちゃいけない事だったか。
「絵の具。」
「そっか、黒い絵の具。」
「うん、絵描いてたら黒い絵の具が見えたから描いた。」
「そっか…」
淡々と話してるように聞こえたが手は震えていて瞬きが増えた。
衝動的に奏くんを包み込むように抱きしめた。
「教えてくれてありがとう。」
「…斗真さん?」
「ごめんね、ちゃんと奏くんは助けを求めてくれてたのに気付いてあげられなかった。ごめんね。」
「ぇ…僕何も言ってない。」
「うーうん、言葉じゃなくて、こうやってヒントはくれてた。今見たら奏くんが助けてほしいって言ってるってすぐ分かった。」
「…なんて言ったらいいか分かんなかった…」
「そっか、なんて言ったらいいか分かんなくて『なんでもない』って言ったんだね。」
コクリ…
「ごめんなさい。」
「うーうん、悪いことじゃないよ。分かんなかったんだから仕方ないよ。伝えようとしてくれたことが嬉しいよ。ありがとう。」
…コクリ
辛かったんだろう。
話しているうちに震えは止まったが目に涙が溜まっていく。
「どうしたら伝えれるかな?」
「…ちゃんと言う。」
「うーん、言えたらいいけど、さっきみたいになんて言ったらいいか分かんなくなっちゃったり、声が出なかったりする時もあると思うんだ。そういう時のためにどうやって伝えるか一緒に考えたいな。」
コクリ
「例えば、手で何か形を作ったり、手を叩いたりとか?」
「………ッ…っ…」
「大丈夫、ゆっくり考えたらいいよ。」
考えないとと焦ったのか息が詰まる。
自ら選択するのもまだ難しいのに新しく何かを考えることはもっと難しいよな。
「………書く…」
「良いね。紙に書いたら分かりやすいね。」
コクリ
奏くんが考えて案を出してくれたことが嬉しかった。
できればこれを採用したい。
けど、言葉でもなんて言ったらいいかが分からなかったから同じように文字もなんて書けばいいか分からなくなるだろうな…
奏くんの案を取り入れつつ何か新しい案…あ!
「文字で表現するのはすごい分かりやすいから、既に書いてあるカードとかどう?」
「カード?」
「俺に伝えたいことをここに書いて、例えば、怖いとかしんどいとか痛いとか。で、伝えたいカードを見せてくれたらすぐ分かるよ。」
紙を切って書いて見せると良いと思ってくれたのかスっと受け入れてくれた。
「カードならできる。」
「よし、じゃあどんなカードが欲しいか考えてみようか。」
コクリ コクリ
「どんなカードが欲しい?」
「これ、」
さっき書いた3つのカードを指差した。
「怖い、しんどい、痛い、あとは?」
「……もやもや」
「うんうん、もやもやね。あとは?」
「…黒い絵の具」
「うん、黒い絵の具。」
「あと…あと……あと……ッッはぁ…はぁ…」
「ゆっくりでいいよ。大丈夫、大丈夫だよ。」
辛い時に出すカード、これを出す場面を考えることがしんどいよな。
「声が…声が聞こえて……っ…はぁっ…」
「うん、」
抱きしめて一言も聞き逃さないよう集中する。
「怒られて……っ!役立たずっお金…お金がっ…」
「分かった、分かったよ。ありがとう。もう大丈夫。ありがとう。」
過呼吸になりかける奏くんの背中をゆっくりと撫で下ろし顔を俺の胸に優しく押し当てる。
「ゆっくり息してー、そー上手。大丈夫だからね。」
「っ……っん…んんんっぁぅぅうう…」
呼吸が落ち着いたら俺の胸に顔を押し当てたまま大泣きした。
思い出したくない記憶だよな。
ごめんな、…
親から解放された今も思い出すとこうやって怯えて心も体もしんどくて、辛いな…
幻聴か…
「…もう無い。」
「もう無い?じゃあ、あともう1つ『分からない』も入れとこうか。どれか分からない時でもこの中に合うのないなって時でも使える。」
コクリ
「よし、じゃあ夕食食べてひと休みしたらカード作ろう。」
コクリ
夕食は奏くんがリクエストしてくれたオムライス。
オムライス好きなのかな?
今回は隣にいたから解離が起きた時すぐ気付いて対応できたけどもし1人だったら…それに立ってて急に倒れたら家具とかに頭をぶつけていたかもしれない…
考えれば考えるほど最悪の考えが思い浮かぶ。
そうなる前に対策しないと…
1番の理想は解離やフラッシュバックが起きないようにすることだけど今回だって何がきっかけで起きたのか未だに分かってないからそこは防ぐのは難しい。
俺ができることは起きた後の対応と二次被害を防ぐことか…
奏くんが苦しんでるのに根本的な解決は何も出来ないのか…
解離が起きる前は絵を描いていて…
奏くんをソファーに横にさせて離れる。
絵を描いていた紙には色々描いてある。
さっきアニメに出てきた動物といくつかの黒い丸…
この丸って…
前に奏くんが言ってた黒い絵の具?
確か人の顔とかが黒く見える時があるって、人の顔を描いたのか?
「…斗真さん?」
「ぇっ、あ、ごめん、起こしちゃった?」
フルフル
「お仕事?」
「あ、うーうん。お仕事はもう終わってるよ。奏くんが描いてた絵を見てたんだ。」
さり気なく聞いてみよう。
少しでも不安な反応を見せたらすぐに話を逸らそう。
「上手に描けてるね。」
「ありがとう…」
「これはウサギさん?」
「うん、こっちはクマさんでこっちはゾウさん」
「上手だね~、色も綺麗に塗れてるね。」
「コクリ///」
「…これは?」
黒い丸を指差すと黒目が泳ぎ、瞬きが増えた。
ヤバいっ、やっぱり触れちゃいけない事だったか。
「絵の具。」
「そっか、黒い絵の具。」
「うん、絵描いてたら黒い絵の具が見えたから描いた。」
「そっか…」
淡々と話してるように聞こえたが手は震えていて瞬きが増えた。
衝動的に奏くんを包み込むように抱きしめた。
「教えてくれてありがとう。」
「…斗真さん?」
「ごめんね、ちゃんと奏くんは助けを求めてくれてたのに気付いてあげられなかった。ごめんね。」
「ぇ…僕何も言ってない。」
「うーうん、言葉じゃなくて、こうやってヒントはくれてた。今見たら奏くんが助けてほしいって言ってるってすぐ分かった。」
「…なんて言ったらいいか分かんなかった…」
「そっか、なんて言ったらいいか分かんなくて『なんでもない』って言ったんだね。」
コクリ…
「ごめんなさい。」
「うーうん、悪いことじゃないよ。分かんなかったんだから仕方ないよ。伝えようとしてくれたことが嬉しいよ。ありがとう。」
…コクリ
辛かったんだろう。
話しているうちに震えは止まったが目に涙が溜まっていく。
「どうしたら伝えれるかな?」
「…ちゃんと言う。」
「うーん、言えたらいいけど、さっきみたいになんて言ったらいいか分かんなくなっちゃったり、声が出なかったりする時もあると思うんだ。そういう時のためにどうやって伝えるか一緒に考えたいな。」
コクリ
「例えば、手で何か形を作ったり、手を叩いたりとか?」
「………ッ…っ…」
「大丈夫、ゆっくり考えたらいいよ。」
考えないとと焦ったのか息が詰まる。
自ら選択するのもまだ難しいのに新しく何かを考えることはもっと難しいよな。
「………書く…」
「良いね。紙に書いたら分かりやすいね。」
コクリ
奏くんが考えて案を出してくれたことが嬉しかった。
できればこれを採用したい。
けど、言葉でもなんて言ったらいいかが分からなかったから同じように文字もなんて書けばいいか分からなくなるだろうな…
奏くんの案を取り入れつつ何か新しい案…あ!
「文字で表現するのはすごい分かりやすいから、既に書いてあるカードとかどう?」
「カード?」
「俺に伝えたいことをここに書いて、例えば、怖いとかしんどいとか痛いとか。で、伝えたいカードを見せてくれたらすぐ分かるよ。」
紙を切って書いて見せると良いと思ってくれたのかスっと受け入れてくれた。
「カードならできる。」
「よし、じゃあどんなカードが欲しいか考えてみようか。」
コクリ コクリ
「どんなカードが欲しい?」
「これ、」
さっき書いた3つのカードを指差した。
「怖い、しんどい、痛い、あとは?」
「……もやもや」
「うんうん、もやもやね。あとは?」
「…黒い絵の具」
「うん、黒い絵の具。」
「あと…あと……あと……ッッはぁ…はぁ…」
「ゆっくりでいいよ。大丈夫、大丈夫だよ。」
辛い時に出すカード、これを出す場面を考えることがしんどいよな。
「声が…声が聞こえて……っ…はぁっ…」
「うん、」
抱きしめて一言も聞き逃さないよう集中する。
「怒られて……っ!役立たずっお金…お金がっ…」
「分かった、分かったよ。ありがとう。もう大丈夫。ありがとう。」
過呼吸になりかける奏くんの背中をゆっくりと撫で下ろし顔を俺の胸に優しく押し当てる。
「ゆっくり息してー、そー上手。大丈夫だからね。」
「っ……っん…んんんっぁぅぅうう…」
呼吸が落ち着いたら俺の胸に顔を押し当てたまま大泣きした。
思い出したくない記憶だよな。
ごめんな、…
親から解放された今も思い出すとこうやって怯えて心も体もしんどくて、辛いな…
幻聴か…
「…もう無い。」
「もう無い?じゃあ、あともう1つ『分からない』も入れとこうか。どれか分からない時でもこの中に合うのないなって時でも使える。」
コクリ
「よし、じゃあ夕食食べてひと休みしたらカード作ろう。」
コクリ
夕食は奏くんがリクエストしてくれたオムライス。
オムライス好きなのかな?
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